見出し画像

孤高の存在

硬いなみだを 押しとどめ
齧りかけの パンを飲み込む

** * 
男のくちがあまやかに動き 絶頂が駆け巡る
弾かれたやう 跳ね上がる躰 
しなっては戻り 果てが無い 
保てぬ意識に 抗いながら
描かれし円は 交差し 
接近しては 拡がってゆく 
まろく 淡く 
鮮烈な 光と闇とを内包し 
無限の彼方へと 誘う
閃光が 幾筋も煌めき
どこまでも 雄弁に発す瞳を
おごそかに 瞬く睫毛を 
奇跡のやうに みつめては
ノンヴァーバルなコミュニケーションが 極まる
低い唸り 包む両腕の感覚が変わり
熱量で 3枚のベーコンが瞬時に
かりりと焼き上がる音が 耳元ではぜる
*
時折頭をもたせかけられる存在のあることの こころ強さよ
ひとは どこまでいってもひとり
1トンの塩を 共に舐められたなら
深き海溝を渡り その胸に飛び込めたなら
難局も喜びも 直接にわかちあうことは叶わなくとも
それ故瞬間に 永遠を刻む

*** *
私は わたしから離れられないから
鯨にもイボイモリにも なれないけれど
倦まず たゆまず 視線は高く 
見果てぬ地平へと 漕ぎ出ださう

画像1

画像2

画像3


Erat, est, fuit あった、ある、あるであろう....🌛