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姿勢と美と 『疲れない身体の作り方』

背筋を伸ばし 体内を流れる気に意識を向ける
上から引っ張られるようまっすぐ立ち ゆっくりと呼吸を整えたら
目線を遠く すっと歩き出す
内側で イメージをふくらませていく
ゆったり優雅に 流れるよう美しく
森へ 山へ うみへ 何処をめざそう
ひらけたキャンバスに 思うまま
呼吸する度 心は躰につながっていく
かなしいときも 遣る瀬無いときも まずは顔を持ち上げて
無理はしないで でも前だけは向いて微笑んでみる

850年続く小笠原流礼法の 立ち居振る舞い

   “立つ・歩く・座るの基本が要であり 
    当たり前のことを生涯かけて鍛錬すること”

   “意識を「腹」に置き、むやみに思考や感情に翻弄されず、
    身体全体で「今」に集中するよう心がける”

過剰になった感情は 一旦脇へ置いておいて 
心があわただしくなった時 躰からのアプローチが効く
丹田に意識を降ろし 力をコントロールしていくと
マインドが変わってゆき 見えるものも移ろって 

   “「後ろ足」が主体。「後ろ足をまっすぐ平行に
       前にすり出す」の繰り返しが正しい歩みの基本”

何事も 大事なのは送り足(”後ろ足”)
踊りでも 右足を出すために意識するのは左足で
左足を出すときには 右足に意識を置く
すーっと身体が 船が白く飛沫を上げて走るやう
自然に進みはじめるのを 感じる
繰り返しの動きが うつくしい所作につながってゆく

物を持つとき 手でなく前腕(内側)で持つなど
全身をくまなく使い 動けるからだを保つことをあらためて
正座 跪坐(きざ) 蹲踞(そんきょ) 幡足座 
一日を送るなかで 意識的に取っていきたい姿勢 
イメージが運んでくるものを 味わいながら身に着けたい

   “風のない日に煙が一筋、空へ立ち昇っていくように立つ、
     静かな湖に石が沈んでいくように座る”

何はなくとも 呼吸から
心を鎮め 落ち着かせ 
気持ち新たに 生まれ変われるスイッチ
わたしたちは 何度でも 
望むように 変わってゆける
力の抜き具合を 調整しながら 
いつでもリラックスできる 魔法をかけて
自然と地球と宇宙と 調和した呼吸を共にしたい

『疲れない身体の作り方 実用的、効率的かつ美しい和の作法』
 (小笠原清基・’14・アスペクト)

Erat, est, fuit あった、ある、あるであろう....🌛