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魂紡ぎ(Laos)

魂を つなぎ戻す旅
いくつかのことごとが さまざまの様相を呈し
ずいぶん長い間 打ちひしがれていた
辛いのはじぶんだけではないけれど 
どうにもマインドを保てなくて 気付けば思考は禅寺に飛びがち
素直な愛情表現の人たちに 出逢ったから
私はまた 息を吹き返して

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Hanoi―
水辺での憩い 背の高い木々 茂る緑
池に向かって枝を垂らし 葉を浸して
至る所に背の高い樹々 趣ある家々
緑と建物の抜群の相性に 目を奪われ続けた
春節を 寿ぐ人たちの賑わい
往き過ぎる旅行者たちの 晴れやかな表情
幼子を抱えた父親たち 天使のようなドレスをまとい
あいくるしい瞳で見上げてくる おんなの子

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ラオスLaos―――
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どんなにみじめで 情けない状態が続いていても 
声を掛け続けてくれる人がいて
愛するひとたちが いてくれて 
これ以上 何を望む?

ラオスのあおい空に向かって 何度泣いたか
それでもやっぱり 救われ続けていた
この空に 何度でもよみがえる情熱 
この青と 恋におちる

屹立する 猛々しき山々を
白い田畑に 土を食む赤い牛
畑仕事に精を出す 女性の姿 
ベトナム北部より 陸路を駆け 
ラオス国境を前に すとんと眠りに落ちたバス
目覚めると 青い靄に包まれた 夜明け前の山中 
南方を想い出す 大きく葉を広げた樹々
ずっと この景色を求めつづけているのか
バスで走る度 目にするのは
其処此処で営まれる たしかな暮らし
地に足をつけ 深く根を張る生き方を
渇望している己の一部に 気が付く
森と 木々と ただただ流れていく時間

ボリカムサイ県ラックサーオ(LAK20)を抜け
そそり立つ岩肌を眺めながら キーフン(砂埃)だらけの道をひた走る 
この大いなる存在の前では 不思議とゆるされている気持ちになる
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故郷は どこにでもあるようで 何処にもない
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形あるものを追い続け 結局一切を仕上げることも出来ぬまま 
ひきずられるように旅に出た 
バラバラになってしまった躰と心を 何とか繋ぎ留めたくて
硬く固く閉ざして カチカチになった躰を 
つよく注ぐ陽射しと 暖かな気候が おもむろに溶かし始める

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より優しく 深くなった目元
光が 射し込んだ 鋭く強い光
幕が開くように 柔らかく 辺りを照らしてゆく
貫かれるような 深い光線の向こう
いとしい眼差しが浮かんで おもわずなきそうになる
四つの目と 四つの耳
だいすきな子との旅路 ひとりでは逃していた表情や声を
お互いが聴いた音を 感じた空気を
共有できる喜び

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ことあるごとに再訪を思い描いていたワット(お寺)
辺りに轟き 全身に木霊してはつらなってゆく 
共鳴を呼び覚ます 銅鑼の中
凝り固まっていた心が 氷解する
静けさと 同時に迫り来る熱波
柔らかに緩んで 受け入れる体制は 
整った コブミカンの葉を 摘んできて
料理を つくるから

Erat, est, fuit あった、ある、あるであろう....🌛