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「足りない」の根っこ

まだまだ足りない。もっと真剣に生きないとダメだ。
まだまだ足りない。もっと真面目に誠実に、
心を込めて生きないとダメなんだ。
いつも自分に言い聞かせてきた。
だから、真剣、本気に、時間を大事に生きている。
そんな人をみるとしびれるんだ。憧れるんだ。
自分は本当に足りない。
まだまだだっていつも感じるんだ。
これが、向上心ってヤツで
意欲ってヤツだと思っていたんだ。
でも、そんなこと考えずに生きている。
そんなヤツに引っかかるんだ。
糸の切れた凧みたいに、ふわふわ、だらだら、
明日どこに行くかもわからない。
「なるようになるさ」てな感じのヤツが
気になるんだ。「なぜにこやつは、
こんな生き方でよしとしているのか❔」
なぜに「まだまだ足りない」って思っていないか?
それがわからなくってずっと悩んできたんだ。
そんなふうに悩んできたってことは、
要は、自分がまったく
わかっていなかったってことなんだ。
自分の人生振り返るとわかるんだ。
自分はぬくぬくと大した苦労もせずに生きてきた。
でも、人生で出逢った人は、半端ない壮絶な人生を
送ってきていたんだ。そういう人生を懸命に
生きる人に出逢うたびに、いつも思っていたんだ。
「自分は甘い。自分はぬるい。
自分はもっともっと真剣に生きなきゃ申し訳ない」
そう思って、自分を追い込んで生きてきたんだ。
いつも足りないって思ってきたことは、
そういうことだったってことなんだ。
でも今はわかるんだ。自分が出逢ってきた人は、
自分なんだってことを。
自分を思い出させてくれるために、
出逢っているんだってことを。
自分の中にある、深い悲しみや寂しさ、
怒りや憎しみ、そして恨みの気持ち。
喜びや感謝、慈しみの心を思い出させてくれる。
ただただそういう存在なんだ。
だから、出逢った人の頑張りと比べて、
足りないって感じるのは、違っていたんだ。
そうか、自分もこうやって乗り越えたんだって
感じりゃいいんだ。
自分がどんな困難や逆境を経験し、
乗り越えてきたかはわからない。
でも、そのことをかつて出逢った人が見せてくれる。
教えている。人生ってヤツはそういうことなんだ。

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