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葉っぱにそっくり 擬態の王様 コノハムシ

 葉っぱにそっくりの昆虫の代表選手、コノハムシ(PhylliidaeもしくはLeaf Insect)。その隠蔽擬態と呼ばれる擬態のみごとさ、美しさを昆虫好きの方が鑑賞したり、昆虫学の研究者の方が学術目的で取り寄せたり、クリエイターの方が自然からのインスピレーションを得るために求められたり、実に様々なニーズがあるようです。

 この虫の住む場所はアジアの熱帯地域に広く分布しており、いんどねし屋が得意のテリトリーとするインドネシアの島々にもたくさん住んでいます。いんどねし屋では現在、ジャワ島で採取したPhyllium pulchrifolium 、Phyllium bioculatum 、Phyllium pulchrifolium 等のコノハムシの透明レジン標本のキーホルダーを販売中です。あなたもコノハムシを連れてお散歩を楽しみませんか?

 熱帯の森の中、コノハムシは特にグアバの葉っぱが大好物で、まるで自分の体の形のように葉を食べる習性が知られています。自分の体の形の樣にコノハムシがかじった葉っぱの中にコノハムシが紛れると、「これコノハムシの写真だよー」と見せられても、よほど良く見ないと、ただの葉っぱだけの写真にしか見えません。


 コノハムシは卵の時には植物の種そっくりです。つまり、生まれる前から植物に擬態しています。生まれた時からコノハムシの形で(不完全変態の若虫)、この時には赤っぽい色やオレンジ色をしています。そして風に吹かれて飛ぶ事ができます。

 しかし、成体になると体の小さなオスには羽があり飛べますが、体の大きなメスは羽が退化しており飛べなくなります。色も緑や黄色に変わって行きます。葉っぱの擬態のみごとさで言うとメスは前翅が木の葉のようになっており、翅脈も葉脈にそっくりに見えるのでオスかメスかで迷ったらメスが人気でお勧めです。また、その他にもオスは触覚が長く虫っぽいですが、メスは触覚が非常に短く、より葉っぱっぽいなどの違いがあります。またオスとメスでの有性生殖の卵でも増えますが、メスだけでも卵を生んで増える単為生殖もできちゃうそうです。このタフな生存戦略には頭が下がります。

 グアバの木があれば、コノハムシのブリーディングは比較的簡単と言われています。ただ、ジャワ島のコノハムシのブリーダーの方々に聞いてみると、空気が乾燥すると脚や体の一部が折れやすい等、扱いには注意が必要な様です。さらに、コノハムシは一般に緑の成体個体が多いのですが、若虫の周囲の色や餌の色などで黄色やオレンジががった個体にも育てる事ができ得るそうで、この辺はそれぞれ皆さんの持つ企業秘密の技が生きている様です。ただ例えばオレンジの個体に育てるためにオレンジ色のパパイヤを餌で与えたりするそうなのですが、これでうまく行く時もあれば、うまく行かない時もある(要は個体の気分次第?)だそうで、必ずしも体色の誘導法は確立したものではないようです。また周囲が緑色の葉っぱだらけなのに黄色になる「ひねくれた」成体もいるとかで、その気まぐれさにブリーダーの皆さん、頭を痛めているようでしたね。。コノハムシの体色の問題は腹を割って彼らの気持ちを聴かない事には前には進まないのかも知れません。。
 稀にたまたま育つ緑と茶色の色が混ざった成体個体等が入荷できる事もあります。これはコノハムシ・コレクター級の方が探し求めておられる場合がありますが、個別に問い合わせて頂ければ希少個体を優先的に販売させて頂く事も可能です。ぜひ、お問い合わせ下さい。



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