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英単語の勉強法【論文】

はじめに

こんにちは.今日はより良い言語学習をするためにはじめた「言語学習関連の論文や本を読んでみる」シリーズです.

英語学習を始めた時,先ずは単語帳からやってみるという方は多いのでは無いでしょうか?私もそうです.これまでに本当にたくさんの英単語帳を使ってきました.

先日英検の予想問題を解いてみて,英検1級合格には単語力強化が必須である事がわかり,2冊単語帳をかってきました.でる順パス単は一般的な単語帳で文単の方は文章を読む中で単語を勉強するという形になっています.

単語帳をやっていても集中ができません.

これまで,たくさんの単語帳を使ってきてそのおかげで,今の単語量があるのは単語帳のおかげです.単語帳は新しい単語を効率よくみるのには本当に良いのですね.しかし最近は英検の単語帳をやっていても15分くらいで集中が途切れてしまいます..英検1級の単語が難しすぎることも要因の一つだと思います.そこで今までとはちょっと違った方法でも単語を試すために,文単を購入しました.文単の方は文章の流れの中で単語を知る事ができるので私にはあってると感じています.

単語帳での語彙学習が行き詰まる中でより良い語彙学習を知りたいと思い中高の英語学習における語彙学習方略という論文を読んでみました.

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjep/69/4/69_366/_article/-char/ja/

論文の目的と手法

  • 効果的な語彙学習方法は言語習得レベルによって変わるのか

  • 中学校高校での語彙学習の現状

  • 学習の目的と言語に対する思いがどのように影響するのか

著者の方は中学1年生ー高校3年生に対して語彙テストとアンケート調査を行い,その結果に対して統計解析を用いて,この問題にアプローチされています.


中高生の単語学習

単語学習に対しては半数以上の中高生が苦手意識を持たれているそうです.私も高校の時,単語テストが毎週ありいつも嫌々やってたのを思い出しました.

日本の中高での単語学習は何回も書いて覚えたり,単語帳で英単語に対応する日本語を覚えたりする反復練習が一般的です.私も紙にたくさん書いてやっていたのを覚えています.

しかし,研究によると実際に使えるようになるためには文法的機能や単語同士の関係性などの知識が必要とされているそうです.この知識・能力は単語帳で英単語の日本語訳を覚える反復練習だけでは使えるようにはなりません.そのため反復方法以外の学習が重要になってきます.

筆者は英語学習初期の中学生から高校生へ上がっていく中で,反復練習だけではない語彙学習が効果的になるのか,どう変化するのか,そして,その時に単語学習を行う理由(モチベーション)がどう影響しているのかについて研究されています.とても勉強になりました.

今までの学習していてこういう学習がいいんだろうなーとなんとなく思っていた事が今回の論文で確かめることができたという感覚です.


単語学習についての先行研究


  • 繰り返し書く学習はあまり効果的ではない(作業化してしまっている)

  • 関連付け学習が効果的(文脈から考えたり,語幹を覚えたりなど)

単語学習方法には個人差があるというのは当たり前ですが,勉強方法どのように分類されるかは知らなかったのでこの論文を読んで勉強になりました.

根性でとにかく練習しまくる(反復方法)か頭を使って練習する(関連づけ)かという感じですね.私も高校生の時たくさん書いて覚えようとしていましたが,ノートを埋めることが目的になっていて全然覚える事ができませんでした.まさにこれがダメだったのですね..

一般的には習得度が上がり単語の知識が増えると単語同士を関連付けやすくなるため深い単語学習ができやすくなるようです.文単のように文章の流れから単語を予測したり,覚えたり,語幹から覚えてみたりする事が関連づけ学習になるようです.音声も関連付け学習になるのかな

著者は日本の中高6年間で初学者から初中級者になるにあたり単語学習がどのように変化しているのかを調査されています.


調査結果と考察

  • 勉強方法は全学年を通して反復方法が主

  • 反復方法は効果的ではない

  • 高校生になると関連付け方法が相関あり?

言語習得レベルが上がるほど関連づけ学習が容易にできるようにもなるにかかわらず,その方法は停滞か減少する傾向があったそうです.つまり,日本の中高での単語学習は基本的に反復方法となっているそうです...小学校から漢字をたくさん書いて覚えたりすることが染み付いていることが要因の一つではないかと考察されています.何回も書いて覚えることに効果がないことではないようですが,書き写す作業となっている場合は効果が本当に低いそうです.

また高校生においては少ない中でも関連づけ方法の有効性が示されています.興味深い事が,高校生くらいの言語レベルになると関連づけ方法ができその効果も出てくるのですが,学習方法としては相変わらず反復方法が主という事です.

関連づけ学習に変化していかない理由の一つとしては,大学受験や単語テストでの日本語訳を答えるみたいな事が要因の一つではないかとされています.スピーキングやライティングで実際に単語を使おうとしないと,どんな状況でどの単語を使うべきかと考えることもあまりありませんし必要ありません.


また言語を学ぶ理由(モチベーション)の異なりが反復学習だけでなく関連付けなどのより深い語彙学習の使用に影響するそうです.

単語の活用目標が高いほど,関連づけ学習方法を行い単語のニュアンスを把握しようとする傾向があるようです.

一方で単語テストなどが目標がであると,単語を使うというより,単語の日本語訳の暗記を重視する傾向が高くなり,反復学習法を続ける傾向があるそうです.


学習目標が単語を使うこと→関連づけ学習を行う→単語力が伸びやすくなる


言語学習を行うのか,単語を使いたいと思うような教育,単語を使えるようになりたいと思いながらの自分自身での学習が重要である事を再認識する事ができました.


読んでみて

伝統的な単語帳で反復して覚えようとする方がなんだかんだ言って最も効率的であると思っていました.

これを読んで文単を使っていたり,題をやって文章中から単語の意味を推測した時の方が記憶に残っているなーと感じていたのは知らずのうちに関連づけ学習ができていたからなのかなと思います.

今後は単語帳を使いながらも実際に使おうとしたり,文単や問題集,英会話などと組み合わせる事で効率よく覚えていきたいと思います.

本当に勉強になりました.ここまで読んでいただきありがとうございました.より良い楽しい学習ができるようにこれからもnoteを書いていきますのでよろしくお願いします.

サポート本当にありがとうございます.頑張ります!!!