闇がありそう、と言われて

考えていた。

初めて人を諦めたのは中学2年生の夏。

あの頃は「グループ」が自分の世界のすべてで。

中学校1年のとき同じクラス同じ部活の子2人と3人で「グループ」だった。

いつの間にか私が浮いて2+1=3の構図が出来上がった。

2人で盛り上がる会話。長電話。映画。プリクラ。買い物。

わたしは1人だった。2+1の3人でいることで2人の距離はますます縮まる。

もちろん温度の違いには気づいていた。

それでも、群れていたかった。「グループ」でいたかった。

彼女たちと仲良くしたかったわけじゃない。

何が何でも孤立しないよう2人にしがみついていた。

それがプライドだった。


「あの2人、夏祭り行ったみたいだよ。昭和ちゃんには内緒にしてねってみんなに言ってたよ。」

悔しくて恥ずかしくてたまらなかった。

裏切られたことに対してじゃない。

2+1の構図がみんなにばれてしまったことに対してだった。

「グループ」がなくなることを意味していたからである。


今は一人が好きだ。

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