ティーン・エイジのブルースが聞こえる1

10代の事件簿から

誰かを殺したいと思ったことがあるかい?何もかもメチャクチャに叩き壊して世界中を全て否定してしまいたいと思ったことが……。
1983年1年間の新聞を眺め返してみるとやたら目につくのが“10代の犯罪”、“少年非行”、“校内暴力”の文字だ。
少年非行って何なんだろう?大人になってタバコを吸ったりセックスをするのは許されても、15歳でタバコを吸ったりセックスしたりすると、それは非行というレッテルが貼られてしまう。どうしようもない苛立ちとやり場のないフラストレーションが渦巻いているようだ。学校を破壊し、教師をブン殴り、親を足蹴にする……君らは立派に『時計じかけのオレンジ』を超えちまってる。ある人はそれを君ら若者自身が悪いのだといい、ある人は親や学校が悪いという。社会が、時代が病んでいるのだ……そうかもしれない。だけどどっちみち誰かに責任をなすりつけようとしているだけかもしれない。
僕はただの一介のロック・ライターだ。“ロックを聴いたり髪をのばしたりするのは不良だ”と思われていた時代からロックを聴き始め、そして今もあいかわらずロックにのめり込んでいる。そんな僕がどういうわけかこの“10代の事件簿”というシリーズを担当するはめになった。教育問題評論家や牧師やPTAなどのお偉い“見識者”ではない僕だから、ここはあくまでもロック派のひとりである僕自身の主観と独断によってハナシを進めさせてもらうことにする。そこんとこ、ヨ・ロ・シ・ク!

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