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CES2024 ラスベガスに行ってきました

こんにちは、インフォコム UXteamのfurukuboです。この記事は「USX DesignTour(UXteamがUSでデザインをアップデートしてくるための旅)」の続編です。

インフォコムのUXteamは2024年1月9日~12日までラスベガスで開催されたCES(シーイーエス)の視察に行ってきました。CESは1967年に第1回が開催されたコンシューマー・エレクトロニクス・ショーという電子機器の見本市です。57回目となるCESでは、AI、モビリティ、サステナビリティ、ヘルステック、ビューティーテックなど多岐に渡るテーマに渡って企業が集まる展示会となっています。大きくTech East、Tech West、Tech Southの3つのエリアで展開されています。日程の都合で2日間弱しか滞在できませんでしたが、最新機器と13万人を超える参加者と出展者の熱気溢れる広大な会場を見て周りました。

エレクトロニクス・モビリティ

ラスベガスコンベンションセンター(LVCC)のあるTech Eastエリアでは、エレクトロニクス、モビリティなどの企業が多く出展している華やかなエリアです。

LGのワイヤレス透過ディスプレイ(すごい)

中でもSumsung、Panasonic、LGといったメーカーはサステナビリティやリサイクルを意識してAIを統合したエネルギーシステムや環境負荷を抑えたソリューションの提案が多かったように感じました。展示会で全面にサステナビリティを持ってくるあたりで、企業の力の入れ具合が伝わってきます。

LGブースのリサイクル、サステナブル訴求

プロジェクターを搭載したSumsungのAIパーソナルアシスタント「Ballie」も展示されていました。チラリとしか見られていませんがプロジェクターが人の姿勢と顔の角度を検出して、最適な投影角度に調整してくれるという機能が興味深いです。LGも似たコンセプトのロボットを出展していましたが、全体ではロボットの展示は少なかったです。

そんな中で韓国の「Doosan」はカクテルを作ってくれたり、ゴミの分別をしてくれるロボットアームの展示を行なっており、そのプレゼンテーションが面白いと感じました。

左がシェイクするロボ、右がそれを運ぶロボ

デジタルヘルス

CESではヘルスケア関連製品も数多く展示されており、特にカメラや専用端末を用いたバイタルサインや傷病状態の測定・モニタリングを提案する製品は多かった印象です。

XANDAR KARDIAN社のデバイスは身体の微小な振動を測定して、数メートル離れたデバイスから心拍、呼吸数、動きをモニタリングしてくれます。デスクライトのような見た目で、壁に設置するタイプもありました。精度が気になるところですが、非常に面白い技術だと思います。

レーダーでバイタイルサインをモニタリング

台湾のFaceHeartは、より簡便にスマートフォンやタブレットのカメラで40–60秒計測することで、心拍数、呼吸数、血圧、血中酸素濃度、ストレス指数を測定してくれます。カメラで簡単に計測するだけで多くの情報を取得できることに驚きます。カメラの品質や光源の状態によっても影響を受けそうなのが気になるところですが、活用シーンは多くありそうです。

台湾のFaceHeart

また、「エイジテック」としてひとつのエリアに高齢者向けの困りごとをサポート、解決するソリューションが集められていました。超高齢社会の日本をはじめ今後も注目度は高まりそうな領域です。

エイジテックのブース

エウレカパーク

Tech Westのヴェネチアンエキスポでは、スタートアップ1,400社が集まるエウレカパークというエリアがあります。国別のブースも多くあり、日本をはじめ韓国、オランダ、フランス、台湾、インドなどから多くの出展者が集っています。

JETRO(日本貿易振興機構)が出展するJ-Startupブースでは日本企業が20-30社程度出展していました。映像に同期して「匂い」を放出するデバイスを展示していた企業が印象的でした。

J-STARTUP

スイスブースで見かけたmachine MDはVRゴーグル内の赤外線センサーで眼球と視点の動き、虹彩の開閉を解析することでアルツハイマーや脳出血など脳の病気リスクを解析するサービスを展示していました。VRゴーグルを医療に応用する考えが私にはなかったので新鮮なアプローチでした。

machine MD

イスラエルのブースでは全自動マニキュア「N’mble」を展示していました。最短25分で下地からトップコートまで塗ってくれます。実際に試してみましたが、白いボックスに手を置くと、塗られている感触はないまま爪のフチまでキレイに仕上がっていました。

スマートホーム ネイルサロン

CESでは、ロレアルが手や腕が不自由な人むけの「HAPTA」と呼ばれる口紅を一定の水準で塗ることができるツールをリリースして話題となっていまいたが、このネイルケアサービスも近いコンセプトを持っていると思います。ビューティー×テックにユニバーサルデザインを考慮したプロダクトは今後も増えてきそうです。

まとめ

全体を通して見ると、「AI」はクルマや家電、システムに当たり前に組み込まれるようになっていました。メイントピックスというよりも生活や体験を豊かにするための黒子役として提案されていることが多いと思いました。また生成AIを活用した製品は多くないようで今後、実装されていくものと思われます。

また、エウレカパークは実験的であったり荒削りなプロダクトも多く、LVCCの完成度の高い工業製品とは異なります。個々のブースが小さいため、よく話を聞いていかないとどんなプロダクトなのか分からないものも多くあり時間がかかりますが、コンセプトが面白いブースも多数あり、全期間このエリアだけを周っても良いと思うほど、とても刺激を受けました。

おまけ

Sphere

CES会場に程近く、2023年にオープンしたばかりのコンサートアリーナ「Sphere」。球面かつ全面LEDという狂気と遊び心しかない建造物。この外壁に広告を出稿すると、良いPRになりそうです。


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