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大切なものを見失いかけたら、    ドラえもんに諭してもらうべき

 映画ドラえもん のび太の宇宙小戦争 2021
の感想になります。感想書くのは『竜とそばかすの姫』以来かな。
気合入れて書いていきますんでよろしくです!

①再びドラえもん熱を燃やしはじめたきっかけ

 ドラえもんって作品は誰もが一度は通る道だと思います。
 けれど、多くの人は成長と共に離れてしまうのではないでしょうか?
 かく言う僕も、10年ほどドラえもんから遠ざかっていました。ぼんやりと観ることはあっても熱中するほどではなかったし、映画も予告編を見てへー今度はこんな題材なんだぁって思う程度で、それ以上の感慨はありませんでした。
 そんな僕の中でドラえもんの価値観が変化したのは、第39作目の『のび太の宝島』を弟と一緒に見たとき。

 死ぬほど泣けたんですよ。

 
高校一年の春休みだったと思います。弟ふたりとイオンに行ったはいいものの特に見たい作品もなくて、なんの気なしに選んだドラえもん映画。
 まさかCLANNADクラスに号泣するとは思いませんでした。 
 と、これがドラえもん熱が再び上がりだした要因のひとつ。

 そしてもうひとつは、本当につらい時期に救われたからです。
 今も思い出すと身の毛がよだつ、三ヶ月間の四時間睡眠の日々。あの地獄の中で、毎週土曜日のドラえもんだけが僕の救いでした。  
 のび太の優しさを感じるだけで、涙が溢れ出しました。
 まぁ無理しすぎたのも一因なのですが。
 けれど、あの時ドラえもんが無ければ、今の僕はなかったと思います。
 僕の根幹を守ってくれたのは、家族と親友とドラえもんです。本当に感謝してます。この3つはいつまでも大切にしたいです。

 と、ドラえもん語りはこの辺にして本題に入りましょう。
 余談ですが、昨年末に行われた『ジャイアンリサイタル』に毎週応募して、当然の如く外れました。木村昴……んんっ! ジャイアンに会いたいという野望があったのですが、19歳を選んだらテレ朝が叩かれそうですよね。とち狂ったことして申し訳ありませんでした……

②今回のMVPはスネ夫  

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 ドラえもん映画では、毎年誰かが大役を務めています。
 宝島はのび太、月面探査記はスネ夫、新恐竜はしずちゃん、といった具合に毎度圧倒的活躍を果たすMVPがいます。
 今年は誰かと目を見張っていましたが、僕は間違いなくスネ夫だと思いました。スネ夫って、ほんといいキャラしてますよね。自信家っぽい反面、悲観的だったり、保身がなによりも大切みたいな態度を取りながらも最後は仲間を第一優先にしたり、感情に少しも嘘をつけなかったり……
 ナイーブなんですよね、彼って。
 けど、だからこそ彼が再び立ち上がった時に、誰もが強い感動を受けるのでしょう。やっぱスネ夫だなぁって、みんなわかってるんだろうけど、やっぱり彼の覚悟の瞬間には魅力があります。

 と、スネ夫語りしましたが、これはネタバレじゃないよね?
 呪術廻戦0の乙骨かっけぇよって言ってるようなもんだから、全然大丈夫だよね? 
 過去にお父さんにダイの大冒険のネタバレされて萎えた記憶があるので、ネタバレには最善の注意を払って書き進めていきます。

③パピは強い

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 ここで言う強さとは物理的な強さでなく、精神的な強さのことです。
 ドラえもん映画を振り返ると、大多数のキャラが弱かったように思います。自信がなかったり、過去の失敗を引きずっていたり。そういうキャラの救済がメインだからこそ、のび太が光るのでしょうが、今回は少し違いました。
 このパピというキャラははじめから自分を持っていて、一貫して自分を貫き通します。最初から完全体なんです。のび太たちが補完する要素がないんです。
 ただここで面白いのは、パピは精神面で圧倒的な強さを持ちながら、物理的強さをまるで持たないところです。
 だから必然的に、のび太たちの幇助なしでは目標を達成できない。目標の明確にするとネタバレになるので伏せますが、とにかく理論だけでは突破できない大きな壁があるんです。
 といっても、ドラえもん映画に欠かせない友情要素はもちろんあります。これまでと比較するとやや弱いかなって感じだけど、それでも心が綻ぶ程度には友情展開があります。これだけあれば、十分ドラえもんしてるんじゃないかな?

 と、ピイナとかドラコルルのこともこのまま綴りたいのですが、それは余裕でネタバレになるので控えておきます。
 ただひとつだけ。  
 ロコロコの梶裕貴、めちゃくちゃ喋る。
 たぶん、進撃の巨人finalシーズンのエレンより喋ったんじゃないかな。

④しっかりドラえもんしています

 つまるところ、ドラえもんの魅力は友情だったり愛情だったり、そういった大人が面映ゆくて前面に出しにくい感情の表出だと思います。
 彼らは感情に正直です。楽しければ笑うし、悲しければ泣く。正しいことは正しいと尊重し、間違っていることは間違いだと包み隠さず弾劾する。
 そんな正直な気持ちを、多くの人が自重してるんじゃありませんか?

 僕は多くの人が『社会的正解』に追従しているように思います。
 あれは正しい。これは間違い。
 果たしてそれは、誰の価値観によって定められたものなのでしょうか。

 僕たちには意志があります。選択権があります。
 だから今一度、自分の行動を振り返ってみましょう。
 そうしたら、明日が今日より少しだけよくなるんじゃないかな。

 と、そんなことに気づかせてくれるのが今作のドラえもんです。
 偶然にもウクライナ問題と関わるタイムリーな内容になっていますので、大人の方もこの作品を見たらなにか感じるんじゃないかな。
 少なくとも僕は感じました。やっぱ独裁はよくないなって。フランス革命ってこんな感じで勃発した……おっと、ここに来てネタバレじゃないか。

 けどまぁ、肝心な部分は伏せたから問題ないはず。
 つまり、2000文字近く綴って僕が伝えたいことはひとつ。

 ドラえもん最高っ!

 皆さん、ぜひドラえもん観に行きましょう。
 そして、毎週土曜日のドラえもんも見ましょう。
 絶対、見れば今より優しくなれると保証します。
 感性が培われると保証します。

 子供向けの作品だからって馬鹿にしてはいけません。
 子供向けの作品だからこそ、酸いも甘いもかみ分けた大人に童心に帰るきっかえを与えてくれます。
 たった二時間で忘れていた自分を取り戻せるのです。
 安い投資だと思いませんか?

 めちゃくちゃドラえもん推しててあたかも営業マンみたいですが、僕は一ドラえもんファンにすぎません。強いて言えば、ドラえもん映画の脚本を将来書きたいなって野望がある程度の物書きです。

 皆さんもドラえもんを見て、一時的に子供に戻りませんか?
 ドラえもんは何歳になっても、僕らをあたたかく迎えてくれますよ。



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