見出し画像

神在月に八百万神の国へ

秋に入った出雲へ旅行に行ってきました。
子供の修学旅行期間に合わせ、夫婦二人で島根の旅。二人だけで旅をしたのは何年振りのことだろうか。

今年5月に伊勢神宮へお参りに行きました。神話の世界に強い興味はないけれど、朱塗りの赤い柱や金の装飾などの仏教色とは異なる、質素な建屋や雰囲気はなんとも言えず素敵な印象でした。これは出雲大社も見ておきたいなという私の希望もあって今回訪ねてきました。

たまたま神在月に尋ねることができ、八百万の神々が出雲に集まるこの時期でしたが、外国人観光客は少なく落ち着いた雰囲気で過ごすことできました。

やっぱり出雲そば

出雲といえば出雲そば。関東出身の私には甘い醤油の蕎麦つゆは新鮮でとても好きになりました。美味しい。2度も食べてしまいました。九州へ行くほど、お醤油が甘くなるそうですね。甘口の醤油も自分用に買ってしまうほどハマってしまいました。

ザルではなくお椀で食べる。残った蕎麦つゆは下のお椀に移して行くという独特な作法。


石見銀山訪問

豊臣、徳川の時代から明治にかけて、かなり大掛かりな銀採掘が行われていたようです。
世界遺産にも登録され、どっと増えた観光客に悩まされた地元の方の葛藤も知ることができました。現在はひっそりとした感じで無理に観光地化を進めようとしていない印象すら感じます。
土から出てくる銀を巡る色々なロマンや投資の話はなんとも興味をそそられる場所でした。

1年半で閉鎖された銀の製錬所。投資家のロマンを感じるストーリーがありました。


松江城

お城見るのが大好きです。歴史は詳しくありませんが、取り壊される予定の天守閣を地元の有志が買い取って保存しようとしたその経緯などは非常に面白いものでした。松江城の天守閣はその構造に特色があり、石と木材でこれだけの高さの構造物を建築していた当時の知恵と技術には舌を巻くばかりです。実物の迫力はすごいものです。

松江城 天守閣
近くで気になったお店

出雲大社

今回のメインイベントでしたが、残念ながら本殿には観光客は足を踏み入れることができません。木材で組まれた(朱塗りなどない)質素で荘厳な建物は息を呑みます。素晴らしい経験でした。

本殿には入れない
しめ縄の大きさよ

出雲大社には48mもの大神殿があったという伝説があります。実際に鎌倉時代の地層から三つの大木をあわせた柱が出土し、その伝説が現実味を帯びました。

出土した柱
柱の出土した実際の場所はその場所と大きさも示されている

とはいうものの48mの高さの解釈もさまざまな学説があるようです。その解説も面白いものでした。歴史のロマンに掻き立てられた複数の学者さんたちによって建てられた仮説による復元模型もありました。

48mの復元模型
さまざまな復元イメージ

48mもの高さ(15階建相当)の木造建築があったのかどうかはわかりません。それでも歴史のロマンを掻き立てられるこうした話は大変興味深いものでした。


出雲日御碕灯台
灯台のフレネルレンズ
マンホールの蓋にも灯台
再現された銅鐸 金属光沢が素敵だ
玉造温泉
川の中には勾玉の意匠 足湯も
そしてマンホール

足立美術館

横山大観コレクションや日本一の庭園で有名な美術館です。

横山大観に関してはこちら。横山大観の憎めない表情の写真がなんともいえません。

あいにくの雨でしたが、庭園は素晴らしいものでした。日本庭園に詳しくはないですがこの庭園を作った足立全康という人物像には面白いものがありました。元々は商人だったようです。商売で成功し一代で財をなすと、それから美術品を集めるようになったようです。71歳で美術館を設立、92歳で亡くなっています。庭園も素晴らしいのですが、この足立全康という人物に生き方や、横山大観の生き方の方に興味をそそられてしまいました。



楽しい旅でした。美味しい食事に素晴らしい景色。観光地ではありますが、あまりがっついていないというか落ち着いた雰囲気の場所でまた行ってみたいと思いました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?