たなかなおこ

アニミズム(すべてのモノに魂が宿るという考え方のこと)を信じる一市民です。 生業は、今…

たなかなおこ

アニミズム(すべてのモノに魂が宿るという考え方のこと)を信じる一市民です。 生業は、今、作っているところです。好物は熊野と漫画と食。美味しいは正義!

マガジン

  • アニミストのひとりごと

    昔の日本人が普通に持っていた自然信仰のものの見方で、現代の諸々を見て思うことをつらつら書いてみます。

  • うまし みくまの たべびと日記

    熊野市に移住した旅人、もとい、食べ人の食事&料理日記。 美味しい思いをしまくりなので、みなさまにもちょっとおすそわけ。

  • Creation Journey 2017

  • 言の葉のこと

    ショートストーリー集。自然のものがもし言葉を話せるとしたら、おそらくこんな感じのことを言っているだろうと思うのです。

最近の記事

  • 固定された記事

うまし みくまの たべびと日記

本当は、旅人日記のはずが……大好きな熊野へ移住したら、プチ旅をたくさんしよう。 そして、熊野旅に関する情報発信をガンガンするぞ~。 そう決めていた。 なのに……コロナちゃんが! 新型コロナウイルスの影響で、旅という旅、イベントというイベントは軒並み中止。 熊野も御多分にもれず、旅館・ゲストハウスの多くは営業自粛。 毎年十数万人(!)が見に来るという、熊野大花火も開催中止。 熊野のあちこちの素敵な場所のことをお伝えしたところで、来てもらうこともできなくなってしまった。 逆に、

    • 漁体験と論語

       小さい頃、私は新しい事を“覚える”ということが好きでした。母が読んでくれた絵本で文字の読み方を覚え、車の窓を走り抜けていく街の景色の中でいろいろな看板を見つけては読み上げたり、「ねぇねぇ、ちに点々って何て読むの?」と母をつっついては訊ねたり。繰り返し何度も見た『となりのトトロ』は、弟と妹と3人で台詞を全部そらんじてしまえるほど記憶していました。家でよく聴いていた黒柳徹子さんのナレーションの入ったオーケストラ曲『ピーターと狼』は、第一バイオリンのメロディラインに始まり、コント

      • 母のこと

         母が死んだ時のことを今でもよく思い出します。うつ病のどん底にあった私を心身ともに支えてくれた人でしたが、50才くらいの時に乳がんを発症していました。摘出手術がうまくいって、しばらくは普通の生活を送っていたのですが、10年ほど経ってから転移が見つかって、数年の闘病の後に亡くなりました。  母が亡くなった当時、私は不動産会社勤務で終電ギリギリまで働くような生活をしていました。勤め始めて半年経たないくらいの時期で、初めての不動産業で学ばなければいけないことも多く、「早く仕事を覚

        • はじまりのハワイ2

          ハワイ島から日本へ帰る途中、私はひとつの寄り道をしました。“死と再生”のハワイ島リトリートのおかげで、すっかり忘れてしまっていたけれど、もともとの私のハワイ旅の意図は「フラで表現されているハワイの自然を実際に見たい」だったのですから。せっかくならば本場のフラも見てみたいということで、滞在を数日延ばしてオアフ島へ移動し、プリンスロットフラフェスティバルというフラのイベントを見てから帰国することにしていました。 日本でよく知られているフラ・イベントとしては、メリーモナークという大

        • 固定された記事

        うまし みくまの たべびと日記

        マガジン

        • アニミストのひとりごと
          35本
        • うまし みくまの たべびと日記
          16本
        • 言の葉のこと
          1本
        • Creation Journey 2017
          1本

        記事

          はじまりのハワイ1

          2017年7月、ハワイ島。それは私にとって大きな転機となる旅でした。 お話は、ハワイ旅の少し前に遡ります。その頃の私は、ベンチャー支援会社で官公庁からの受託事業のプロジェクト管理のお仕事をさせてもらっていました。うつ病から立ち直って社会へ復帰し、自分の仕事の能力に懐疑的なままいくつかの職場を経験した後、ご縁あって友人に紹介してもらい入社した会社でした。 当時は起業家を育てようという機運が高まっていた頃で、各種のお役所からの引き合いが多く急成長中だったその会社では、私がこれまで

          はじまりのハワイ1

          うつ病とアニミズム2

          アニミズムはうつ病の癒しになりえるのか?そこに、もうひとつ観点を加えてみるならば、存在を感じる、という言葉になるでしょうか。まずは、私自身の経験から、お伝えしてみましょう。 私のうつ病の種となったものは、おそらく他者の存在を感じることへの疲れだったろうと思います。他人の目に自分がどう映っているのか。ちゃんと役に立つ人材だと思ってもらえているだろうか。いつかお前など不要だと言われてしまったらどうしよう……。そんなことが気になって気になって仕方がなかったのです。そうして、夜遅く

          うつ病とアニミズム2

          うつ病とアニミズム

          私が最初にうつを発症したのは、社会人になって5年目くらいのことでした。目標を達成できないダメ営業だった私は、部署異動によって事務職となり、「今度こそ周りの人の役に立たなくては、自分の居場所が無くなってしまう!」という強迫観念のもと、過剰な頑張り方をして心身のバランスを崩したのが原因だったのかなと思います。はじめは体調不良で会社を休みがちになり、身体が重たくて出社することもできなくなった頃に、休職して実家に戻り療養生活を送ることになりました。 1日に20時間近く寝て、1日に1食

          うつ病とアニミズム

          熊野木挽き歌

          木挽き、という職業がかつてありました。 この国の建物のほとんどが木で造られていた頃、建築現場のあちこちで丸太を鋸で挽いて、板や角材に仕上げていた人たち、それが木挽きさんです。 今ではもう無い職業のようですが、熊野には、その木挽きさんの在りし日の姿をうかがい知ることのできる「木挽き歌」が伝わっています。 その歌詞から、木挽きさんの暮らしの一端を覗いてみましょう。 「流れ谷」:現在の三重県熊野市飛鳥町・五郷町のあたり、大又川流域の村々のことを指す言葉。 「一間挽いても」:木挽き

          みちびき―科学的アニミストの素性―

          私、たなかなおこは、科学的アニミストだ。 しかし、長らく自分自身でもそのことを知らなかった。 2017年、晩秋のアメリカ西海岸の旅で気づくまでは…… その頃の私は、夏に会社を辞めたばかり。次の人生のヒントを探して、あちらこちらへと旅をしていた。 西海岸へ来たのは、「なんとなく」と「なりゆき」の結果だった。 友人その1に誘われた「ビジョンクエスト」というアメリカ先住民の成人のイニシエーション。 友人その2に誘われた「クリエーションジャーニー」というシリコンバレーの視察ツアー。

          みちびき―科学的アニミストの素性―

          熊野市のお花見グルメ 2021年春

          ここ熊野市でも、場所によってはクマノザクラがもう満開!(3/12現在) 焦りながら、最近遊び歩いて収集した熊野市のお花見グルメ情報をお届けしようと思います。 さて、まず熊野市のクマノザクラのお花見ドライブルートの整理。  ①紀和町方面  ②育生町方面  ③神川町~五郷町方面  ④飛鳥町方面 各ルートで、どこのクマノザクラを見ることができるのかは、以下の熊野市のクマノザクラMapをご参照いただくとして。 それぞれ、お昼やおやつをどこで入手するか、ご参考にまとめてみました。

          熊野市のお花見グルメ 2021年春

          喪われた命が遺したものを想う

          台風が過ぎていくまで、おうちで仕事にしよう。 そう思って、YouTubeで作業用BGMを探そうと思ったのに。 なぜだかこの曲が目に入ってしまって、指がうっかり再生ボタンをカチッと押してしまった。 ああ……イントロを聞くだけで切ない。 素直に伸びる声と、ストレートで、それでいて直截的でない歌詞。 いろんなことが思い出されてきて、なんだか泣いたり笑ったりしたくなった。 私がこの曲をちゃんと聞いたのは、たぶん母が死んで数か月後ぐらい。 その時もう、この声の主はこの世にはいなかっ

          喪われた命が遺したものを想う

          きゅうりいろいろ

          夏が近い。 そう思うのは、きゅうりの頂き物が増えたからだろうか。 友だちとジビエカレーを食べに行った古民家カフェ。 自家製野菜も販売されてて、野菜は1袋100円、きゅうりは0円だった。 「オバケみたいでしょ~w オバケきゅうりならいくらでも持ってって!何本いる?」 そう言って、お店の奥さんが4本も持たせてくれた。 さぁて、こんなにたくさんあると、食べ方のバリエーションも工夫が必要だ。 きゅうりのレシピは農家に聞け!初日、2日目くらいはシンプルにいただいた。 サラダにしたり、

          きゅうりいろいろ

          熊野はじめてガイド ~最初に知っておいた方がいいこと~

          まず、熊野に興味を持っていただいて、ありがとうございます! 熊野は、私自身、旅人としていろいろなところを訪ねた中でも、最も好きな場所です。好きすぎて20数回も旅行で来たあげく、とうとう移住しちゃったくらい。 しかし、知人に熊野旅をお勧めすると、必ずと言っていいほど「???」という顔をされるのです。どうやら熊野は、とても掴みどころのない場所のようです。 そこで、はじめて熊野旅をしようとお考えの方に向けて、旅の計画前に知っておいた方がいいことを少しだけまとめてみました。 旅のプラ

          熊野はじめてガイド ~最初に知っておいた方がいいこと~

          鰹のなまぶしのトマトソースパスタ

          先輩諸氏から教わったレシピに勇気づけられ、買っちゃいました! 向井商店さんの鰹焼節。 マヨネーズ嫌いの私でも、サラダのバリエーションはいろいろある。 梅シソトマトのサラダに、蒸したしめじの温サラダ。 そうした時、刻んでポロポロにしたなまぶしを和えると、美味しい野菜に香ばしい風味が加わって、サラダがグレードアップした気分になる。 (なるほど~、これがなまぶしの楽しみ方なのね) そう思っていた、昨日までは…… 今だから、言っちゃいましょう。 なまぶしの真価、それは、トマトソー

          鰹のなまぶしのトマトソースパスタ

          カツオのなまぶし

          生節と書いて、なまぶし。 それは、どうやら、この辺の人々のソウルフードみたいだ。 都会から地方の町へ引っ越してくると、ローカルな人々との間にちょっとした緊張感を感じることもある。 このヨソモノは、付き合っても大丈夫な奴だろうか? そんな品定めの視線を投げかけられているように思うのだ。 そんな頃に、ちょっとした雑談の中で、ダントツに心象がよかった話題。 それが、なまぶしだった。 地元民に聞け!熊野に限らず、海の近く、カツオがあがるところでは、よく食べられているみたい。 私も

          カツオのなまぶし

          鯛のアラ炊き

          梅雨が始まって、いきなりびっくりするほどの雨。 そうかと思えば、次の日は、灰色の雲と青い空が行きかうお天気。 この雨のすきまをぬって、レンタサイクルで鬼ヶ城まで行くことにした。 自転車で、海の見えるレストランへ行こう!鬼ヶ城へ行くのには訳がある。 海の見えるレストラン、マリーナ。 そこで熊野灘を見ながら、職場のみなさまご推薦、鯛のアラ炊きを食べてみたかったのだ。 地元の噂話というのはホントに面白いもので。 このレストラン、熊野市の姉妹都市、イタリアのソレント市をイメージし

          鯛のアラ炊き