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【インコさん彷徨いのホットドッグ】2本目…池の上【スリーコンカフェ】にて狭い美味さを。

*この連載は「ホットドッグを意識しなおした中年男性が、それを求めて東京をさまよい歩く」ものとして、東京のホットドッグを紹介してゆくものです。


渋谷にほど近いが世田谷区の池の上。

井の頭線の各駅停車で降りるところで、落ち着きと賑わいが同居した味のある駅前である。


店構えの小さい個人商店が元気な姿を見せている中、ちょっと通りを入ると世田谷の大豪邸が「マインクラフトで適当にブロックを置いた」くらいの間隔で存在するので、お金持ちの余裕というものが街にもあふれているのかもしれない。


「スリーコンカフェ」は世田谷区や調布に店をいくつか構えるサンドイッチ屋さんである。池ノ上店はフレッシュなサンドイッチを売りにするムードとはちょっと趣を変えた、洞窟のごとき暗さがある店だった。

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あらかじめ惣菜パックに入ったホットドッグをカウンターに持っていき、温めるかどうか選ぶ、街のパン屋さん的スタイルである。

ホットドッグはノーマルのものやハラペーニョをスライスしたチリドッグ、そこにチーズを載せたチリチーズなど数種ある。

店は大いに賑わっていて、会計前に店主に「席ありますか」と聞けば、「あると思いますよ」とカウンターの戸棚ごし、顔の見えないかたちで返してくるあたり、自分好みの店だ。

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アメリカンコーヒーとチリチーズドッグを頼み、ホットドッグを温めている間、コーヒー片手に席を探す。
幸いにも二人がけのテーブルが1席だけ空いていた。
熱すぎないコーヒーも自分好みで、アメリカンの軽さも手伝って二口三口と飲みながらノートPCを広げようとすると、2人の中年女性の来客が。
「お腹へってるのよ」と言いながら素早くサンドイッチを選ぶと、会計を済ませ、店主に席の有無を聞く。


店主は再び、「あると思いますよ」と、ここでも同じ答え。
と同時にカウンターへと置かれるホットドッグ。立ちすくむ2人。

コーヒーを一気に飲み干し、ホットドッグ片手に店を出た。
駅へと歩きながらチリドッグを頬張り、すぐに食べきる。

もうひとつ何かパンを買っておけばよかったか。確かシュークリームも売っていたか・・・とも思ったが、満たされない腹に親切心を詰める。と考えると、この場合はこれでいいのだろう。

あわただしさが味になる。こういうところもホットドッグのメリットでは、ある。

価格…☆☆☆
熱さ…☆☆
店主の顔認識…☆

前回記事はこちら。


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