見出し画像

ケンブリッジ大学 学部留学記


休学期間も終わり、The University of Cambridgeへ留学が始まった。

渡英に不安はなかった、ひたすらに楽しみだった

世界旅行でをしてどこか未知の場所へ行くのは慣れていたのかもしれない


初日、Officeに書類を取りに行く時,2人の,どう見ても同じProgramme

の学生に出会う

出身を聞くとNew Yorkだって、おお二人ともか。仲良くなってランチをした

寮に着く、他の学生たちにあう

出身を聞く。New York, LA, DC, Boston, etc...

あれ???

一人の例外なく全員がUSのトップ大学からきていた


帰ってから部屋で応募要項の"international programme"の文字を確認した。

向き合うしかないよなー

この場違い感に慣れるのには時間がかかった。いや、最後まで慣れることはなかったかもしれない。

交換留学とかってもっとインターナショナルで、世界中からくると思うじゃん。

なんとなく感じるアウェイ感、単一のカルチャー、US国内の話題、空気感、時間の楽しみ方、食生活、金銭感覚、勉強への姿勢。

Cambridgeにきて、イギリスではなく、アメリカの生活スタイルに合わせざるをえなかった。アメリカの大学でももうちょっと多文化だろ、と思いつつ。

そんな歪な文化圏での留学生活が始まった。

Life

CambridgeはもちろんCollege制の大学として知られてる

僕はPembroke Collegeというカレッジにアサインされた。一応Cambridgeで3番目に古いカレッジ、創立1347年。


基本的にはカレッジ内で生活する。

カレッジそのものが寮であり、コミュニティであり、食事、カフェ、バー、クラブ、ゲーム、図書館、ピクニックetc...全てである

何をするにもカレッジ内で事足りる

写真はPembroke College

画像1

なお、クラスやスーパービジョンだけは学部ごとのキャンパスが別にあり、それぞれが学部図書館、研究室などを備えている

文字通りCambridgeの街全体がThe University of Cambridge.

そりゃ勉強も捗るわ


9:00朝起きる

10:00ロンドンタイム相場分析、トレード

11:00適当に誰かとダイニングホールで食事をとる

12:00図書館へ行く

14:00授業へいく

15:00図書館へ行く

18:00ダイニングホールで食事をとる

19:00その足でカレッジバーでおしゃべりする

19:30図書館へ行く

24:00帰宅

24:30東京タイム相場分析、トレード

27:00就寝

自然こんなルーティンを過ごした

Activity

勉強の合間にいくつかアクティビティをしていた。

と言っても日本の大学のサークルほど帰属意識は強くなく、気持ちの悪い束縛や馴れ合いみたいなのもなくて非常に心地よかった


たまたまカレッジの友達にSynthesizer Societyを紹介してもらった

テクノを中心にシンセの機材をいじりまくったり、DJのワークショップをしたり、Synthe×Readingのパブリックイベントを開いたりとかなり楽しかった

と言っても隔週で夜中にあるくらいで勉強で追いつくのに必死だった僕にとってはちょうどよかった


Cambridge Unionのディベートにほとんど毎週参加した

世界最古のパブリックディベート団体らしい

ディベートも楽しかったけどUnionが主催する講演会が個人的にとても貴重だった。

元国連総長、現役イギリス国会議員、有名俳優、現マレーシア首相、アメリカ環境相、現チベット政府首相、現ネパール首相、元ニュージーランド首相などをスピーカーとして招聘できるのはさすがCambridgeという感じだった。

Unionにはバーもあり公演後に直接彼らと交流できるのは信じがたい貴重な経験だった。

充実していた。

画像2

写真はチベット首相に意見する僕、と答えるLobsang Sangay首相

画像3


あとはPembroke College Politics Societyにも参加していた。

カレッジレベルでも現職の国会議員や教授のプレゼンを聞く機会があったので結構参加した。

こういうのってめっちゃかっちりはしてるんだけどフリーワイン飲みながらとかフリーのスコーンやケーキ食べながら聞いたりするのってイギリスらしい

とっても勉強になったしカレッジの友達増えた


Social Life

基本的には同じプログラムの人と仲良くすることが多かった

一緒に住んでたしね

たまに誰かの部屋で酒飲んだりただ話したり、普通の寮生活って感じの生活を送った

Cambridgeで一番特徴のあるSocial Lifeと言ったらFormal dinnerだった

カレッジのダイニングホールでコースのディナーを食べるのが大事な社交の場だったりした

誰かの誕生日を祝ったりするだけではなく、最近話してないからフォーマルでもいく?みたいなノリもあった


みんなでガウンを着てワインのボトルを持って行く、ハリポタみたい

日曜日は教会でSunday Evening Songのサービスに参加していくのが通例だった

画像4

写真はSt John's Collegeの教会、ここで歌を聞いたりしてからフォーマルにいったりしてた。

なんと優雅な生活

画像5

そしてフォーマルディナー。本当は写真禁止


あとはカレッジ内にゲームできるところがあって、特段仲の良かった友達とそこでスマブラしてた


こういう社交の場にいくためには前日とかに死ぬ気で勉強せざるを得なかったが…


あとはしばしばPuntingをした

各カレッジが小さなボートを持っていて、それを借りてボートでのんびり酒でも飲んだりして過ごすのが休日の過ごし方

なんというか全体的に優雅だ


最後にMay Ball

8週間にわたる死ぬ気のテスト期間が終わるとMay Weekというパーティの期間が待っている。

朝までパーティをするのだがその規模がすごい

言葉では説明できないので昨年度のだけど上記の動画を参照されたい

大学内とは思えない規模のパーティが連日行われる。

なんというかもうほんとにすごいの一言だった、めちゃくちゃ楽しかった

柄にもなく蝶ネクタイとかつけちゃった


Career

就活をした。

イースターに先駆けて4月にまとまった長期休暇があったので、その期間中に一気に内定をもらおうと思った。

学期中はとてもじゃないがロンドンに行ったり面接の準備をしている余裕がなかった。

幸い、外資系の会社は通年採用をしているところが多く、留学に来ている学生をターゲットにした就職の機会を提供する企業も多かった。


総じて、就職活動をここで体験できてよかったと思った。

面接の対策は英語の勉強にもなったし、優秀な同世代の人間にも会えた、それにグローバル企業ってこういうものかと知れた、海外の就職活動がどんなものなのかを体験した、結果として将来の選択肢が増えた


海外の企業はとにかく合理的だった。

無駄に面接の回数を重ねて囲い込む形式をとる日系の企業も同時に受けたからより感じた

外資系の企業はもっと効率的で選別的だった(業種が業種だったからかもしれないが)

本当にweb面接後、2回くらいケース面接を立て続けに行って、もう内定がもらえた

予定を凝縮して土日ロンドンに泊まって、2日で4つ内定がでた、それくらいのスピード感だった


キャリアといえばイギリス滞在時に各有名大学院の説明会に行けたのも大きかった

実際のキャンパスや教育水準、周りの学生の質、色々なものを体感できた。


海外から大学院を志望するのには大きな障害がたくさんある。

ひときわ厳しいのが高い授業料

運よく万が一オファーをもらえたとして、奨学金の取り合いになるのは間違いがない。取れなかったら、せっかくのオファーも受けれないから

そんな先の話の前に今やるべきことがあるのだが。


Study

留学して一番よかったと思えるのはCambriridgeで勉強できたこと、これに尽きる。


Cambridgeの授業のスタイルは日本のものとはかけ離れていた

どちらかというとアメリカとは親和性が高いようだった

Courseにつき毎週Supervisionがある、Supervisionに向けてweekly essayをかく

前年に出願のために数ヶ月かけて書いたacademic essayを毎週書かないといけなかった。

そのための必要な知識は任意でレクチャーに参加して補っていく。

これは本当にいい経験になった。

イギリスの政治を中心にComparative Politics,Political Economics (Capitalism Economy in US and UK), British Politics, European Politics, International Relationships, British History (the post-war period)などのCourseをとった


lectureでは広く浅くジェネラルな内容を学びながらもessayで自分の興味のある内容を非常に深く考えアウトプットまですることができる。

さらにsupervisionで自分の論文を反省的に見直しディスカッションのなかで深みをましていく。

よくできているなあ。

向き不向きはあるが、僕には非常にあっていた。

しかし普通にきつかった。

essayのための論文を探すのに丸1日、それらを読むのに丸3日、各supervisionの前日にessayを提出せねばならないことを鑑みると、執筆に当てられる時間はたった2日。

しかも1週間他のアクティビティが何もないはずはなく、実質的に丸4日かそこら(朝10じくらいから深夜12じまで)図書館にこもっていた

時には週2本のessayを書かなければならなかった

ここまで集中的に一つのトピックに向き合うのは単純に楽しかった、大変だったけど。

試験は全部記述で1科目3時間に渡って行われる。

その場でエッセイを書かなくちゃいけない

その場で内容考えて構成して1時間に2000字くらいずつ執筆するのはかなりの力が試されてた。

大変だったなー


この制度を可能にしているのは、prof./studentの比率はもちろん、それを実現させる豊富な資金源だと感じた。

一人の学生に割く教員の時間が長い。

さすが中世から続く師弟制度の延長と言われているだけある。


ちなみに一橋大学の単位互換制度は、「〇〇時間以上講義を聴講すること」などの規定がありこれらは一切単位認定されなそう、クソすぎる。


最後のタームではリサーチペーパーを書くCourseを選択した。

規定を大きく超えた15,000wordsくらいの論文を1タームかけて書いた。日本語だと30,000字強くらいかな。

せっかくイギリスに来たのだからと、英米のアングロサクソン国における高等教育の改革の比較分析とそれぞれの福祉政策的役割の分析をした。

もちろんこちらもsupervisonで毎週フィードバックをもらえるのが圧倒的によかった。

独りよがりになることなくリサーチを見てもらえるのは非常にありがたかった。

その一方でかなりの精神的負荷がかかる。

リサーチって、執筆中は「終わったー!」という感覚がない

1パート書き終わってもまだ先がある、修正の余地は無限にある、作業量が異常だった。

しかしなんとか書き上げ、提出した!


なんだか終わってみて思うとずっと楽しんでいたような。楽しかったな


これは間違いなく大学院への進学意志を決定づける経験だった。



以上、ケンブリッジ大学留学の体験をメモとして記事を残しておく。

社交、勉学、文化、全てにおいてここでしか体験できない時間を、大学4年生という大事な時間を、ケンブリッジ大学で過ごせたことを誇りに思っている。


#CambridgeUniversity #PembrokeCollege


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?