2023.10.13

爪が曲がった
久しぶりに付け爪をつくって、ネイルを楽しむことにした。
ちょっと前までは爪なんて長くてゴテゴテに飾り付けがしてある方が可愛いと思っていたが、その考えも覆った。
電車で私の斜め前の席に座っていたあの女の人。特別華やかなわけではないのだが、どこか惹かれる雰囲気がある人だった。
声をかけてしまおうかと10分ほど悩んでいるうちにその人は電車を降りて行ってしまった。
その人の爪は肌色一色で、でも丁寧に管理されていて、ああ、こういうのでいいんだ、シンプルイズベストってこういうことかなんて思った。
だから私も真似してみることにした。
茶色と肌色の中間みたいな、ミルクチョコレートみたいな色一色で付け爪を作る。
飾り付けもせず、一色のみでなんて初めてだ。
思った数億倍良い出来になった。

なんで爪に色がついているだけでこんなに気分があがるのだろうか。
スマホを打つ自分の指先が可愛い
何度も爪を見てしまう

セルフネイルだったこともあって、数時間もすると右手の薬指の付け爪が取れた。
あーあ、これだからセルフは
わたしは取れてしまった薬指の付け爪をアロンアルファでつけることにした。応急処置だ、いまさら1から付け直す気にもなれない。
簡易的にしすぎたせいだ、斜めについてしまった。爪が曲がった。
この世の終わりだ。最悪だ
でも意外と、自分で指を曲げてみたら、気にならない程度か、なんて安心しようと試みたが
指をピンと伸ばして、鏡越しに見ると、めちゃくちゃはっきり曲がっている。
なんてことだ、それからはとにかく右手の薬指の爪が気になって仕方がない。
アロンアルファは素晴らしいな、強力すぎて付け直すこともできない。
数時間前までは完璧だったのに。
ついさっきまで最高潮だった気分が、こんなに一瞬で急降下してしまうものなのか。
こんな爪一枚にずっと気を取られていられるなんて、今日も私の日常は平和だ。

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