【2023セミナー】起業のためのファイナンス

9期 【セミナー】起業のためのファイナンス』の講義が終了。

グループワーク


11月12日(日)からスタートした「起業のためのファイナンス」が12月10日(日)に3日間全6回の講義が終了しました。本セミナーの講師は神戸大学大学院経営学研究科教授の忽那憲治先生を迎え,神戸大学・丹波篠山市農村イノベーションラボ(JR篠山口駅構内・東口側)にて対面形式にて行われました。

本セミナーには目的が3つあります。
①日本の企業の低収益性の現状を理解し、ヒト・モノ・カネを統合した整合性のある「事業戦略」の構築の必要性を理解する。
②計画している事業が本当に「利益を生み出すのか」を分析するための考え方(利益構造図)を学習する。
③計画している事業の「どこにどの程度のリスクがあるのか」を分析するたための考え方(仮説の一覧表と財務モデルの作成に基づくリスク分析)を学習する。特に資金の調達について詳しく解説。

講義は,以下の内容で進められました。
第1・2回目 利益を生み出す構造を理解する。
グループ課題「株式会社イノベーション・アクセルの事業計画について、5年後に想定する事業の利益構造図を作成する」

第3・4回目 利益を生み出すためのリスクを分析する
グループ課題「株式会社イノベーション・アクセルの事業計画について、事業を成功させるための課題をパワーポイントスライドにまとめる」
利益構造図・仮説一覧表・財務モデル・感応度分析について10分間のプレゼンテーションを行う

第5・6回目 グループ発表(3チーム)
       分析結果のプレゼンテーションとフィードバック
       ベンチャー企業の成長ステージと資金調達

「起業のためのファイナンス」の1・2回目の講義終了後、受講生から、「ファイナンスは重要だと思っているが、どうすれば良いかわからなかったので、次回以降頑張って受講します!」というお声をいただきました。難しそうという印象だが、事業をする上で必要なことであると思っている。という感想が多かったように思います。

忽那先生が実際経営に携わっている会社を題材にした中で、より理解が深められるよう講義内容を工夫されています。利益構造図や仮説一覧表、財務モデルの作成,感応度分析などを実在する会社で分析できたことは、より理解しやすい内容になっていたと思います。また,グループワークを通して,一人では難しいこともグループのメンバー同士で考え,それぞれ刺激し合いながら議論を深めていくことで、いろいろな見方があるということが知れたのではないかと思います。

最終講義では,グループごとに様々な分析結果や考察が出され,その的確な分析や・考察に忽那先生も感心されていました。分析を通じて,仮説を立てることの重要性(悲観値、期待値、楽観値)や,リスクがどこに存在するのか、受講生が実際に事業を行う際に役に立つのではないでしょうか。

忽那先生の講義の中で印象的だったお言葉を5つ挙げます。
①「人口減の時代に突入し、利益を生み出す構造を理解する必要がある。」
②「利益を生み出すためのリスクの所在を把握できていますか?」
③「思っていることをロジックに示すことが重要」
④「目標とする利益を達成するために、(逆)損益計算書の思考が必要・・・利益=売上ー費用の考え方」
⑤「フリーキャッシュフローを把握することが重要」黒字倒産にならないために・・・

忽那先生が最後に言っていたことは、ファイナンスは重要とわかっていながら、「感」を頼りにしている経営者が多い。リスク分析を含めて、しっかりした指標や根拠をもとに事業経営していくことが重要である。なんとなくではダメということ。勉強になります!

発表

受講生の感想(抜粋)

「起業するために、やることは事業を考えることではなくファイナンスを考えることを先にしても良いのだと思いました。」
「事業を伸ばしていく上で、売上を上げる費用を抑えることは単純に理解していますが、利益構造から理論的に分析する必要があることをよく理解することができました」

起業のためのファイナンス(Webページ)
https://school.tscapital.jp/program.php?id=230