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スマホで拡大すると情報が増えていく路線図

国内海外で数ある路線図のなかで、個人的に「問題児」と呼んでいるのがニューヨーク地下鉄の路線図です。

路線の数が多くて広範囲、1つの線に複数の路線を含む運行パターン、地図ベースで作られているので駅同士の関係もつかみづらい。

しかし、だからといってどう解決したらいいかわからない。だって複雑すぎるんだもん涙が出ちゃうという、まさに「問題児」の風格であります。

現在の形になるまでに紆余曲折あり、実は過去にダイヤグラム型(縦・横・斜め45度の直線)を公式に採用したこともありました。こちら1972年のもの。デザインしたのはイタリア人デザイナーのマッシモ・ビネッリ。

このタイプは7年間使用されましたが、結局現在の地図ベースの路線図に戻ります。複雑に入り組んだニューヨーク地下鉄をどう路線図に落としこむか。悩ましいのです。

俯瞰で「ざっくり」、寄って「じっくり」

そこに差し込む光として「スマホアプリ」があります。Kickmapが提供する「NYC Subway 24-Hour KickMap」という路線図アプリです。

現在のニューヨーク地下鉄路線図と同じように、ブルックリンやブロンクスまで含めた範囲の路線図がこちら。さっきに比べたら大変ざっくりだなぁ、と思うでしょう。

ここで、マンハッタンに向けてマップをどんどん拡大していくと……

どんどん情報が増えていってるのがわかりますか?

路線の数が増え、街区が現れ、最終的にはランドマークまで出てきます。

俯瞰した状態ではざっくりを当たりを付け、出発地や目的地はズームして周辺の詳細を知る。Googleマップでは既にお馴染みの表現ですが、路線図にも応用できるんですね。

紙ではできなかった新しい表現

「最近はスマホで乗換案内を調べちゃうし、路線図を見ることってなくなるのでは」と言われることがあります。でも、ITの力で新たな表現を勝ち取ることで、さらに利便性が高まる例だってあるんです。

東京メトロや都営地下鉄に順次導入されている「路線図で買える券売機」もそのひとつ。タッチパネル式で、路線図から直感的に目的地までの切符を購入できるもの。

これが優れているのは「多言語対応が簡単」なんです。対応言語は「日本語、英語、中国語(繁体字・簡体字)、韓国語、フランス語、スペイン語、タイ語」。タップするだけで表示を切り替えられます。

ちょっと写真がないんですけど、他に「指定した路線のみを目立たせる(他は色が薄くなる)」という機能もあります。これも紙ではできない表現です。

そういえば路線図をARにしちゃった方もいました。

新しい技術が生まれると、新しい表現が生まれる。路線図も形を変えて、想像もしなかった便利さを生み出すかも。なくなるどころか、ワクワクしますよね。

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