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傘はまだ進化できるか?

「傘って進化しないよね。」
同僚数名との何気ないランチの時間に、そんな漠然とした問いが生まれたことがある。

もちろん答えはどうでもよい。
だが限られた時間の中で、なるべくダラダラと過ごすには丁度良い問いだ。

「そうね、」
「ドローンに持たせて、追跡させるとか?」
「それコスト高すぎ 」笑
「みんなドローンだとカオスでしょ、渋谷とか」笑
「やっぱり、手で持つしかないか、、」

確かに江戸時代以降から使われる、唐傘の形状を思い浮かべる限り、材質を抜きにしたら基本的なUIの変更はない。

おそらく雨を避ける道具としては、非常にプリミティブ、且つシンプルな手法で体現された結果、もうこの上はないのだろう。

未来、H₂Oだけを避けるATフィールド的なバリアが発明されないかぎり、あの骨組みの形状を持ち歩くしかないのだと思う。(多分、、)

では、もう傘は進化しないと言ってよいのか?

どうでもよい問いほど沼がある。。
もう少し深掘ることに、、

傘は戦略的デザインで広まった

古くは、4000年前からあると言われる “傘” は、初期は高貴な家柄の人だけが所持する日差しよけが始まりで、それはそれは権力の象徴にもなったそうな。

それを雨具として使うようになったのは、18世紀後半のイギリス。
当時の女性が日傘として使っていたものに、防水加工を施したものが始まりで、最初は男性の持ち物としては多少違和感があった。

しかし、細く折りたたみ、持ち手の柄の部分を丸く鉤状にしたことにより、ステッキのよう持ち歩くことが可能になった。
そのたたずまいが、男性にも受け入れられ爆発的な広まりをみせたようだ。

普段何気なく握っている、あのラウンドした持ち手は、実は傘の普及にデザインが一役かった、偉大な発明ということだ。
現代では、傘が傘たるアイデンティティとなっている。

ファッションと傘とデザイン

現代の傘は大きく2種類に分かれると思う。
デザイン性が高く それなりの強度、且つ多機能な常備用の傘と、安価で店先などても手に入りやすいビニール傘のような、簡易的な傘の2つだろう。

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さて、ここで気づく悲しい事実として、傘は意外にもデザイン性を求められなくなったのでは?と言うこと。

雨の日の街を歩けば、半数以上がビニール傘をさしている。
急な天気の乱れに対応すべく、仕方なくビニール傘を求めざるを得ない状況はあるにせよ。
日常的にも、その日の服装と傘の色を選ぶ(またはその逆)のは面倒だ。もはやビニール傘の様に主張してくれない方が楽でよい。。

今日、雨はデザインを裏切るようになっのだ。

進化の矛先は?

ものを大切する文化を重んじる日本人にとって、正直 ビニール傘を使うことは、少し後ろめたさがある。

実際、傘立てにささる無数のビニール傘の中から、自分の傘がどれであるかを確証をもって選ぶのは難しい。たとえ間違っていたとしても何食わぬ顔で使ってはいないだろか。

壊れたビニール傘を見つけても、誰のものかを確認することはない。

悲しいことだ、、

もはや傘を取り巻く問題は、如何に雨を避けるか? よりも如何に持ち主不明の傘を増やさないか?という問題を抱えているのでは?

やはり傘には今後も大きな変化はないかもしれない。ただ時代とともにこれまでなかった課題が新たに発生していることは確かなようだ。

これは、進化の兆しはある。

小さな進化

ちなみに前段での課題解決策として、小さな進化がこれではないかと思う。

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持ち手の部分に小さな穴が空いている。
ここに目印(リボン的な)を通すことによってマーキングが可能だ。

感動。。

本当の用途は知らないんだけど、、

とにかく、こうした小さなアイデアを積み重ねることにより、また50年後には今の形とはまた違うアプローチの進化を遂げているかもしれない。

非常に楽しみだ。

「電車に忘れてこない傘とか!」
「それ、自分のせいでしょ、、」
「found umbrella」
「傘を見つけるのに傘がいる」
「余っているビニール傘を融通しあえるマッチングサービスとか」
「いいね!」

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