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Red Bull Can You Make It? 2020 ファイナリスト女子大生に話を聞いたら「旅の本質」が見えてきた。

突然ですが「Red Bull Can You Make It? 2020」というイベント?企画?を知っていますか?

世界中の大学生が、お金もスマホもカードも取り上げられた状態で、ヨーロッパの各地からレッドブルを通貨の代わりにしながら、わらしべ長者的に、食べ物、宿、移動手段を確保して、ゴールのベルリンを1週間で目指すというもので、1チーム3人で2020年4月21日からスタートします。

そのRed Bull Can You Make It? 2020にエントリーしている「撫子-Nadeshiko-」という女性3人のチームがあって。

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そのメンバーの1人のちせちゃん(真ん中)は、現在大学3年の22歳にも関わらず、世界一周をしたり、その間に様々なトラブルに巻き込まれたりしているらしく。今回時間を頂ける事になったので、

「何故こんな過酷な企画に参加したいのか?」
「どんなトラブルに巻き込まれたのか?」
「大学卒業後はどうするのか?」
「彼氏は心配してないのか?」

など、ざっくばらんにインタビューしてきました!

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では、インタビュー開始!


ino:今日はありがとうございます。

ちせ:いえいえ、こちらこそ、ありがとうございます!


ino:さっそくなんだけど、ちせちゃんは、この3人のチームの中で言うと、どういうポジションなの?リーダーみたいな感じかと思ったんだけど。

ちせ:私ですか?誰がリーダーとかではなく、皆似たような感じではあるんですけど、声を掛けてくれたのもkahoっていう子なんですけど。

で、やるやるー!って言って。そうだな、私は3人の中でも世界一周とかしてて。旅の経験で言えば、1番多いのは私かもしれないですね。あとは負けず嫌いというか、粘り強さ?はあると思います。で、もうひとりFuminaは語学力が1番あるのかな。

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ino:じゃあ、決定力とか行動力があるkahoちゃんと、経験値が高くて粘り強いchiseちゃんと、語学力のあるfuminaちゃんって感じのチームなんだね。

ちせ:そうですね。でも大体皆同じ様なノリなのでまぁ、誰かが引っ張っていくというよりは、3人で進んでいくという感じなんです。


ino:この企画の内容自体(お金もスマホもカードも取り上げられて物々交換で旅をする)は怖くなかったの?

ちせ:「怖い」っていう気持ちよりも「面白そう!」って気持ちが先行してましたね。勿論物々交換だけで生活していく、とかヒッチハイクとかもした事は無いんですけど。「人から誘われたら断らない」っていう事と「迷ったら面白い方を選ぶ」っていうのをポリシーとして決めていたので承諾しました。


ino:その世界一周は、いつからいつまで行ってたの?

ちせ:いま休学しているんですけど、2019年の5月末から11月までの5ヶ月間を使って、世界一周しました。


ino:1人だよね?凄いよね。

ちせ:でもなんか、2年の時にヨーロッパ1ヶ月1人旅とか、ベトナムにも1人で行ったりしてたので、1人で行くっていう事自体には抵抗は無かったんですけど。

5ヶ月っていう長い期間と、ヨーロッパみたいに整備されていない発展途上の東南アジアだったり、モロッコだったりとか、中米とかに行くのは若干ハードルが上がりましたけど、でも、まぁ結果色々トラブルもあったんですけど、今は元気にやれてるんで、よかったです(笑)

(ベトナム→ラオス→カンボジア→タイ→インド→イラン→トルコ→ブルガリア→ルーマニア→ハンガリー→ポーランド→ドイツ→チェコ→オーストリア→イタリア→スイス→ベルギー→フランス→モロッコ→スペイン→ポルトガル→キューバ→メキシコ)※世界一周の順番

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ino:トラブルってどんなトラブルが起こったの?

ちせ:主に私の危機管理能力の無さが原因のトラブルなんですけど(笑)

まず、ヨーロッパ1ヶ月の旅で、そもそもクレジットカードの仕組みをよく理解していないまま到着してしまって。ピンナンバー(暗証番号)を控えてこなくて、忘れたまま到着して。最後は、火事場の馬鹿力でなんとか奇跡的に思い出せたんですが。

それだけなら良いんですけど、世界一周の10日目くらいでカンボジアに突入したあたりなんですけど、日本円10万円を封筒に入れて、バックパックにそのまま入れて、ドミトリー宿に置いたまま出掛けてしまい、他の宿泊客か宿のスタッフの方かに、カバンを漁られてその封筒だけ盗られてしまい…(笑)

さらにイタリアの列車で移動中にも、トイレに行った隙にカバンを盗まれていて…。そこにはカメラも財布もパスポートも全部入っていて。もうその時は、自分の危機管理能力の無さに呆れたというか、慣れてきてしまいましたね(笑)

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ino:ヤバイね(笑)で、そのパスポートもカメラも財布も無くなって、どうしたの?さすがに帰国しなかったの?

ちせ:列車のスタッフの方に無くなった旨を伝えたら「一応停車駅のゴミ箱とかは見るけど、自分でここの警察行ってね」みたいに案内されて。その警察署に行ったら、同じように置き引きにあった人達だらけで(笑)「ここで同じように、この人達と待ってたら日が暮れるな」と思って自分で別の警察署を見つけて、パスポートの再取得申請をしていたら「カバンあったよ!」って言われて(笑)

列車の停車駅のゴミ箱にカバンが捨てられてたらしくて。中の財布とカメラは無かったんですが、パスポートだけは見つかって。クレカも次の日には再発行して。「これでもう帰らなくてよくなったぞ!」ってなって。(笑)その時、動画撮ったんですけど。


ino:面白い(笑)かなり余裕そうに見えるんだけど、普通諦めちゃったり「もう帰りたいな」って思いそうじゃない?そういうお金のトラブル以外はなかったの?

ちせ:痴漢にあったりはしましたね。でも、Facebookを教えてくれない人や、一緒に写真を撮るのを嫌がる男性には一切付いていかないって決めたり、夜1人で行動しないという事を徹底する事で、そういうトラブルは避けてましたね。


ino:女性ならではのトラブル回避ノウハウは面白いね(笑)女性がドミトリー泊まるのって旅では普通なの?

ちせ:私はドミトリーに泊まりますね。やっぱりお金を節約しないといけないし、一緒に誰がまわってくれる仲間も見つかるので。ただ、安い女性専用ドミトリー宿を見つけた場合は、そこに泊まるようにはしてましたね。一緒に泊まる人がどんな人かは結局運ですし。

お金を盗まれるトラブルがあってからは、二段ベットの上で寝るようにしたり、それこそ小さいカバンに貴重品を入れて抱えて眠るようになりましたね(笑)


ino:管理が甘かったとは言え、1回はドミトリー宿でカバンを漁られてお金を盗られて、2回目は列車でトイレに行ってる間にカバンを盗まれてるんじゃない。そういうトラブルが有ってもまた旅に出たいし、旅が好きだと思うのは、どうしてなの?

ちせ:うーん、難しいんですけど、なんか冒頭でも話したと思うんですけど「負けず嫌いで、負けたくない」んですよね。嫌な事があると、その国のこと嫌いになるじゃないですか。そのままで終わりたくないんですよね。

例えば1人でベトナム行った時とかでも、めちゃくちゃボラれたりもして「この国、最低だ!(笑)」とかっていう気持ちも一瞬過ったんですけど「その代わりに頑張って他の良い所を探してやろう!」って感じで、どうしても諦められなくて。そんな事でその国の事嫌いになるの勿体ないじゃないですか。

だから、世界一周のスタート地点もベトナムにしたんですよね。「絶対良い思い出で上書きしてやろう!」って決めてたから。


ino:楽しむ為の努力が大切って事なんだろうねぇ。「嫌な思い出のまま終わらせない」って。元々そんなにアクティブな人だったの?

ちせ:いや今も私はずっとインドアで。篭りすぎて外出ポイントみたいなのが溜まっていくんでしょうね。そうすると「旅に出たい!」ってなるのかも。

でも5ヶ月も旅してると普通に半日くらいYouTubeずっと見てる日とかもあるし、最初は「旅中は100%で毎日過ごそう!」とか思ってたんですけど、やっぱり無理だなって。だって元々そういうタイプじゃないし。

だから「そこの土地の生活に馴染むような旅の仕方をしよう!」って決めてからはなんか気持ちが楽になったし、旅もより楽しめるようになった気がします。


ino:結構観光地巡りを主にしてたの?

ちせ:もちろん観光地も行ったんですけど、その土地の生活に馴染むような?っていうか、何も考えずフラフラただ公園とかで過ごしてる時間が振り返ってみると楽しかったかもしれないです。

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ino:病気になっちゃったりした事はないの?

ちせ:1度フランスの空港で寝なきゃいけない事があって、でも追い出されちゃって、野宿したんですけど。その時一瞬身体ダルいなって位で、お腹も特に壊した事もないし、大きな病気は特にないですね。


ino:1人旅が多いの?友達と行く旅の違いってある?

ちせ:後輩とバンコクとプーケットに1週間程度行った事があるくらいで、国外は1人旅が多いです。

友達と行く時は、安全に余計気を付けますね。「この子に怖い事があったらどうしよう」とか思って。私は色んな意味でタフなので、多少ハードなスケジュールでも大丈夫なんですけど、友達の体力とか、見たいものを気にしながら旅してる感じがあるかもしれませんね。


ino:旅の最中は楽しい事の方が多いの?それとも辛い時の方が多い?

ちせ:めちゃくちゃキツい時と、めちゃくちゃ感動したっていう時は同じくらいの割合で有って。大部分はフラットと言うか。「日本に居る時と変わらない自分の生活を場所を変えてしてるだけ」というのがほとんどです。凄い辛い瞬間と、凄い嬉しくなる瞬間に、急に旅人感を感じるだけで、普段はいつもの日本での生活と変わらないんですよね。1:1:8くらいの割合で8がフラット。

あと「偶然の出会い」みたいな意味の「serendipity」っていう英単語があって、その言葉が最近好きで。例えば、街を地図見ないで歩いていて、たまたま好きなお店に出会えたとか。

世界的に有名な遺跡に行くのも良いと思うんですけど、そういう「偶然の出会いによる感動とか感謝がたくさんできるような生活というか旅がしたいなぁ」と思うんです。だからさっき言ったみたいにフラフラするような旅がしたいっていう。

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ino:ちせちゃん彼氏が居るじゃん?他の女子大生とかだと「彼氏が私と離れてる間に浮気したらどうしよう」とか想像して「5ヶ月も旅に出られない!」とか思うかなって思うんだけど、その辺りのハードルはどうやって越えたの?

ちせ:そろそろ付き合って4年目の彼氏がいて、確かに「危ない目には有って欲しくない」とは言ってるんですけど基本的には理解してくれてます。旅行とか旅とかに行く事は別れる理由には絶対ならないじゃないですか。そんな感じです。

なんか例えば仮に付き合ってる人の事がそんなに大切じゃなくて、新しい出会いとか自由な生活のウェイトが重ければ別れる事になるんだろうし。今付き合ってる人じゃなかったらもしかしたら、5ヶ月間旅に出てる間に別れてたかもしれないですしね。

あと「やりたい」って思った事が「やれなかった」場合に、彼氏のせいに絶対したくないんですよね。それに、主観抜きで客観的に考えた時に、例えば友達が同じ悩みを私に相談してきたらなんで答えるかなって考えるんですよね、そうしたら私は絶対「行きたい所があるなら行った方が良いよ!」って言うと思うんです。それを自分にも当てはめたいなっていう感じで。

これは彼氏とって事じゃなくても同じで。「なんとなく結果が見えてるけど、でも悩んじゃう」みたいな事ってあるじゃないですか。こっちにした方が良いのに気持ち的には捨て難くて…みたいな選択肢の場合は「友達から同じ悩みを相談された時の自分」を客観的に想像して、アドバイスする方を選択するようにはしてます。


ino:凄い良く自分の事が考えられてるし、そういう判断基準が言語化できるレベルまであると、行動に迷いが無くなりそうだよね。凄いなぁ。てかそもそも、どうして休学する事にしたの?

ちせ:サークルを1年間ガッツリやってたんで、気付いたら「もう4年に上がるんだ」って。「これから就活して卒論書いてもう卒業か!」と思って「それは厳しいぞ!」と思って、親に相談したら「休学するのは構わないけど、何か成し遂げる事を決めなさい」って言われて。

それで世界一周する事とか、今回Red Bull Can You Make It? 2020に出場する事などを伝えて、休学の許可を得ました。世界一周するにも、具体的にどこに行きたくて、どのようにして向かうのかとか資料にしてプレゼンしました(笑)


ino:って事は、今就活はしてないんですか?

ちせ:本当はしないといけないんですけど、いま「Red Bull Can You Make It? 2020」のプロモーションビデオの事でバタバタ忙しいのと、3月くらいからぼんやりやって行こうかな〜って感じで。


ino:それこそ、旅行系の業界への就職とかはどうなの?

ちせ:旅行代理店とか、旅に関わる仕事も視野に入れてた時期はあったんですけど。旅系の業界に皆が抱くイメージがキラキラしすぎてて。私はそれを求めてないし、発信したいとも思えなくて。ちょっと引いてるってのはあると思います。

旅した事がある人はわかってくれる気がするんですけど、私はいわゆるキラキラした旅が、旅の本質ではないような気がしてるから。そこに携わりたいとは思えなくて。

旅系のインフルエンサーの方の綺麗な写真とかあるじゃないですか。実際にそれを求めて行くと結構期待外れする事もあって。逆にそれって旅が好きになる機会を潰してしまう事にもなり得ないかなって思うんです。

旅って「何でもない事」が楽しいので。その部分を伝えられるなら、旅系の業界も面白いのかなって思うんですけど。私が冷めてるだけなのかもしれないんですけど「価値観変わるとかないよね」って旅の中で出会う人たちと話しする事もあって。

「生活するように旅して、旅するように生活する」っていうのが良いよなぁって。

旅してる時は普段の生活をそのまま続けるように意識して、普段の生活では旅をしているように、行った事のないような場所にあえて行ってみたりすると、新しい発見があるなって思いますね。


ino:僕も旅行を実際振り返ってみると、何気ない列車の窓からぼけーっと外を見てる時間が素敵だったなぁって感じる所があるので分かるかも。ただ、その「いわゆる映える写真が撮れる事が旅の本質じゃない」って事をどうやったら、他人に伝えられるだろうかって。

ちせ:自分で探そうと思えば、海外の観光地じゃなくても綺麗な写真は撮れると思うんですよね。現地の人からしたら対して面白くないものも、旅行者として行ったから面白がれるモノみたいなのがいっぱいあるから。

旅先では言語もちがうし、周りの人も違うから、そういう感覚が鋭くなるじゃないですか。そういう意味で海外では「特別じゃないけど面白い」を見つけるのが簡単になると思うんですよね。例えば外国の方々は、日本の朝の満員電車を面白がってるけど、私たちからすると当たり前じゃないですか。

だから海外にいる時の方が、「普通を面白がれる能力」が高まる気がするんですよね。逆に言えば、日本でもそういう風に思う事(旅をするように生活する事)で気付ける「特別じゃないけど面白いモノ」が沢山あるんだと思うんですよね。

その事を知る事を旅がさせてくれるんだと、私は思います。


ino:色々話ししてくれてありがとう!撫子-Nadeshiko-頑張ってね!

ちせ:ありがとうございます!投票もお願いしますね!(笑)

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まとめ

ちせちゃんは、自分の行動の判断基準を言語化できるレベルでたくさん持っていて。

例えば、
「人に誘われたら出来るだけ断らない」
「迷ったら面白い方を選ぶ」

「辛い経験をしたら、楽しい経験にして上書きする努力を惜しまない」
「何かに悩んだら1度それを客観的に友達の悩みとして捉えて、自分ならどうアドバイスするか?を考えてみる」
「生活するように旅をして、旅をするように生活する」
とか。

それはインタビュー中にもあったけど「100の力で旅をしない」とか「生活するように旅をする事」を意識している中で、思考が内に向く機会が多いが故に、たくさん物事を考える機会も多かったからなんだろうなと。

ちせちゃんのように「世界一周がしたい!」や「女子だけど一人旅がしたい!」と思っているけど、なかなか第一歩が踏み出せない方は「旅をすると価値観が変わる!」とか「所謂キラキラした旅」みたいなものを期待し過ぎず「生活するように旅」をしてみては如何でしょうか。

それでも迷ったら「面白い方を選ぶ!」または「友達から同じ悩みを相談されたら、何と答えるか?」を考える!

以上、お読み頂きありがとうございました。


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