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インテリアコーディネートの基礎

数多くのアパートメントホテルや民泊のお部屋をコーディネートしてきた経験から、あくまで個人的な見解ではありますが、誰でも簡単に出来るインテリアコーディネートの基礎をまとめました。
私の仕事は、室内のコーディネートに予算を取れない物件が多かったので、そこまでお金をかけずとも既製品でもラグジュアリーに見える洗練されたコーディネートが得意で、その経験からコツを皆さんにお伝えできればと思い、まとめました。参考にしてくださったら幸いです。

寸法を測って簡単にでも間取り図を描く

まずはコーディネートしたい空間の寸法を測り、簡単に図にしてみましょう。紙に手書きのもので大丈夫です。
あれば、5㎜の方眼用紙が分かりやすくて良いです。
1/100(1m→1㎝)くらいの小さいもので構わないので描いてみて下さい。
部屋の大きさが分かれば、置ける家具が大体わかります。
置きたいと思っている家具の寸法をネット等で調べて描き入れてみましょう。

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ベッドやソファは思うよりも大きいので…
「ベッドを置いたらソファが置けない」
「作業する机とローテーブルは置けない」
というようなことが分かってくると思います。

壁と家具や、家具と家具の間隔は
5-60㎝あれば、通常の体系であれば問題なく通れます。
30㎝になると、ギリギリ横になって通れるくらいです。

少しでも図にして空間のサイズを把握しておけば、置ける家具が決まってくるので、余計な買い物をせずに済みます。

部屋の雰囲気(テーマ)を決める

部屋の全体の雰囲気を決めましょう。
これをせずに家具だけを見て選んでしまうと、コーディネートがまとまらなくなるので、ファーストステップで必須な作業です。

コーディネートをする前に、なんとなくでも
「こんな雰囲気がいいな」
「こんなお部屋にしたいな」
という思いがあるはずです。

私も仕事でよく使うのが写真共有サービスのpinterestです。
画像で検索できるため、「北欧風 インテリア」など、何となく希望のインテリアを入れると関連する画像が沢山出てきます。

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いいなと思う画像をクリックすると似たような画像が沢山出てくるので、お気に入りを見つけて、部屋のテーマを決め、家具も雰囲気が近いものを選びましょう。
あまり探しすぎると、これもあれも良く見えてきて迷走するので要注意です。(自戒も含めて)

使用するカラーを決める

テーマが決まったら次はカラーを決めます。
ここで大事なポイントは…

使うカラーは4-5色まで

使う色が多くなると、全体的なまとまりが薄れてごちゃごちゃしてくるので、コーディネートの難易度が上がるからです。

こちらも、先程紹介したpinterest「カラースキーム」と検索すると、こんな画像が沢山出てきます。

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まとまり感がある色がよく分かるので、この配色を参考にして家具を選ぶとワンランク上のコーディネートができます。

壁紙やカーテンはシンプルに

部屋を洗練された印象にしたいのなら、ベースはシンプルにすると良いです。

結構ありがちなのが
「可愛い部屋にしたいからカーテンを可愛い柄にしよう」
「和風にしたいから壁紙を和柄にしよう」
と、大きな面積のところに少し派手な柄物を持ってきてしまうことです。

壁やカーテンは部屋の中でかなり大きな面積を占めます。
なので、目に入ってくる情報が大きくなり、どうしてもその印象が強くなってしまうのです。

コンセプトがしっかりしていて、あえて柄物を使って印象付けるのであれば良いのですが、全体をまとめるのは結構コツがいったり、飽きるのが早いので、私はあまりお勧めはしません…
特に、和風の部屋にしたいからと、和柄の壁紙を持ってくると「料亭」感が強くなって失敗している例を数多く見てきました

ホテルや民泊も、やりすぎると一定の層にしかウケなくなるので
(最初からその層を狙うやり方もありますが)
割と万人受けするような「テーマはしっかりしてるけど、シンプルな部屋作り」をしています。

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↑こんな感じの、柄がはっきりしているクロスを使いこなすのは難しい

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↑よく外国人観光客ウケを狙って貼ってある和柄クロス。このクロスが貼ってあってセンスが良いと思う部屋は皆無でした。

小物使いで個性を出す

それでは、どうしたら表現したい雰囲気を出せるのかというと
照明、小さな家具、アートボード、クッションなどの小物類を上手に使って出していきます。
ファッションも良く「小物使いが大事」と言いますが、インテリアのコーディネートでも小物使いはとっても大事なんです。

私がデザインした部屋を事例に紹介します。

コーディネート事例集

和モダン

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カーテンやクロスは無地でシンプルにして、和風のアートと枕元の照明で和の雰囲気を出しています。
小上がりの床に直接マットレスを置いているので、このスタイルも和を感じさせます。

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こちらは、カーテンを和紙調のプリーツスクリーンに、天井照明、フロアスタンドも和紙調のものをセレクトし、クッションを和柄にすることで、程よい和を演出しています。

アーバンモダンスタイル

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宿泊施設に多い、洗練されたアーバンモダンスタイルです。
こちらも基本的にはクロスやカーテン類はシンプルに、照明やアートボードでアクセントをつけています。
また、ベッドのヘッドボードの高さが高めでクッション性のあるものにすると高級感がプラスされます。
使用色はどの部屋も4色までにしています。
このスタイルは性別関係なく好まれますが、ブルーのアクセントクロスの部屋は男性受けが良かったです。

ガーリースタイル

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女子ウケを狙ったガーリースタイル。
私自身、コーディネートしていていちばんテンションが上がるスタイルで、実際に予約率も高い人気のスタイルです。
このコーディネートにするときは、少しだけ模様が入ったアクセントクロスやカーテンを使用しますが、こちらも基本は照明とクッション、あとは椅子などの小さな家具でガーリーテイストを表現しています。

マリンスタイル

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こちらは、海遊館のそばのアパートメントホテルということでマリンスタイルに仕上げたお部屋です。
くどいですが、ちょっと特徴的なお部屋も壁とカーテンはシンプルに、アートボード、照明、クッションでマリンスタイルを表現しています。

欲しい家具は早めに決める

これはコツというよりも注意点なのですが、家具は意外にすぐに買えない場合が多いです。
ニトリでも、大型家具は店舗ですぐには買えないことが殆どです。
楽天等のネットショップでも、人気の家具は2-3週間待ちや、入荷待ちが多かったりします。
特に大型家具は、受注生産だったり在庫が無い場合があるので、欲しい時期の1か月前に決定して注文しておくと良いと思います。
私も設置したい時期の2ケ月前には大体発注を終わらせています。

以上、簡単にまとめましたが少しでも参考になれば嬉しいです。
次回からは、もう少しそれぞれのテーマや家具のアイテムに絞った記事を書いていきますのでお楽しみに。

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