新日本プロレス 10.13両国国技館大会雑感

毎年恒例秋の新日本両国。

今年の敵は台風19号。

大会が始まる頃は小雨が降ってる状態だったものの、終了後(20:30くらい)国技館の外に出たらヤバい音の風が吹いてたんで(鈴木みのるの入場テーマのイントロみたいな風の音)、残念ながら今日は観戦後の二次会を中止しました。

ある意味今回はそれが一番残念だった。


第1試合 スペシャル8人タッグマッチ 30分1本勝負

真壁刀義、永田裕志、本間朋晃、○飯伏幸太

vs

カール・アンダーソン、ドク・ギャローズ、バッドラック・ファレ、×タマ・トンガ


いきなり新日本お得意の鍋試合。

永田さんこの試合1分くらいしか出てないぞ。

飯伏さんが順調に「ヘビー級の人」という扱いになってきている。


第2試合 NWA世界ジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負

[王者]○チェーズ・オーエンズ

vs

[挑戦者]×BUSHI


「コンニチワーニッポンジン!」でおなじみのNWAのブルース・サープ社長が出てくると「ああ、新日本見に来たな」って感じがする。

今日は場末のマジシャンみたいな赤のキラキラしたジャケットをお召しになっていた。

そろそろサープ社長が棚橋を襲うジェフ・ジャレットとかを蹴散らして大歓声を浴びるのを見たくなってきた。


結構見てるけどBUSHIのシングルって初めて見た気がする。

相手のNWAのジュニアチャンプはどことなく動きの早いアントーニオ本多っぽい選手だなと思ったらテネシー出身だった。

オーバーアクションはだいたいテネシー。


第3試合 NWA世界タッグ選手権試合 60分1本勝負

[王者]×天山広吉、小島聡

vs

[挑戦者]○ランス・アーチャー、デイビーボーイ・スミスJr.


小学校の給食における「ソフトめん」のごとく、また出てきたよこれ、というような毎度お馴染みのタッグマッチ。

今日は終盤テンコジが同士討ちになると終了後二人で胸を突き合い不穏な雰囲気のまま別々に退場。いいかげん二人とももう飽きてきたのかもなあ。

といいながら3年後くらいにまた組んでるような気もする。


第4試合 スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負

○矢野通、桜庭和志

vs

鈴木みのる、×飯塚高史


これもいいかげん定番タッグマッチになってきた。

鈴木と桜庭って1.4でシングルやりそうだね。第五試合あたりで。

鈴木は桜庭を相手にしなくても困らないが桜庭は鈴木が相手をしてくれなくなると困ることに桜庭自身気がついてるのだろうか

第5試合 IWGPジュニアタッグ選手権試合3WAYマッチ 60分1本勝負

[王者]○KUSHIDA、アレックス・シェリー

vs

[挑戦者]ロッキー・ロメロ、×アレックス・コズロフ

vs

[挑戦者]マット・ジャクソン、ニック・ジャクソン

※3チーム同時に通常のタッグマッチを行い、いずれかの1チームが勝利した時点で決着


新日本の3WAYってリング上に2人出て戦ってれば余った1人はコーナーで控えててボーっと見ててもいいルールなんだね。なんかスピード感に欠ける気が。

終盤、コズロフがスワンダイブ式の場外ダイブ(TAKAみちのくの宇宙人プランチャ的な技)をやろうとしたところ足を踏み外し頭からエプロンに転落し、すごくヒヤッとした。

その後コズロフは立ち上がってなんとか試合続けてたけど、観る側の意識とすればあの時点で試合に対する集中力が切れてしまった。

ああいうときはすぐ終わらせちゃってよい気がする。


第6試合 IWGPジュニアヘビー級選手権試合 60分1本勝負

[王者]○田口隆祐

vs

[挑戦者]×エル・デスペラード


田口がなぜかヒップアタックを見せた瞬間以外試合が非常に淡々としており、さながら高原に放牧されている羊を遠くから眺めるかのような長閑な気分で試合を見てしまった。

デスペさんはちょっと大会場でタイトルに挑戦するにはまだ敷居が高いんじゃないかなあ。まあ田口がデスペさんの良いところを引き出せてない、という側面もあるかもしれないが。

この試合の前か後にケニー・オメガ新日ジュニア参戦!みたいな煽りととともに本人登場、というのを期待してたが何の音沙汰もなく終わってしまった。

ケニーの新日本登場はいつ。


第7試合 NEVER無差別級選手権試合 60分1本勝負

[王者]×高橋裕二郎

vs

[挑戦者]○石井智宏


久しぶりに裕二郎が裕二郎ガールのお姉さんを連れてきた。ってこないだのタイトルマッチにもいたダンサーのお姉さんかな。露出度が高く、リングサイドの人はさぞ手に汗握ったであろう。

石井は肩のケガが治らないのか今日もテーピングをしてたが、このところ毎試合毎試合肩を攻められる→痛がる→また肩を攻められる→ヤケになってテーピングをとってラリアット→本人苦悶の表情、でも気合を入れ直して鬼気の表情、みたいな流れが多すぎるんで、いいかげん少し休んだ方がいいと思います。

ケガを売りにしてるみたいになっちゃうよ。今後の活動にも影響出るだろうし。

試合はそんな石井が勝ってまたまたまたNEVER王者に返り咲き。

中邑のインターコンチもそうだがあんまり同じ人にばかり預けるのもあんま良くないのではなかろうか。NEVER選手権もそろそろ意外な人とやってほしいよな。真壁とか。

そして相変わらず裕二郎がなぜ女の子にモテているのか理由付けが乏しい。

裕二郎はまず肌を日焼けさせたらどうだろう。

次にサングラスをかけ、あごヒゲを揃えて、首にクロムハーツのネックレスでもしたらいいと思う。

入場曲も今みたいなポルノスターのムード歌謡みたいなんじゃなくて、「Choo ChooTRAIN」とかにした方がいいと思う。


第8試合 スペシャルタッグマッチ 30分1本勝負

中邑真輔、×YOSHI-HASHI

vs

後藤洋央紀、○柴田勝頼


中邑と柴田のシングルマッチを組む理由付けに使われるための試合なんだろうなーと思ったら本当にそうだった。いつやるんだろう。1.4?

週プロに「秋のYOSHI-HASHI祭り」などと松たか子が白い皿持ってキャンペーンやってるようなコピーを勝手につけられてたYOSHI-HASHIだったが特に大きく変わった様子はなかった。今後特にやることもないと思われるので、今からジュニアに戻ったらどうだろう。

ところで「後藤革命」の話はどうなったんですか、後藤さん。


第9試合 東京ドーム・IWGPヘビー級王座挑戦権利証争奪戦 60分1本勝負

[権利証保持者]○オカダ・カズチカ

vs

[挑戦者]×内藤哲也

試合始まって数分の段階で内藤が放った張り手が変なところに入ったのか、オカダが倒れ込んで動かなくなってしまう場面があった。

そのとき内藤が攻める意思もなくただウロウロして変に待っていたり、挙句無理に起こそうとしたりしてるのを見て、残念ながら「だからこの人はダメなんだなあ」と思ってしまった。

あそこでああいう風になってしまったらそのまま攻めるのが正解であり、相手が手を止めて待つとそれだけでリング上が大変ヘンな空気になってしまう、ということがどうしてわからないんだろう。いや人間的に優しいのはよくわかるけどさ。

なんかやっぱり機転が利かない人なんだな…と思ってしまった。

というか内藤はなんで積み重ねないんだろう。

おまえは去年から今年にかけて何したよ。

G1優勝して、満を持して東京ドームのメインでIWGP挑戦…って皆が思ってたところで「ま・ず・は、NEVER!」と空気読まないところに宣戦布告して、取ったはいいが微妙な感じになって、今回自分が挑戦する立場になってる「東京ドーム・IWGPヘビー級王座挑戦権」の試合でどんどん評判を下げ、会社に不信感を与えて1.4はインターコンチ戦とIWGP戦の試合順を入れ替えるという前代未聞の扱いになってオカダに恥をかかせて、実際1.4でも微妙な試合で「こりゃ入れ替えといてよかった」と誰もが納得してしまうような試合をして、さすがに懲りたのかそれ以降はほとんどチャンスも与えられずにいて。

どうして何もしないんだろう。

チャンスを与えられてそれを掴めなかったのに、なぜ上積みになるようなことを何もしないんだろう。

キャラチェンジをするとか、ヒールターンするとか、しばらく他団体なり海外に出るとか、いくらでも方法はあるはずだ。

なぜ何もしないんで漠然と試合し続けてるんだろう。

てかプルマ=ブランカはどうなったんだよ!スペイン語で「白い羽根」。

おまえあれでG1を取ったんだろう!

なぜプルマ=ブランカを使わないんだよ!

内藤!

おまえ「ミラクルとか言ってるのをぶっ壊す」とか言ってる場合じゃないんだよ!

一度おまえがぶっ壊れろよ!

何言ってるんだよ!


…ああ、私としたことがすっかり取り乱してしまいました。

そんなわけでまったく内藤がオカダに勝つ気がしませんでした。


しかしこの数年前から始まったG1優勝の副賞「東京ドーム・IWGPヘビー級王座挑戦権利証」って基本動かす意思なんかないであろうに、どうしてタイトルマッチをやってるんだろう。不思議だ。

いっそ「いつでもどこでも挑戦権」みたいに「タッグマッチでも負けたらフォールを奪った人に権利が移行する」とかにしたら試合に緊張感が出て面白いのに。


第10試合 IWGPヘビー級選手権試合 60分1本勝負

[王者]AJスタイルズ

vs

[挑戦者]棚橋弘至

正直なところ前半少し眠くなってしまって、あとから思うとこの時点で開始4時間経ってて、もうお腹いっぱいだったんだなと思いました。

8月の西武ドームの時と違っていかにもビッグマッチのメイン、というような重厚な試合作りを二人がしていたわけですが、そんな中で終盤になってちょいちょいAJのセコンドのジェフ・ジャレット(以下JJ)が手を出してきて「えーやめてよIWGP戦でそういうのは…」と思ったら疾風のようにリングに上がってきた男がいて、周りで「ヨシ・タツだ!」って言ってるので見ると確かにあのメッシュの髪の背の高い男は間違いなく通称山本尚史ことヨシ・タツその人であって、ええーここで何の前置きもなく乱闘するの!?って思ったらスーっとJJを連れてどっかに行ってしまって、結局ヨシ・タツはこれ以降試合後になっても出てくることなく終わってしまい、「…今のなんだったの??」という取り残された気持ちだけが残ってしまった。

いや、下手すぎるだろう使い方が!

これだったらさあ、まず休憩明けに場内を暗転させて、「1.4に、あの男が帰ってくるー!」とかナレーション、続いてこれでも流せばいいじゃない。

https://www.youtube.com/watch?v=W3yD-PzeUnc

もうこの任天堂のゲームみたいな音楽が出ただけで一部のファンは大盛り上りだよ。

いやもしかしたら権利関係で使えないのかもしれないけど。

それを先にやっといたらメインでこうしてちょっと出てきた時も観客の反応は全然違ったはずなのに。ホントもったいない。

てかなんで説明しないんだよ!

毎回毎回!

グレイシーが来たときも!

AJスタイルズが最初に来たときも!

説明しろよ!

わかんないんだよこっちはどういう方がどういった用件でいらっしゃったのかが!


…ああ、すみません、また取り乱してしまいました。

えっと、棚橋AJ戦の途中だったんですよね。

うん、なんだかどうでもよくなってきちゃいましたね…。

あ、AJがスワンダイブ式のファイヤーバードスプラッシュやったのはビビりました。棚橋にヒザ剣山で防がれてしまいましたけど。あんなのできるんだ…。

あと結局未遂に終わってしまいましたが、雪崩式スタイルズクラッシュとか、相手が死んでしまいかねないのでやめてください。

AJは立ち振る舞い、ちょっとした手の動き、技、すべてが美しいですね。ああいう人がベスト・イン・ザ・ワールドと呼ばれるのだなと思いました。

スワンダイブ式のフォアアームをやるときの姿勢を見て、AJがどっかのインタビューで「憧れのレスラーは今も昔もスティング」と言っていたのを思い出しました。確かにスティングに似てるかも。明らかにAJの方が動ける美しいレスラーだけど。

で、今日は私もAJが勝つと思ったんですよ。

ここで勝ってドームでオカダと、って。

なので最後棚橋が大逆転で勝ったとき、背筋がゾクッとしました。

うわー勝つか棚橋!っていう。

びっくりしました。

なんだろう、棚橋のことを前に全盛期の三沢光晴に例えたことがありましたが本当にあのレベルに到達してると思いました。

外道さんは「ベルトの方がおまえに寄ってくる」と絶妙な表現をしましたが、本当にそんな感じで。

求心力という点で今の棚橋弘至に勝てるレスラーはいないと思います。

オカダは1.4、大変な人と闘うんだな…と。

まだオカダにあの求心力は無い。

オカダは棚橋にくすんだ太陽とか何とかいろいろ言ってましたが、あれはあまりの試合を見せつけた棚橋に対する焦りだったのではないでしょうか。

棚橋はオカダに「オカダ、おまえが何回やっても勝てなかったAJから一発で取り返してしまって悪かったな」って言えば決定的だったのですが、思いつかなかったのか何なのか、それを口にしない棚橋に余裕を感じてしまいました。

これで1.4はまさかの棚橋vsオカダになったわけですが、本当にオカダはここが正念場です。

今日のメインで観客全員が目にした棚橋の神通力とも言える勝負を引き寄せる力を、オカダはある一点でも上回ることができるでしょうか。

1月4日が楽しみになってきました。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?