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DDT10.26後楽園大会雑感

そんなわけで「DDT総選挙の上位メンバーのみによる選抜大会」という側面より「ケニー・オメガ壮行大会」の色がすっかり強くなってしまった今年の「DDT Special」。
今日はケニーに紙テープを投げようと思って新宿の世界堂に行ってから後楽園。
ケニー=緑のイメージが強かったんで緑の紙テープ買ってったんだけど、会場でみんなが投げてたのは黄色とオレンジだった。
ケニーってあんま黄色とオレンジのイメージなかったんだけど、ああいうのどっかに選手とカラーの対照表が載ってたりするんだろうか。
しかし、連れのみなさんが投げるための紙テープをせこせこ巻き直してる光景は文化祭の準備的でとても良いものがありました。余った緑のテープは次回ササダンゴマシンか入江に投げたいと思います。


1、赤井沙希(第6位)&大石真翔(第16位) vs チェリー(第7位)&ヤス・ウラノ(第11位)

赤井さんのハロウィンコスチュームが普通に可愛かった。
そして自分より若くてキレイめの女子レスラーを相手にした時のチェリーさんの表情はジャンボ鶴田を相手にしていた時の天龍源一郎並に気迫が出ている。
チェリーさんには毎試合チェリーさんより若くてキレイな女子選手を当てた方がいいと思います。
あとネットを漁ってたら女性ライターの人がチェリーさんにインタビューしてるブログを見つけて、それが思いのほかよかったので張っておきます。
http://koioya2.jugem.jp/?eid=1502


2、石井慧介(第4位)&高尾蒼馬(第8位) vs KUDO(第10位)&マサ高梨(第15位)

なんていうことのない普通のタッグマッチなんだけど、ドリフの二人が上手くなったなあ、って思った。
そしたら試合後の水道橋駅前での反省会でも同様の意見が聞かれたので、ドリフの二人は本当によくなってるのだと思います。


3、平田一喜(第11位) vs 遠藤哲哉(第20位)

この二人のシングルが後楽園の第三試合ってところがDDTの変化を感じさせたが試合は超あっさり終わってしまった。
つーか二人ともベルト持ってるんだもんね。
彰人もそうだが、こうやって若い選手にどんどんチャンスを与えるのが「新日本よりDDTに入りたい」って入門希望者が増えてる背景なんだろうなと思う。


4、坂口征夫(第17位) vs スーパー・ササダンゴ・マシン(第18位)

今日の煽りパワーポイントは「父の浮気グセは子どもに遺伝する」という学説を引っ張ってきたのが一番面白かった。
坂口(荒鷲の方)が負けてた丸め込み…スモールパッケージ?と思ったらまさかのキドクラッチだった。リーマンショック式キドクラッチ。次に出す機会はあるのだろうか。

ササダンゴさんは「このままずっと煽りパワポの人」で行くのか、そうでないのかの分岐点に早くも差し掛かってる。
ひとつ面白いことを作ってしまうとハードルがグンと上がってしまって、以降ずっとそのクオリティを求められるんだから大変だよな…ってこれマッスル後期と一緒の状況になってるじゃん。


5、ドラマティック壮行試合 ~ケニー・オメガDDTラストマッチ~
 飯伏幸太(第1位)&ケニー・オメガ(第18位) vs 男色ディーノ(第5位)&竹下幸之介(第14位)
※この試合はエニウェアフォールマッチで行われる

ケニーの思い出をぼんやり考えてると、自分の中で一番思い出深いのは去年の2月に新木場でやった中澤マイケルとのワンマッチ興行で。
当時KO-DチャンピオンだったケニーがHARASHIMA相手に防衛し、次の挑戦者は?と亜門さんに振られて「中澤さんとやりたい」というと「それは却下」と断られる。申し訳ないがマイケルのこれまでの実績と、対戦カードの惹きを考えたらそれは仕方のない返答だ。

普通はそれで終わりだ。
けどケニーは終わりにしなかった。
押し問答の末、「DDT通常興行でのタイトルマッチは許可できないが、どこか会場を借りてその1試合だけ別枠にやるのはかまわない」という話になり、そしてケニーとマイケルの1試合だけの特別興行が新木場で開催された。

初めてKO-D選手権に挑戦することになったマイケルにケニーはいいところを出させて最後はキッチリ締める、そんなよくあるような展開を想像していたがフタを開けたらケニーは「何もそこまで…」とこちらが引いてしまうぐらい凄惨なイス攻撃をマイケルに課した。しかもマイケルが完全グロッキー状態であるにもかかわらずフォールに入らない。

試合時間が30分を経過し、これはどうなってしまうんだろう…と混乱と不安の気持ちが出てきた頃、瀕死のマイケルはよろよろと立ち上がり、そこから見たことのないような鬼気迫る表情でケニーを攻撃し始め、普段は絶対に見せないような急角度の投げ技も出し、ケニーを追い込んでいく。
「え?どういうことなの?え?大丈夫なの?マイケルこんなシリアスな試合できるの?」と思った矢先、ケニーはあっけなく逆転し、必殺技のフルコースをつないでマイケルを抑え込んだ。
試合後マイクをつかんだケニーは「中澤さんもこういう試合ができるのを知ってほしかった」と伝えると、同じようにヨロヨロと引き上げていった。
ケニーは本当にマイケルのことを大切に思っているんだ、というのがわかると同時に、プロレスラーは友達だからこそあそこまでやらないといけないんだ、というのを知った試合だった。

だから、この試合の途中でマイケルが「このまま試合が終わったら、ケニーは新日本に行ってしまう。だからこの試合を終わらせるわけにはいかない」と介入してきたとき、どこか「ああ、やっぱり」と思ってしまった。
意外だったのはその後に遠藤が「いかないでケニーさん」と入ってきたことだ。
遠藤が出てきたとき「これじゃまるで『さようならドラえもん』だ」と思ったのだけれど、ドラえもんは一旦未来に戻るも結局はのび太のところに帰ってきてしまう。でもケニーはもう戻ってくるかわからない。そう考えたら急に感情が揺さぶられてしまった。
そしてDDTはすごいなと思った。
観客みんなの気持ちをリングに乗せる。観客みんなが思ってることを選手に代行させる。
さらっとやってるが、過去こんな風に「置いていかれるファンの寂しさ」をリングに投影させた試合なんて見たことない。
ある意味ずいぶん残酷な仕打ちをケニーにしてるなと思った。でもケニーはそれを乗り越えないといけないのかもしれない。未練を残さないように。すべてを置いていくように。

ケニーは楽しそうに戦い、訳のわからない展開に戸惑い、DDTでしか起こりえないプロレスを一通り体感して、最後は飯伏と最初にタッグを組んだときに初公開したゴールデンシャワーを久々に出して、試合終了後はメインでもないのに出てきた全選手に見送られて、そして旅立っていった。

ケニーは言った。「DDTがピンチになったときは必ず戻ってくる」
それ見たいような見たくないような…って終わったあとに笑い話になってたけど、プロレスはどこでまた交差するかわからないから、自分たちが見続けてさえいれば、いつか今日の別れが伏線となった大きな泣ける場面に立ち会えるんじゃないかって気がしてしまう。
そんな日がいつか来るまで、ケニー、新日本でがんばって。後ろを見ないで。俺たちも見ないようにするから。


6、DDT EXTREME級選手権試合

 <王者>彰人(第9位) vs アントーニオ本多(第13位)<挑戦者>
※オンリーギブアップルール

正直ぼんやり見てしまった。
彰人が彰人のなりたいレスラーになるにはもう少し時間がかかるんじゃないかという気がした。
オンリーギブアップルールが逆にこの二人の良さを殺してるように見えた。


○KO-D無差別級選手権試合

 <王者>HARASHIMA(第3位) vs 木高イサミ(第2位)<挑戦者>

正直今日はイサミが勝つだろうと思ってたのだが、あまりにもHARASHIMAの壁が厚すぎて、いや改めてここまで今のHARASHIMAの壁って高かったのか…と思い知らされる試合内容だった。
ちょっとDDTの中で敵がいなくなってきてる。
じゃんけん大会で次期挑戦者が高尾くんになったけど、さすがにこの流れを見るとあまりにあまりすぎて、高尾がどういう試合をしたら盛り上がるのか検討がつかない。
HARASHIMは今こそ真壁とシングルやるときだよ。タッグじゃなくてシングルだよ。

イサミはこれでDDTからフェードアウトしてしまうんだろうか。
それもせつないけど、今日の試合を見ると一回距離置くのもいいのかもな、と思ってしまった。

来年2月のさいたまスーパーアリーナで飯伏のKO-D挑戦が決まったことで、いよいよ「さいたまSAでHARASHIMAvs飯伏」が見えてきた。
しかし、竹下はいつKO-Dシングルに挑戦するんだろう。
今後のKO-Dは竹下が挑戦する時に大きく動いていくような気がする。


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