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店長が意外に知らないアルバイト募集採用のキモ  ~さよなら人員不足~

はじめに

この記事は、飲食店の店長さん向けに、アルバイトさんを効果的かつ効率的に集めるための、意外に知られていない”コツ”を、私の10年に及ぶ大手外食チェーン店での店長経験を踏まえて、成果があったことを中心に、飲食店の店長さんのお仕事に少しでもお役に立てればと思い、記事を執筆しました。

この記事の内容を詳しく解説した動画による講義はコチラから視聴できます。⇒ http://t03imd.info/x1/xkcHOX

アルバイトの採用関連の具体的な手法やノウハウが書かれた本は、数多く出版されており、慢性的な人員不足でお困りのあなたは、一度や二度、手に取られたこともあろうかと思います。
 
 そして、本に書かれていることを忠実に再現しても、本に書かれているような効果を得ることができなかったのではないでしょうか。
 
 では、なぜ、本に書かれている通り実践したにも関わらず、採用が上手く行かないのか?
 
 その理由は明白で、肝心な部分の解説が完全に抜け落ちているからなんです。採用関連の本に書かれているノウハウは、採用の部分にフォーカスした内容になっておりますが、その手法を実践する上での前提条件のような項目がカバーされていないことが多いんです。

 もう少しかみ砕いて言うと、採用活動にあたっての店長さんの心構え的な部分が完全に省かれてしまっています。その部分が効率的な採用活動を行う上で、とても重要な項目になるんです。
 
 今回の記事では、市販の採用関連の本では割愛され、解説されていない、採用活動における店長さんの心構えの部分を最初に解説させていただきます。その後、募集採用に向けた事前準備、実際の面接採用のコツの部分まで解説をさせていただきます。
 
 この記事を読んでいただくことで、その心構えの部分をしっかりと学んでいただき、その上で、第2部、第3部と読み進めていただくことで、理解が深まり、アルバイト募集採用のコツをしっかりと学ぶことができます。記事の内容を理解した上で、以前に購入された市販の採用関連の書籍に書かれた内容を実践すれば、確実に成果が表れると思います。


第1部 店長の心構え編

第1章 飲食店のアルバイトの採用活動で重要なこと

求人広告を出しても、問合せすら無いという話を最近は良く耳にします。特に外食産業の場合は、ここ数年、慢性的な人員不足で、アルバイト集めに苦労しているお店が増えています。

一方、求人広告など一切掲載せずとも、アルバイト希望者が自然と集まってくるお店が一定数存在するのも事実です。

このような求人面での二極化は、実は同一チェーン内でも起こっています。業種業態が違えば、二極化するのは理解できますが、同一チェーン内でも起こっている現状を考えると、人が集まらない原因は、業種業態固有の問題が原因ではなく、お店固有の問題が原因となっていると考えられます。

ですから、店長が人事異動で交代した瞬間に、慢性的な人員不足だったお店が、数か月後には、アルバイト希望者が集まるお店になったり、逆に、潤沢にアルバイトが在籍していたお店が、人員不足状態になったりする事象からも、そのように捉えることができます。

では、その固有の問題とは何か。

ズバリ、働いているスタッフの雰囲気の良し悪しなんです。

もちろん、これだけではありませんが、私の現場経験やSV経験などからも、スタッフの雰囲気が大きく影響していることは間違いありません。

つまり、アルバイトの採用活動を円滑に行うためには、お店で働くスタッオフの楽しそうな雰囲気づくりが、実はとても重要なんです。

普通に考えれば、自分が働くお店の雰囲気が悪かったら嫌ですよね。もし、あなたのお店が、アルバイトが中々集まらないのであれば、お店のスタッフの状況を客観的にみてみましょう。おそらく、楽しく働いているって雰囲気ではないことに気が付くと思います。

もし、雰囲気が悪かったとしても、安心してください。だって、あなたは自分のお店にアルバイトが集まらない原因を掴むことができた訳ですから。その原因を改善すれば、少なくとも現状よりは、アルバイト希望者が集まるお店に変わることは間違いありません。

お店のアルバイト採用活動をするうえで、重要なことは、お店のスタッフの仕事中の雰囲気を確認し、悪ければそれを改善することです。この点をスルーして採用活動に突入すると、求人広告掲載費用やトレーニング費用など、すべてが無駄になるリスクがあります。

ですから、的確に現状を把握し、改善した上で採用活動を開始するようにしましょう。

第1章まとめ

アルバイト希望者が集まらない原因はお店にある
それは、働くスタップの雰囲気の良し悪しであることがほとんど。
そこを改善すれば、好転する。 



第2章アルバイト採用に関して店長が習慣化すべきこと

第一章では、アルバイトが集まらない原因がお店にあること。そして、その原因は、お店で働くスタッフの雰囲気の良し悪しであることをお伝えしました。第2章では、お店の雰囲気を改善するために、店長が習慣化すべきことをお伝えします。

お店の雰囲気の良し悪しは、ズバリ店長の立ち回り次第で、良くも悪くもなります。ですから、もし、あなたのお店の雰囲気を悪く感じるのであれば、最初に店長である、あなた自身の普段の習慣を見直す必要があります。

でも、安心してください。気をつけるべき点は全部で4つになりますし、そんなに難しいことではありません。

店長が習慣化すべき4つの項目

1.時間・期日を必ず守る
2.少し大げさなくらい褒める
3.注意する時は、誰もいない所で
4.お礼を必ず伝える

この4つを意識して日々の業務に取り組むことで、お店の雰囲気は劇的に改善します。

この4つを見た時に、あなたは間違いなく、そんなの当たり前じゃん!って思ったはずです。しかし、現状、あなたのお店の雰囲気が良くないのであれば、残念ながら出来ていないのが現実なんです。

店長であるあなた自身が、この4つの項目を習慣化できれば、お店の雰囲気は劇的に改善し、アルバイト希望者も増え、人員不足状態から脱することができます。さらに、雰囲気が良くなり、人員不足状態が解消することで、サービス品質も自然と向上するので、お客さんの数も徐々に増えてきます。

逆に習慣化できない場合は、お店の雰囲気は悪いままで、人員不足が続いていきます。また、そのような状況ですから、サービス品質の向上は見込めず、お客さんの数も徐々に減少していきます。そうなれば、お店の業績は悪化し、最終的にはクローズを余儀なくされてしまいます。

実際、私自身、店長時代は業績が悪化しているお店を担当することが多く、それらのお店の共通点は、前任の店長が、この4つの項目を習慣化するどころか、全くできていませんでした。

当然、私自身が店長として着任後は、この4つの項目を徹底して実践し続けていました。それによって、長らく続いた人員不足状態が解消し、アルバイト希望者が集まるお店に変貌したことは言うまでもありません。当然、お客さんの数も増えて、業績も劇的に向上させることができました。

もちろん、これが、1店だけの事例であれば、たまたまかもしれません。しかし、私自身が担当した4店舗、それに加えてエリア担当として指導したお店も同様の効果が表れたので、この4つの項目の習慣化が、人員不足解消につながっていることに間違いはありません。

もし、あなたのお店が、慢性的な人員不足に陥っているのであれば、新規採用の募集活動と同時に、今回お伝えした4つの項目を意識して実践してみましょう。あなたが思っている以上に、お店の雰囲気が変わってくると思います。

第2章まとめ

お店の雰囲気を改善するために、店長が習慣化すべきこと

1.時間・期日を必ず守る
2.少し大げさなくらい褒める
3.注意する時は、誰もいない所で
4.お礼を必ず伝える

お店の雰囲気が改善できれば、人は自然と集まるようになる。



第3章 人を集めるために、
    お店の雰囲気を激的に改善する方法

前の章では、店長が4つの項目を習慣化することで、お店の雰囲気を激的に改善できるとお伝えしました。この章では、それぞれの項目について、具体的にどのような事をすればよいのかを解説します。

1.時間・期日を必ず守る

当たり前のことですが、意外にこのことを守れている店長が少ないのが現状です。具体的に言うなら、出勤時間を守らない、シフト(アルバイトの勤務予定表)を期日までに掲示しない などがあげられます。確かに人員不足状態に陥っている場合は、店長の負担は大きくなってしまうので、遅れてしまうのも解ります。ただ、店長であるあなたが、守らないのであれば、それをアルバイトへ強いることは出来ませんし、そもそも、アルバイトも守らなくなります。その結果、店内のモラルは崩壊し、お店の雰囲気が悪くなってしまいます。

店長としては、時間・期日を守ることはあたりまえのことです。ただ、人間なので、100%できるかと言うと、難しいのが正直なところだと思います。そこで、アルバイトとの約束事については、出来ない約束はしない!と言うのが原則になります。さらに約束する場合は、必ずあなた自身の予定にバッファ(余力)を持たせたうえで、時間・期日を決めるようにします。具体的に言うならば、自分がその作業などに5日位かかると見積もった場合は、2日ほどバッファを噛ませて、期日は7日というような感じで、期日を決めるようにします。そうすれば、よほどのイレギュラーが無い限りは、時間・期日と言った約束は確実に守れるようになります。


2.少し大げさなくらい褒める

あなた自身、お店のアルバイトを日常的に褒めていますか?おそらく、ほとんどの方が、褒めるというよりも、注意してばかりだと思います。もちろん、お店の責任者として、アルバイトを指導することは、店長の大切なお仕事の一つです。ただ、指導する場合も、必ず最後にどんな些細なことでも構わないので、褒めることを徹底してください。

人間、お世辞だと解っていたとしても、褒められたらうれしいものなんです。ですから、普段の業務の中での些細なことでも、積極的に褒めるようにします。当然ですが、気分が良い状態でお仕事をしてもらえれば、お店の雰囲気が良くなることは言うまでもありません。

とにかく、少し大げさ位にアルバイトを褒めることを、習慣化してください。最初は照れ臭いところもありますが、続けていれば慣れて、気にならなくなります。これも、非常に効果的な手法なので、実践することを強くおススメします。


3.注意する時は、誰もいない所で

これも意外にできていない店長さんが多いんです。当然、お店の責任者ですから、アルバイトに注意しなければならない局面は日常的に発生します。よくあるのが、アルバイトとの関係性を維持したり、辞められると困ったりするから、注意すべき局面でも注意しない店長さんもいます。注意しないのは論外ですが、注意の仕方に関しては注意をする必要があります。

さきほどの「褒める」については、極力、他のスタッフもいる場所で褒めるべきですが、注意の場合は、逆に誰もいない所で注意するように徹底ます。

どうしても、その場で注意したくなりますが、理由はどうあれ、他のスタッフがいる場所で注意を受けることで、そのアルバイトの自己重要感が著しく傷つけられてしまいます。そうなってしまうと、本人のやる気は削がれ、著しくモチベーションダウンにつながります。

それと同時に、お店の雰囲気も一気に悪化してしまう可能性が高まります。ですから、指導する時こそ、細心の注意を払って行うようにします。

雰囲気が悪いお店は、往々にして、店長が他のスタッフの前で指導していることが多いので、アルバイトを指導する時は、誰もいない所で行うように徹底します。


4.お礼を必ず伝える

意外に出来ていると思っていて、出来ていないのが、アルバイトさんに対して「ありがとう」とお礼を言うことです。人は、なんだかんだ言って、誰かに必要だと思われていることや、感謝されていることで自己重要感を満たすことができます。
 
自己重要感が満たされれば、仕事に対するモチベーションも上がる訳ですから、自然とお店の雰囲気は良くなっていきます。逆に、「ありがとう」と言われなかった場合は、自己重要感が傷つけられてしまいます。当然、自己重要感が傷つけば、モチベーションも上がらず、お店の雰囲気に悪影響を与えることは言うまでもありません。

日々の業務の中で、些細な事でも、アルバイトさんに感謝の気持ちを込めて「ありがとう」とお礼を伝えることを続けていけば、お店の雰囲気は劇的に改善して、いい雰囲気のお店に変わっていきます。

店長であるあなた自身が日々意識して行動することで、お店の雰囲気が良くなりますので、今日この瞬間から意識して行動しましょう。


第3章まとめ

店長が習慣化すべき4つの項目

1.時間・期日を必ず守る
2.少し大げさなくらい褒める
3.注意する時は、誰もいない所で
4.お礼を必ず伝える

店長であるあなたが、この5つを、日々意識して行動するだけで、お店の雰囲気は劇的に良くなる。その結果、人が集まるお店に生まれ変わることができる。



第4章 最初にやるべきこと

ここまでの話を聞いて、人員不足解消するためには、お店の雰囲気を改善することが重要であることがお解りいただけたと思います。どんなに募集時間給を高くしたところで、雰囲気の悪いお店には、人は集まってきません。ですから、アルバイトの採用活動を行う前に、やるべきことは、お店の雰囲気の改善になります。

でも、人員不足の状況だから、そんな余裕がない。人がある程度揃ってからやります。と言う店長さんが本当に多いんです。ただ、そうやって言い訳をして先送りするお店は、結局、人が集まらないから、いつまで経っても改善できないままなんです。

逆に、お店の雰囲気と人の集まり度合の関係性を理解できた店長さんは、少し無理をしてでも、最後までやり切ります。その結果、2、3か月後には、お店の雰囲気が激的に改善されて、人員もそろい、人の集まるお店に生まれ変わっています。

私の経験則からしても、最大3か月あれば、お店を激的に変貌させることは十分可能です。ただし、その期間でやり切ろうとすると当然、店長であるあなたへの負荷はMAXになります。以前であれば、3か月くらい気合と根性で乗り切れ!って言えましたが、さすがに今のご時世はできません。なぜなら、そんなことを強いた瞬間、ブラック企業のレッテルを貼られてしまうからです。

では、今のご時世において、どうすればよいのかと言うと、しっかりと事前に計画を立て、期日を決めたうえで、近隣のお店などに応援を依頼し対応を行うことです。また、個人経営のお店の場合は、近所の他の飲食店や知人・友人に期間限定で依頼することで対応していきます。

ですから、店長であるあなたが、まずやるべきことは、お店の雰囲気を最優先で確認した上で、採用活動に関連する各種計画を立て、自力で実行が難しいのであれば、応援依頼を行います。

実際、大変なのは、お店の雰囲気改善と採用研修を、同時進行で行う最初だけです。二回目以降は、お店の雰囲気が改善されているにで、採用・研修活動に専念できるようになります。

今回、お伝えしたのは、採用における心構え的な内容です。店長であるあなた自身が習慣化すべき項目をお伝えしたので、ぜひ、4つの習慣を意識して、日々のお仕事に取り組んでみてください。それを続ければ間違いなく、お店の雰囲気は改善し、人の集まるお店に生まれ変わると思います。

第4章まとめ

お店の雰囲気の改善を最優先として、4つの項目を日々意識して仕事に臨む。
自力で対応しきれない場合は、近隣に応援を依頼し対応する。
3か月取り組めば、確実にお店に変化は現れる



第2部 アルバイト募集活動編

第5章 アルバイト募集活動の基本

行き当たりばったりが、諸悪の根源

最初に質問です。

あなたのお店の必要人員数は何人ですか?
来年の春に何人のアルバイトが卒業しますか?
来年、就職活動するアルバイトは何人ですか?
来年の春、お子さんが進学するパートさんは何人ですか?

この4つの質問に答えられた店長さんのお店は、アルバイトの募集活動は上手く行っているのではないでしょうか。逆に、一つも答えられなかった店長さんは要注意です。もしかしたら、慢性的な人員不足で困っていませんか。

でも、安心してください。本書に書かれている内容を実践すれば、遅かれ早かれ、人員不足問題は改善の方向に進んでいきます。

なぜ、そう言い切れるのか。人員不足で困っているお店のほとんどが、アルバイトの募集は無計画に行われています。要は行き当たりばったりなんです。人が足りなくなったら、慌ててアルバイト募集を行っているにすぎないんです。

また、仮にそのような行き当たりばったりの募集活動であっても、タイミングさえ合えば、一定数の応募はあります。そして、採用したとしても、当然、アルバイト人員が不足している中でのトレーニングになるので、新人アルバイトのケアまで手が回らないことが多くなります。その結果、新人アルバイトは自分が大事にされていないと感じ、この仕事は自分には合わない!と感じてしまい、退職してしまうのです。

そして、また行き当たりばったりで募集を行い・・・・。まさに負のスパイラルに陥っている訳です。

当然、アルバイトを募集するには、それなりの費用が掛かります。求人広告費用、トレーニング費用などなど。当然、この費用がかさめば、お店の利益は減っていく訳です。

アルバイト依存度が非常に高い我々の業界では、店舗運営を安定化させるのは、アルバイト確保と定着率を向上させることがとても重要です。

このアルバイト確保と定着率の向上があって、はじめて売上・利益って話になっていくのですが、多くのお店がこの最重要項目をおろそかにしています。その結果、人員不足でお客さんに迷惑をかけ、アルバイトは常に仕事中は余裕が無く、接客サービスも感じが悪くなり、店長である自分は休みが取れない・・・というような最悪な状況に陥っています。

そんな最悪な状況であったとしても、この募集採用の問題を解決できれば、すべてを好転させることは分に可能です。

つまり、行き当たりばったりの募集活動を止め、計画的に行うことで、この負のスパイラルから脱することが可能になります。

慢性的な人員不足状態から脱することができない諸悪の根源は、行き当たりばったりの募集活動と言っても過言ではありません。

本書で、計画的かつ効率的なアルバイト募集採用手法を学び、人員不足の負のスパイラルから、一刻も早く脱出しましょう。


第6章 アルバイト募集の事前準備

事前準備の濃さですべてが決まる

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現場を熟知しWeb集客に明るいハイブリッドコンサル 大手外食チェーンでの約20年間の業務経験からの知見を基に、飲食店などの有店舗向けのコンサルティングサービス提供。併せてネットやSNSを活用したマーケティング手法をミックスした形での店舗経営&運営の課題解決のサポートを実施