井上ニコル

code nameのNIKOLは、ANDREIがくれた。 シュールな超短編小説と詩をn…

井上ニコル

code nameのNIKOLは、ANDREIがくれた。 シュールな超短編小説と詩をnoteにアップし始めました。 Twitterも始めました。 よろしくお願いです。

最近の記事

TAXI

このphoto 撮ったときのこと たまたまだよ! 彼女が隣りにいたんだ 恋人でもないけど 例の ナイキのスニーカーの 素敵な女の子さ! いっしょに 目にとびこんできたというわけだよ この犬をのっけるタクシー すごいタイミング!  だと思わない? その後 彼女もiPhoneを出し このタクシーについて検索してくれて 僕と会話しながら クスクス 笑ってんたんだ 結局、なにがなんだか?  わからなかったけどね そんなのどうだっていいじゃん! ドキドキ っていうよりも ち

    • スニーカー

      とっても スニーカーの似合う 女の子を ドッグカフェで 見つけたんだ そんな意識が働いたのは 僕の初めての経験だった ナイキのスニーカー ブラックに白のロゴ オーソドックス なやつ それを 素足で履いて テキパキと 働いている それが不思議なことに 初めて会った気がしないんだ もちろんすぐに分かったんだけれど 僕の初恋の女の子 によく似ていた レジで会計しているときに 「お子さんは男の子?  女の子?」 僕は聞いてみたんだ (なんとなくお子さんがいるような 気がし

      • メールがきた

        変な意味じゃなくて(笑) 大好きな人から メールがくると 僕、 すごく うれしいんだ! それって 単純なことでも 必ず (ここが重要なんだけど) 愛情あって 楽しいし! そういう人って 僕、 尊敬してるし おおよそ どのくらいかな? (けっこうな時間のこと) 読んで (見て) しまう 返事も (それも単純なことでも) ドキドキするし たまらないね! そういうことって ない? あったら それもまた きみの人生に組み込まれる ささやかなしあわせ だと 思うんだ!

        • 10 years

          「今 振り返ってみると あの子が いちばんいい女 だったな」 友人と10年ぶりに再会した僕は言った 「そうだよ! だからオレが好きだったんじゃん!」 友人は真剣な眼差しで言った 友人とその子は 船橋駅前の小さな旅行代理店に勤めていた ちょっと複雑な話になっちゃうけど もう一人 美人な子もいた 僕は 美人な子(不良っぽい)に惚れていた それで 僕は都内の音楽事務所に勤めていたんだけど 週に3回は その4人で 飲みにいったり カラオケをしたり して遊んだ 僕は友人に頼まれ

          cool !

          少年は サトウキビを齧った 少年は 両手を 僕にひろげて見せた 少年の 目が強く光った 少年は 両手を引っ付けた とんでもないこと が起こったんだ 少年の 離した両手 から 右の親指 が消えた…… 目をまるくして えー! と叫んでいる 僕 少年は 無邪気に 笑い転げた そのとき 少年のマジック (後でわかったんだけれど) と 少年のエネルジイ に "こいつは本物だ" と思わされた だって 天才はまた (まるで何事もなかった かのように) サト

          男と女が歌っている

          男と女が ベートーヴェンの第九「合唱」 を歌っているが まったく同じ顔をしている 僕も 一度だけ ベートーヴェン になったことがある そのときは ぜんぶの魂が (どれがどれだだか わからないぐらい) 解放されていなければならない そう訪れる ものではないし 一生ない かもしれない 彼らは 気付いていない 渾然一体 となっているから 残念ながら カメラ や TV には 収まらない でも 絵には 描ける かもしれない その絵は 不気味だ とも 神のようだ とも……

          男と女が歌っている

          あ!

          僕は その日 かなり憂鬱で 夕食も取らず 眠ってしまった 夜中 空腹が襲ってきて 目覚め あわてて 台所にいった でも 冷蔵庫には バターロール 6つ と ミルク ぐらいだった 僕は ミルク を コップに入れて 飲んだ バターロール を 2つ 齧って 食べた びっくりした! とっても おいしかった から そして 眠ろう と したら 右の人差し指 から いい匂い がした 僕は バターロール の前 みかんをひとつ 食べていた みかん と バターロール の 混ざっ

          とおせんぼ男

          南の果て島の小さなリゾートホテルは、夏のシーズンをむかえた。 お客様は、春、秋、冬のシーズンに比べて夏のシーズンは若い方々が多い。芸能人や小説家、それにひとり旅の美しい女の子もけっこういる。 僕は、このホテルの2階にあるカジュアルというより、かなり気品のあるガラス張りのレストランでウエイターをしている。 まだこの島に引っ越して7ヶ月くらいだけれど、もちろん僕も夏が大好きだ。この島の輝かんばかりの夏のためにわざわざ内地から引っ越して生活しているといってもいい。 僕の上司

          とおせんぼ男

          3つの影

          彼は、ぎょっとした。黒い影の三人組が家の周りをうろついているではないか……? 彼は分厚い眼鏡をかけて身を隠すようにして二階の窓から下を見た。どくどくと脈打つ。黒い影たちは、何か? 話し合っているのだが、この夜半の雪の降り積もる静けさの中でもまったく声が聞こえない。なんとか彼の家に忍び込もうとしている。こいつらはプロだ……。と、彼は、確信した。単なる泥棒にしては、巧妙すぎる。プロの仕業だ。殺人者かもしれない。危険だ。 しかし、結局のところ、逮捕されたのは彼自身だった……。

          BOY JUMPING

          幼い少年 が とっさに ジャンピング するのって 素敵だな 両目はまんまるで 口は三日月みたいに 両腕両手両足は めいっぱいひろげて 皆 わおー! って思うんだ 大人だって わあー! って 目に見えない ものまでが 見えちゃうんだから! 難しいことなんか なんにもなくて それって ただ単純に なんだか たのしい(うれしい)!

          月って魔物だよ 紺色の中でにっこりと 笑っていたり 漆黒の中で ほとんど瀕死していたり コヨーテや 犬に ぴったり似合ったり それだけじゃない いやいや あのときはぞっとしたし びっくりした  厨房のチーフが 大火傷して 市内の病院へ救急車で運ばれたとき のことだった 大きな白い満月が 一晩中 不気味に光って げらげら 笑い転げていたんだ あの日 チーフは 夏のふかい宵の時刻に ビーチで鷲摑みして捕えた巨大な長い怪魚を手に 広大なグランドゴルフ場を大股で突っ走

          大きな瞳

          そこで 何か?  突然  明らかに物事が起こった 道で擦れ違った 彼女の いつもより 大きな瞳 が 僕に 何か?  強く訴えていたのに 後で その重みとやらに 気付いたんだ それを バカな僕は見失っていた 全ては その一瞬の出来事で 僕と彼女の調和が 崩壊してしまった " 後悔 " とは その様なもの? また僕は 過ちをしてしまうのだろうか? 人生とは その繰り返しなのだろうか? いや もう 二度とごめんだよ!

          Merry-go-round

          きみの心臓を動かす要素は何もない と 思い込んだ僕は 気が狂いそうになり 悲観主義になってしまった * 数ヶ月してのこと 僕は通りすがりに ライトアップされたMerry-go-round(回転木馬) を観たんだ その綺麗さに 僕は思わず立ちすくんだ アパートに帰ってからも Merry-go-round のことが…… そして 机に向かい詩をつくり きみに捧げた 祈りを 美しい祈りを 美しい祈りを込めて  * きみは クスクス笑ったけれど そんな無邪気で可愛いきみを

          Merry-go-round

          或いは熱情

          風がびゅうびゅう吹く荒々しい草原 に 陽に焼かれた顔の あなたが 立っている おそらくふかい傷や苦しみ 怒り 葛藤やらも あなたの 胸の中にある 燃えるような太陽が現われる と あなたは しっかりとした足取りで その草原を歩いていった

          或いは熱情

          僕とアクセル

          アクセルっていうのは 保健所からもらってきた白い雑種犬なんだ 錆びた檻の中に詰め込まれている犬たちに驚いた 彼らは皆んな助けを求めていた 吠えて吠えてとびついてくるのだから でも アクセルは ちっこくて汚れていて いちばん奥の隅っこでびくびく震えていた そんな彼に 僕は一目惚れしたんだ * 僕の日課は海で泳ぐことだ けれど 今日はアクセルも一緒に泳いでいる 初泳ぎ 懸命な 犬かき ここは潮の流れが速いから流されるアクセル 僕の顔を引っ掻きやがったけど なんでか? うれ

          僕とアクセル

          死ぬまでロマンティスト?

          僕の人生に於いて しょっちゅう 不思議な力が働く 誰か? が 僕の首をつまんで ひょいと放り投げる 大海にどぼん と沈んでしまわない のが不思議なくらいだ この島でも 田舎の町外れの暗黒な 1.5kmはある墓場の砂利道…… ここの幽霊は 大きな白い布のようだと聞いた 妙だな? と思った 白い布の幽霊が すっぽりと車を 包み込む アルバイトの都合で 真夜中にその砂利道を 通らないと いけなくなった その度に 怯え 恐怖に向かっていくようだった でも 僕が幽霊に出

          死ぬまでロマンティスト?