花開くことは不確かだから期待するのだろう
「来年もまた綺麗な花を咲かせておくれよ」誰かに悟られぬように小さな声でそっとつぶやく。あたりには誰もいないのに、どうして小声になったんだろう。日差しを見上げながら思考を巡らせる。
花に語りかけていることへの羞恥心でも、自分に似つかわしくない台詞を言ったからでもなかった。「僕はいつ花開くだろうか」そんな不安がずっと胸の奥底にあった。
未来はあまりにも不確かで半歩先も見えない。来年花を咲かせるかすら不透明だ。おそらく世界で一番自分の開花に期待する僕ですら、その不確かさに嫌気が