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日々一切過ぎゆく

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希望を抱いたり、絶望したり、はたまた気づけば終わる日もあったりしますが、そんな日々で感じたことを書いています。
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#酒

とりあえず鴨川デルタでお待ちしています。 #自粛明けにやりたいこと

簡単な外出にすら気を使う。見えないウイルスの存在も怖いし、周囲の目線もなぜか気になってしまう。何をするにしても「自粛」の二文字が脳内で反芻して、ためらってしまう。 あまりにも「自粛」という言葉が脳内再生されるのに嫌気がさした。無機質に同じ言葉が反芻されると気が狂いそうだから本田翼の声で脳内再生を試みるようになってしまった。 控えめに言っても気持ち悪いことをしている自覚はある。けど、狂気に耐えかねてやってしまう。気持ち悪くなったのは全部コロナのせいだ。「もともと気持ち悪いだ

「乾杯」と言える頃に、また会いましょう

カウンターには人が溢れている。部下に自分語りをするサラリーマン、ワイドショーで仕入れたネタで盛り上がる初老の男性、友達と彼氏の愚痴を言い合う女性たち。 それを見ながら酒を飲む僕。いつもの光景だった。ありふれた日常の一部分でしかなかった。ありふれた日常は、どこか遠くへ行ってしまった。 頼むから帰ってきてくれないか?いや出て行った妻に懇願する離婚寸前の夫みたいだけど、本気で言ってるんだよ。 ***** フグが上下反転したまま、水槽の底に沈んでいる。エラは動いているからかろ

「今日も楽しかったわ。ありがとうー!また飲みに行こなー。」

熱燗をひとりで飲んでたら、50代と思しきおっちゃん2人の話が聞こえてきた。 おっちゃんA「〇〇くんは根は真面目やけど、仕事ができへんよなー」 おっちゃんB「わかるわー。根は真面目なんやけど融通がきかんねんな」 よくある会社の愚痴かなと思いながら少し冷めた熱燗をまた少し飲む。 ***** 「おいしいお酒ってなんなんだろう」 最近そんなことを考えながらお酒を飲むことがある。 気のおけない友人と飲むお酒。おなじ法人で働く仲間と飲むお酒。居酒屋で出会ったおじさんと飲むお

酒と肴と、僕の「顔」と。

「酒 肴」と書いた灯りが見える。店内はいつもいろんな人で溢れかえっている。 仕事帰りのひとりのおじさん、楽しい会話に花を咲かせるカップル、久しぶり会った地元の友達二人組、日本酒が好きなお姉さん、いろんな人たちが立ちながら酒と肴を口にする。酒と肴と口にしながら、表情が変わらない人や感想が声に出てしまう人いろんな人がいる。 僕もそこにいる人のうちの一人だ。 最近できたばかりの引き戸を開けると、「まいど!」といういかにも大阪の居酒屋といった挨拶が飛んでくる。 店員:「今日は