見出し画像

大学生諸君へ捧ぐ、読書のすすめ

大学に入ってから自分の興味や関心のあることを知りたくて、本を読み始めた。

今28歳になってみると、「とりあえず読書を始めたい大学生向けの本の見つけ方と読み方は書けるかな」と思ってnoteにしてみた。

「自分の興味や関心にあう本の見つけ方とその読み方」を書いているので、オススメの本を知りたい人は他をあたってほしい。

素敵な本と出会い、読み方のコツを押さえて本を読めば、自分の根底にある感情の動く瞬間や潜在的な興味などがわかってくるかもしれない。

ただ、読書で自己理解が深まるのは、年単位での話なので、一朝一夕でどうにかなると思わないでほしい。

1. 古本屋に行って、新書と文庫本を狙う


大学生はお金に困ることが多い。少なくとも僕は今出川の松屋で牛めしを食べて出費を抑えていた。味噌汁もついてくるし、松屋が最高だった。

松屋への熱い思いがあふれ出て、話が逸れてしまった。愛してるぜ、松屋。

さて、図書館もいいのだが、大学生諸君におすすめなのが古本屋だ。

最初はどんな情報にアクセスしたいのか、どんな本を読みたいかもわからないと思う。
そういうときは、とりあえず数を買っても、経済的に困窮しない古本屋でまずは一旦購入するのが僕のおすすめだ。

それに古本を買って手元に置いておいた方が、このあとの3・4で作業をしやすい。
読書に慣れてきてどんな情報にアクセスしたいかがわかったら、図書館を活用する方が無難だ。

古本屋に向かったら、まずは新書と文庫本を狙うことをおすすめする。
新書と文庫本をおすすめする理由が3つある。

(1)値段が安い
身もふたもないが、新書や文庫本は安い。新品で買っても値段がせいぜい1000円ぐらいなので、古本なら値段が数百円前後なことが多い。
飲み会やデートにお金を使いたい大学生諸君にとって出費は死活問題だから、値段が安いことは重要だ。飲み会やデートにお金を使わなくても他の何かにお金は使うだろうから安いに越したことはない。

(2)持ち運びがしやすい
新書や文庫本は、大きさもそこまで大きくないし、分厚くないものが多い。だから、持ち運びがしやすい。持ち運びがしやすいということは、すこし時間ができた時にも読めるということだ。
講義の空きコマの時間、通学の電車、飲み会の集合場所での待ち時間など。
そして、飲み会の集合場所で待ち時間に新書や文庫本を読んでいると、意中のあの子が知的なその姿に好意を持つかもしれない。

(3)比較的読みやすい内容のものが多い
読書が続かない人の中には、「内容が難しいと思わずになんとなく買ってしまい、出費しただけになる」パターンの人がいる。
新書や文庫本は、内容が平易なものが多い。もちろん一般的な話なので、ものによっては難しいものもある。もしそうなっても(1)で書いたように安いので、精神的なダメージは抑えられる。


2. 本を選んで気に入りそうなものを探す


古本屋に行った次は気に入りそうな本を見つけることが大切だ。
新書と文庫本を中心に2つのことを次の順番でやっていくと気に入りそうな本を見つけやすい。

(1)おもしろそうなタイトルの本を見つける
新書と文庫本を中心に物色し、おもしろそうなタイトルの本を探す。そして、その本を一度手にとって表紙と裏表紙を見て、値段も確認しておく。
実は、ここで重要なのは「本を一度手に取る」というところだ。
古本は値段が1冊ごとに違う場合や値段を書いたシールが剥がれている時もある。あとで新品の値段で買うはめになるとたまらないので、念のため確認しておくといい。また、裏表紙に簡単にあらすじや説明が書いてある場合もある。(参考画像1を参照)

(2)最初の3ページと目次を読む
新書と文庫本に(1)の方法から目星をつける。そしたら、最初の3ページぐらいを読む。この時に新書などで目次がある場合は目次も読む。
最初の3ページを読むのは、小説であれば今後のストーリーの展開に期待できるかを確認すること、新書であればその本で書かれている内容に興味を持てるかを確認するためだ。
そして、目次を読んでおくとその後の話の内容がわかり、概要をつかみやすくなる。そうすると、興味があるかどうかも判断しやすくなる。

(※参考画像1:上部にあらすじや説明、下部に値段のシールがついている)

この方法で気になる本や読んでみたいと思える本を見つけたら、とりあえず買ってみよう。

一応忠告しておく。
「この本だ!僕の運命の本はこれだ!」みたいなことは、本を探す段階でほとんどない。
「読んでみようかな」ぐらいの気持ちで買えばいいよ。

3. 本を読んで興味や感情をあぶり出す


ここまで来たら、あとは買った本を読むだけだ。ここでももちろんだが、本の読み方にも3つのコツがある。

(1)読んでみて興味がなかった場合は無理に読まない
ここまでの段階を踏んで選んだ本だから興味がある本なはずだと思うかもしれない。しかし、読みたい本に出会える確率の上げ方を書いてきただけなので、もちろんハズレを買ってしまうこともある。
そんな時は、無理に読まなくていい。一旦積読にしておいて、もし興味がわいてきたら、その時に読めばいい。
最悪どうしても読む気にならなかったら、興味のありそうな大学の友達に50円とか100円で売ればいい。

(2)読んだときの疑問点はメモしておく
「この歴史の背景ってなにがあったのか」とか「これってなんでこうなるんだ」みたいな疑問点はメモをしておく。メモの仕方は直接書き込んでもいいし、紙に書いてもいい。あとで、この疑問点を見返せる状態になっていればそれでいい。
この疑問点が実は知りたいことや気になることだったりする。次の本を選ぶときのヒントになってくれる。

(3)読んで感情が動いた部分はメモしておく
これは疑問点と似ているが少し違う。「おもしろい」「いやだな」といった一言の感情、もっと言えば喜怒哀楽でなにかを感じたところをメモする。こちらもあとで見返せれば形式はなんでもいい。該当箇所に線を引くだけでもいい。
これは、自分の感情がどんなときに、どのように動くのかを知ることにつながる。それがわかってくると、自分の潜在的な欲求などがわかってくるので、こちらも次の本を選ぶヒントになってくれる。


4. 情報を整理し、次に読みたい本の目星をつける


ようやく読み終わったら、そこで終わりでもいい。もし、余裕があればもうやっておいてもいいかなと思うことが2つある。

(1)著者の情報を確認する
その本の著者の情報を確認しておくとあとで役立つ。例えば小説であれば、他の代表的な作品などを知っておくといい。新書などで著者が研究者の場合は、研究分野や所属や代表的な著書を知っておく。
そうすると、次に古本屋や本屋や図書館に行った時に、まったくのゼロから本を探すのではなく、興味がありそうなものを狙い撃ちできる。

(2)参考図書・文献などを確認する
小説であっても、学術的な内容の新書などであっても、参考にした文献の一覧が最後のほうのページに記載されていることがある。
ここで、3-(2)(3)でしていたことが役に立つ。疑問点や感情が動いた部分に関係する参考図書や文献などは、読みたい本かもしれないので、メモしておくといい。
個人的には、ブクログなどのサービスを使って、登録しておくのがおすすめ。ちなみにブクログは、読書状況を一冊ずつ設定できる。「読みたい」にしておいて、古本屋や本屋や図書館で探す時にも便利だ。
一応僕のブクログも参考イメージがてら載せておく。どんな本を読んでいるか知りたければ画像からリンクしている本棚を見てほしい。


読み終わったあとに、こういった形で次に読みたい本や興味があるかもしれない内容を知っておくといいことがある。

それは、日常で流れてくる興味の情報への感度が高くなるというところだ。
次に知りたい情報がなんとなくわかっているとテレビ、ネット、SNSなどで流れてくる興味のある情報に目が止まりやすくなる。

そうすると、さらに自分の知りたい情報にアクセスし、自分の感情の動くポイントを知ったりすることができる。

5. 本の見つけ方・読み方のまとめ


いかがだっただろうか。
本を読んで、自分のほしい知識を得て、自分の考え方や感情の動くポイントを把握するために、僕は地道にこんなことを数年やってきた。

そして、このnoteを読んで、読書を始めてみようと思った大学生諸君にどうしても伝えたいことがある。

(1)読書に慣れたら大学の図書館はフル活用する
読書に慣れてきて、知りたい情報がわかったてきたら絶対にやってほしいことがある。それは、大学の図書館はフル活用してほしい!ということだ。
無料で本が読めて、過去の論文等も含めて、異常な蔵書量を誇る。そして必要に応じて、取り寄せたりもできるなんて最高の環境でしかない!
これを使わないのは本当にもったいない!

(2)自分が思う素敵な本とたくさん出会ってほしい
ネットやSNSでおすすめの本とかはたくさんあるけど、そんなの人によって違う。ていうか、それでいいんだ。あなたには、あなたの価値観があって自分にあった本があり、自分の人生を素敵にしてくれる本があるはず。
「有名人が言ってたから」「SNSで流れてきたから」こういうのも本を選ぶ理由ではある。でも、それに振り回されないようにしてほしい。あなたの感性で、あなたが素敵だと思う本や読みたいと思う本を読んでいけばいい。

最初にも書いたが、読書を続けていくと、自分の根底にある感情の動く瞬間や潜在的な興味などがわかってくる。

それはほんのすこしずつ、ぼやけたレンズのピントをあわせるような感覚だ。

本を読むということは、さまざまな物語に触れ、さまざまな人の思考に触れることだ。
この経験は、間違いなくあなたの人生を豊かにしてくれるはずだ。

たくさんの本との出会いは、きっとあなたが見る世界の解像度をあげてくれる。
たくさんの本との出会いは、今までと同じ景色のなかに素敵な物語を見せてくれる。

大学生諸君が、素敵な本と出会い、豊かな人生を送ることを僕は心から祈る。

【番外編】


この番外編は、小説などの物語よりも、より専門的・学術的な内容を知りたい人向けに書いている。

(1)大学教授に話を聞く
学術的な内容をもっとも知っているのは大学の教授たちだ。
違う学部の教授でも理由をきちんと説明し、アポイントメントを取れば、いろいろな情報を教えてくれるはずだ。著名な研究者やその分野の最近の学術的な潮流などを教えてもらうといい。
そして、大学にいるということは、すべての知に門戸が開かれているということだ。
「学費を払っているから」とかではなくて、そんな環境は社会に出るともう存在しない。学べるうちに、最高水準の知にアクセスできるうちにうまく活用することをオススメする。

(2)ネットで論文や官公庁の資料を探す
最近では、学会などで発表された資料がネットにあがっていることもしばしばある。また、CiNii(サイニー)などで論文などの検索もできるので、そういったところから、より専門的な情報にアクセスできる。
また、各専門分野に関わる官公庁が出している資料なども読んでみると面白いと思う。



いただいたサポートは我が家の愛猫のおやつにして英気をやしないます!