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考えさせられる海外の広告を集めてみた

海外の広告は強いメッセージ性を伴った表現が散見され、いい意味でも悪い意味でも考えさせられることが多いです。

今回はそのような海外の考えさせられる広告を50本以上ご紹介していきたいと思います。(過去に他のnoteで紹介した事例も幾つか含まれておりますが、ご了承ください。)

〈過去記事一覧〉
https://note.mu/inspi_com

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1. ある男性の一生

▶︎ Case| Instituto Nacional de Ablacion y Trasplante (INAT)

9月の臓器提供デーに向けて、パラグアイで実施されたINATの広告。一人の男性の赤ん坊から大人になるまでの様子を描いたイラストですが、最後だけなぜか少女の姿に入れ替わっています。

「臓器移植によって死後も誰かの人生を支えて生きることができる」という心に突き刺さるメッセージを描き出したものです。

2. 不自然な遺影

▶︎ Case|Deutsche Verkehrswacht (DVW)

4人の写真額が壁に並べ掛けられています。左側の3人は黒いリボンが左上に巻かれてまるで故人の遺影のように見えますが、右端の男性だけは黒いリボンがシートベルトのように胸に巻かれていて、それにより死を免れたことがわかります。

交通安全教育を行うNPO「ドイツ交通安全協会(DVW)」による啓蒙広告でした。

3. 誰もが見てしまうポスター

▶︎ Case|PSKS

このポスターがホームレスの若者だったら、
ほとんどの人はわざわざ下を見ることすらしない。

米シアトルに拠点を持つ若者ホームレスの支援団体「PSKS」による屋外施策。おそらく実際にこれを目にした多くの通行人の胸に強く突き刺さったのではないでしょうか。

4. 壁に張り付けられた謎のマネキン

▶︎ Case|Australian Childhood Foundation

オーストラリア児童基金が実施した衝撃的な屋外施策。育児放棄された子どもは自分の存在をまるで“透明人間”のように感じる傾向があるようで、この施策では子供型のマネキンを張り紙の下に設置することでその心理を視覚化しています。

マネキンが剥がされると、下にはこう書いてあります。

Thank you for seeing me.
(見つけてくれて、ありがとう)

5. 子どもたちが残した不自然な落書き

▶︎ Case|ABS-CBN Foundation

これらのイラストは性的虐待を受けていた子どもたちが実際に描いたもので、男性器と思しきものを口に咥えている描写など、非常にショッキングな内容が続きます。

フィリピンで児童支援を行うABS-CBN基金はこれらの絵を広告内に用いることで、イラストを描かせることが性的虐待の発見に繋がることを訴えました。

6. 彼らが必死に助けていたものとは

▶︎ Case|Save the Children

紛争地域や貧困地帯に生まれたことで、自分の夢を諦めざるを得ない子どもたちがいます。国際児童支援団体「Save the Children」がメキシコで制作した啓蒙広告。

"Don't let their dream die. Donate today."
(彼らの夢を死なせてはいけない。今、寄付しよう。)

7. 「いいね」を押すことの意義

▶︎ Case|Crisis Relief

戦争や災害の犠牲となった子どもたちの周りを、“いいね”を表すサムズアップ(親指を立てるジェスチャー)が取り囲んでいます。

SNS上で“いいね”を押して満足するのではなく、実際の行動に移すことの重要性を訴える「Crisis Relief」の広告。

"Liking isn't helping."
(“いいね”では、助けにならない。)

8. 歴史的事件の前日に起きていたこと

▶︎ Case|Cape Times

・広島原爆投下
・9.11(アメリカ同時多発テロ事件)
・ケネディ大統領暗殺
・ソウェト蜂起

いずれも世界を一変させた歴史的事件ですが、これらの写真はその前日に撮影されたもの。

「たった一日で世界は変わるかもしれない。だから毎日報道に触れよう」というメッセージを伝える南アフリカの英字新聞「Cape Times」の広告でした。

9. WTCビルに突っ込む数十機の航空機

環境保護団体WWFが2008年にブラジルで制作した衝撃的な啓蒙広告。

津波による死者数が米同時多発テロ事件(9.11)の100倍以上にも及ぶことを、数十機の航空機がワールドトレードセンタービルに衝突しようとしているビジュアルで表現し非難の声が殺到、制作代理店(DDB)とともに謝罪に追い込まれた。

10. お金を持つことは悪いことなのか

▶︎ Case|Forbes

"Money Is Good"と題されたForbesの広告。例えばマザー・テレサとビル・ゲイツを比較したとき、慈善活動の功績でいえばビル・ゲイツの方が圧倒的に多くの人々を救っていることになるのです。

このようにお金を持つことは決して悪いことではなく、むしろその力で世界を救うこともできると訴えています。

11. かすれて見えなくなったアルバムジャケット

▶︎ Case|Rolling Stone

世界的に有名な音楽アルバムのジャケットが、かすれて今にも見えなくなりそうになっている。どうやら何度も印刷コピーを繰り返したことが原因のよです。

同様に、違法コピーが巷に氾濫することで、いつの日か偉大な音楽が世界から消えてしまうかもしれません。ローリング・ストーン誌がドイツで実施した啓蒙広告。

12. 違法なスキンシップ

▶︎ Case|Amnesty International

これらのスキンシップは、ロシア国内だと罪に問われる可能性がある——。

「同性愛宣伝禁止法」などの法律があるロシアでは、同性同士の接触によって罰金や拘留、果ては国外退去を命じられる可能性すらあるようです。ロシア開催のFIFA W杯 (2018年)に向けてチェコで制作されたAmnesty Internationalの啓蒙広告でした。

13. 自然を救うヒーローになるためには

▶︎ Case|Trash Hero

我々はほんの1秒足らずでゴミを取り除くことができるが、自然がそれを完全に分解するには数百年、物によっては1000年以上かかるケースもあります。

落ちているゴミを拾うことで、誰もが自然を救うヒーローになることができることを伝える、タイで制作された国際ボランティア団体「Trash Hero」の啓蒙広告。

14. 「子ども」でなくなった子どもたち

▶︎ Case|La Protectora

"Frothers"や"Sisthers"などの見慣れない英単語が並んでいます。家族を失った彼らは、Father(父)であり、Mother(母)であり、Sister(姉)であり、Brother(兄)でもあるが、もう決して子どもではないのです。

「子どもは子どもであるための権利を持っている」ということを伝える、チリの児童支援団体「La Protectora」による広告。

15. 笑顔の裏に隠された"Shot by"の意味

▶︎ Case|The Coalition to Stop Gun Violence (CSGV)

無垢な笑顔の子どもたちの写真。以下の有名なAppleのシリーズ広告"Shot on iPhone(iPhoneで撮影)"と同じようなレイアウトですが、書いてあるコピーが少し異なります。

"Shot by..."に続く「Colt 1911」「Beretta 9」「Glock 17」などは実在する銃の名称で、写真に写っているのは、銃で撃たれた罪のない子どもたちでした。アメリカのNPO団体「銃暴力阻止連盟(CSGV)」の啓蒙広告。

16. 各国の首脳同士がまさかの口付け

▶︎ Case|Benetton

ベネトンが2011年に実施した"UNHATE(反憎悪)"キャンペーン。当時の米オバマ大統領と中国の胡錦濤国家主席など、世界のトップ同士がキスをする合成写真を作成し各種メディアで展開。

世界中で物議を醸しましたが、憎しみの文化を乗り越える必要性を強く訴えたことでカンヌなどの広告賞でも高く評価されました。

17. 年齢ごとに刻まれた子どもの身長

▶︎ Case|International Society for Human Rights (ISHR)

国際人権団体ISHRによる啓蒙広告。これは、Mariamという子どもの「身長」を年齢ごとに壁に刻み込んだもの。6歳、7歳と年を追うごとに順調に背が伸びていますが、なぜか8歳のときに突然身長が低くなっています。

そして最後には以下のコピーが書かれています。

About 50 percent of all landmine victims are children.
(地雷被害者の約半数は、子どもです。)

つまり、Mariamが8歳のときに地雷で足を吹き飛ばされ、7歳のときよりも身長が低くなってしまったことを意味していたのです。

18. "FUCK HUMANS"

▶︎ Case|Greenpeace

"FUCK HUMANS"
(くそったれ、人間どもめ!)

そんな過激なコピーと、動物たちがこちらに中指を立てている衝撃的なビジュアルで話題となった環境保護団体グリーンピースの広告。

我々人間に対する動物たちの怒りは実際には目に見えませんが、それを可視化することによってメッセージ性を強調しています。

19. 雑誌についた靴ひもの意味

▶︎ Case|The ALS Association

米NY・ヤンキースで活躍し、2130試合連続出場・生涯打率.340などの大記録を残したルー・ゲーリッグ選手(1903-1941)。しかし彼は後にALS(筋萎縮性側索硬化症)だと診断され、最期には靴ひもすら満足に結ぶことができませんでした。

米ALS協会は「ほどけた靴ひも」を雑誌の裏表紙に通すことで、ゲーリッグ選手のストーリーを伝え、ALSの存在を知らしめました。

20. 彼らが死に値する理由

▶︎ Case|Lung Cancer Alliance (LCA)

猫好きは、死んでも仕方がない。
入れ墨が入っている人は、死んでも仕方がない。
ヒップスターは、死んでも仕方がない。

そんな過激なコピーで話題となった米NPO「Lung Cancer Alliance」によるシリーズ広告。冒頭文で注意を引いた後に、"If they have lung cancer.(もし彼らが肺がん患者ならば…)"と続き、これが肺ガンの啓蒙広告であることがわかります。

21. 死刑囚となった子どもたち

▶︎ Case|Save the Children

父親と母親の隣で、オレンジ色の囚人服を着せられたまま地面に跪くよう強制される子どもたち。左上にはこんなコピーが書かれています。

"Domestic violence kills more children than terrorism."
(家庭内暴力は、テロよりも多くの子どもたちを殺す。)

まるでイスラム国の処刑ビデオを彷彿とさせる、国際児童支援団体「Save the Children」のショッキングな啓蒙広告。

22. ぬいぐるみの正体

▶︎ Case|Innocence in Danger

性的虐待を受けた子どもの80%は、
信頼している人に裏切られている。

父親や隣人、家庭教師といった身近な存在が性的虐待者になり得ることを、子どもの“安心の象徴”であるぬいぐるみに置き換えて表現した児童保護団体「Innocence in Danger」による啓蒙広告。

23. 過去から未来へと連鎖する悪夢

▶︎ Case|Save the Children

父親や母親と思しき人物が、凄まじい剣幕で幼い我が子を怒鳴りつけています。その周りを取り囲んでいるのは、大人へと成長していく未来の自分。しかし最後に行き着いた先は、自らを虐待していた両親の姿でした。

虐待が連鎖する様子を描いた国際児童支援団体「Save the Children」の啓蒙広告。

24. 輝かしい勲章を得るための代償

▶︎ Case|Amnesty International

胸に掲げられた輝かしい勲章の数々。しかしその顔は幼く、彼らが少年兵であったことがわかります。チリで制作された国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルによる啓蒙広告。

"The youngest war veterans are in Syria."
(最年少の退役軍人は、シリアにいる。)

25. これはテレビの中の話ではない

▶︎ Case|Amnesty International

スクリーン越しに流れている紛争地帯の光景。我々はテレビを消すだけでそれを見ずに済むようになるが、戦場に取り残された住民たちにその選択肢はない。ドイツで制作されたアムネスティによる啓蒙広告。

"You can switch it off. They can't."
(あなたは電源を切ることができる。彼らにはできない。)

26. その国が壊滅した理由

▶︎ Case|Amnesty International

その国では817年もの間、巨大地震が起きていない。さらに言えば1319年もの間、巨大津波もハリケーンも発生していないはずだった。

中東シリアにおいて、最悪の自然災害は“人類”だったという衝撃的なメッセージを伝える、国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルの広告。

27. ホームレスとなった元大統領

▶︎ Case|The Salvation Army

国際慈善団体「The Salvation Army(救世軍)」の衝撃的な啓蒙広告。なんとフィンランド初の女性元大統領タルヤ・ハロネンを実際に起用し、ホームレス役として登場させることで、「不幸は誰にでも起こり得る」というメッセージを発信。

同団体への寄付を呼びかけ、フィンランド国内で大きな反響を呼びました。

28. 偉大な男性の後ろに隠された、偉大な女性たち

▶︎ Case|Stabilo

「偉業を成し遂げた男性の後ろには必ず、偉大な女性がいる」

これは英語圏で語り継がれる諺ですが、換言すればこれまでの時代は女性がどんなに活躍しても男性ばかりピックアップされてきました。

独スタビロ社は、男性の後ろにいる“偉大な女性”を同社の蛍光マーカーで強調し、今尚続く現状に疑問を投げかけました。

29. 手荒く縫合された国旗が意味するもの

▶︎ Case|28 Too Many

「女性器切除(FGM)」の慣習はアフリカや中東など一部の地域でしか行われていないと思われがちですが、実は欧米諸国でも移民の間でひそかに行われていて、社会問題となっています。

これは女性器切除(FGM)がはるか遠い国の出来事ではないことを訴えるため、英国の慈善団体「28 Too Many」がヨーロッパ各国の国旗にFGMを施した啓蒙施策です。

30. 遺体から流れ落ちた“黒い”血

▶︎ Case|Reporters Without Borders (RWB)

壁際で横たわる遺体から流れ出ているのは、赤ではなく黒い血。紛争地におけるジャーナリストの報道を何人たりとも妨げてはならない、というメッセージを伝えるフランスの「国境なき記者団」による広告。

"Ink should flow when blood flows."
(血が流れ落ちるとき、インクも流れなければならない。)

31. 何者かにかき消された少女の存在

▶︎ Case|World Association of Newspaper (WAN)

“世界を変えた写真”の一つ、1972年にベトナムで撮影された「ナパーム弾の少女」

しかしこの写真では、被写体の少女(キム・フック氏)の存在が何者かの手によってかき消されています。「見えない世界は、変えられない。」というメッセージで、世界報道自由デーのことを伝える「世界新聞協会」による広告。

32. シートベルトがかき消した数字

▶︎ Case|Quebec Automobile Insurance Society

Tシャツに印刷されている西暦。左がその人の生まれた年、右が亡くなった年を示しているようですが、シートベルトのおかげで右側の没年が隠れて見えなくなっています。「ケベック州自動車保険協会」がカナダで実施した広告でした。

"Buckle up. Stay alive."
(シートベルトを締めて、長生きしよう。)

33. 交通事故に巻き込まれたのは、ベッドだった

▶︎ Case|NZ Government

ニュージーランド政府が制作した交通事故防止の啓発広告。居眠り運転が死に直結することを、車ではなく「ベッドの残骸」が散乱するショッキングな事故現場のビジュアルを用いて表現しています。

"Sleep before you drive."
(運転する際は、事前に睡眠を。)

34. もしもこれが永遠に続くなら

▶︎ Case|IPTRAN

ブラジルのNGO団体「IPTRAN」による飲酒運転防止の啓発広告。セロテープでぐるぐる巻きにした顔芸はネタになりますが、交通事故によってその状態が永遠に続くなら、決して笑い事では済みません。

"It's not funny when it's forever."
(これが永遠に続くなら、笑い事では済まない。)

35. 標識がそこに存在している理由

▶︎ Case|Buick

米自動車ブランドのビュイックが中国で展開した事故防止の広告。道路標識を掲げた人々が写っていますが、いずれも身体の一部が損傷しています。

彼らは標識をスルーした(された)結果、実際に事故に遭った犠牲者だったのでした。

"Signs are there for a reason."
(標識は理由があってそこに存在している。)

36. 新しいニュースと古いニュース

▶︎ Case|Daily News

スリランカの英字新聞「Daily News」の広告。「火星で水を発見」という目新しいニュースだけでなく、その水が手に入らないことで亡くなる人々が国内に存在していることに目を向けるよう促しています。

"Don't let new news kill the old news."
(新しいニュースに、古いニュースを潰させるな。)

37. アラビア語から受ける第一印象

▶︎ Case|AMPU

ここに、アラビア語で書かれた一枚の紙が貼ってあります。

何の情報もない状態でこれを見たとき、あなたはどのような印象を受けましたか?これを見た人の中には、なんとなく不安感や嫌悪感を持った人が少なからずいたかもしれません。

実はこれ、「アメリカ合衆国憲法」をアラビア語に翻訳しただけのものです。人は自分の知らない物事を恐ろしいものとして捉えてしまう傾向があります。教育によって偏見や差別の撲滅を目指す米NPO団体・AMPUの広告。

38. ケーキに描かれた人権侵害の数々

▶︎ Case|Amnesty International

ケーキの上に描かれているのは、絞首刑や石打ち、収容所での捕虜虐待といった世界中で今なお行われ続けている人権侵害の数々。

「世界人権宣言は60周年を迎えたが、誰もがそれを祝っているわけではない」というメッセージを伝えるアムネスティ・インターナショナル(2008年・プエルトリコ)の広告。

39. 不自然に空席が残されたままのポートレイト

▶︎ Case|Catholic international development charity (CAFOD)

これは"Lost Family Portrait(失われた家族のポートレイト)"と題された、シリア内戦で家族を失った人々のポートレイトです。

本来一緒に写るはずだった両親や配偶者、子どもたちの席が空席のまま残された状態になっています。これらの写真は実際にカトリック海外開発機関(CAFOD)の広告となり、世界中で大きな反響を呼びました。

40. 銃が無かった世界の未来とは

▶︎ Case|Sou da Paz

もしコロンバイン高校で銃乱射事件が起きていなかったら、こんな卒業式があったのでしょうか。米大統領となったキング牧師や、チャリティ・コンサートで世界を回るジョン・レノンの姿があったのでしょうか。

武器がなければ、今と異なる世界が見れたかもしれない。暴力撲滅を訴えるブラジルのNGO「Sou da Paz」の広告。

41. 最高で、最悪な写真

▶︎ Case|Getty Images

アルゼンチンで行われた「Getty Images」のキャンペーン。ある種の社会性と芸術性の2つの側面を併せ持つ写真にコピーを添えることで、写真の品質や美しさだけではなく、世界の不平等な現実にも目を向けるようメッセージを発信しました。

"The best and the worst photos."
(最高で、最悪な写真。)

42. 写真が写し出す貧富の差

▶︎ Case|Banamex

写真家オスカー・ルイスが撮影したメキシコシティの貧富の差を映し出す一連の航空写真は、その真偽を含め大きな話題となり、Banamexの広告にも使用されました。

"This image has not been modified. It’s time to change that."
(この画像は修正されているわけではない。今こそ現状を変えるときだ。)

43. 男社会の一番の問題点とは

▶︎ Case|EL TIEMPO

左右に並んだ2枚の写真。一見同じ写真に見えますが、実は右側の写真では「女性」の存在が画像修正で消されています。

「女性がいないという状況自体に気付きにくい」という男社会における問題点を、従来と異なる表現で浮き彫りにしたコロンビアの全国紙「EL TIEMPO」による広告。

"The problem is not seeing the problem."
(問題点が見えないこと、それが一番問題なのだ。)

44. 性暴力は女性の服装に起因するのか?

▶︎ Case|ONG Amanda Labarca

パキンスタンでは2時間ごとに女性がレイプされている。
つまり、女性の着けている服装が問題ということではない。

ブルカ姿のビジュアルを全面に押し出すことで、性暴力は女性の服装が原因ではないというメッセージを強調したチリの団体「ONG Amanda Labarca」による啓蒙広告。

45. 年老いた男性と3人の子どもたち

▶︎ Case|Plan International

「この年老いた男性は3人の子どもと暮らしている。
2人の息子と、もう1人は妻だ。」

児童婚は幼少期を抹殺することに等しいと訴える、国際NGO「Plan International」による啓蒙広告(ブラジル)。

46. 愛撫が命取りに

▶︎ Case|Queen Sirikit National Institute of Child Health (QSNICH)

タイ王立小児病院による禁煙啓発の広告。新たな研究によると、喫煙者の体内にあるタバコの毒素は愛撫などの接触を通じて、赤ん坊に害を及ぼす可能性があるとされています。

"Loving touch can kill."
(愛撫が命を奪いかねない。)

47. 汚染された子どもたちの写真

▶︎ Case|UNICEF

ベトナムでは水質汚染が依然として深刻な問題となっています。これは汚染された川沿いで生活する子どもの写真ですが、至るところに「シミ」のようなものができていることがわかります。

それもその筈、実はこれは汚染された川の水を使って現像されたもの。水質汚染がいかに人体に影響を及ぼすのか訴えるUNICEFの広告。

48. あなたは、本当に人間ですか?

▶︎ Case|Greenpeace

"Confirm Humanity"(人間であることを確認してください)
"I'm not a robot"(私はロボットではありません)

環境保護団体グリーンピースがメキシコで展開した広告。スパムなどを防ぐ目的で導入されるreCAPTCHAの画面を用いて「人の心があるなら、寄付のご協力を」というメッセージを発信しました。

49. もしも危険生物がいなくなったとしたら

▶︎ Case|WWF

トルコで展開された自然保護団体WWFの広告。砂漠や海にヘビやサメといった生物が生息していることは恐ろしいですが、実は彼らがいない世界の方がよっぽど怖いのではないかと我々に問いかけています。

"Exploiting the ecosystem also threatens human lives."
(生態系の搾取は同様に人命を脅かす。)

50. 「2043年」を代表する色

▶︎ Case|The Raccoons

The Raccoonsによって制作された珊瑚礁保全の啓蒙広告。米パントン社が発表した2019年の色は「Living Coral(サンゴ色)」でしたが、環境汚染に伴う珊瑚の死滅がこのままのペースで続けば、2043年の色は「Dead Coral(サンゴの死骸色)」になっているかもしれないと警告しています。

51. 自然破壊のリスク

▶︎ Case|WWF

自然保護団体WWFの広告。シンプルですが言いたいことはよく伝わってきますね。

52. 因果応報

▶︎ Case|Global Coalition for Peace

世界平和を訴える米NPO「Global Coalition for Peace」が2008年に制作したイラク戦争に対する反戦ポスター。

「戦争における暴力は繰り返される」という負のスパイラルを表現したもので、クリオやOne Showなどの世界的広告賞を数多く受賞しました。

"What goes around comes around."
(因果応報)

最後までご覧いただきありがとうございました。