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ワーケーション × デザイン思考「インスピツアー」ができるまで

こんにちは、インスピラボの宮入です。
インスピラボを名乗る前は、キザッシャーズのパッカーとして「vol.3 ワーケーションは会社をどうかえる?シロクロはっきりさせない環境から得たキザシ」を書きました。
今回は、インスピラボとしての活動をスタートする以前の記事「vol.1 会社の仲間と息子で拡張家族として、江田島でワーケーションをしてみた」から、なぜ、デザイン思考の実践の場として「インスピツアー」を実施したのかをお話しできたらと思っています。


江田島から得たキザシとインスピレーション

私たちが江田島へ「ワーケーション」に訪れたのは2021年の3月のこと。
ニューノーマルな新しい働き方を模索する中で、じゃあ新しい働き方をやってみよう!と決意し、 インスピラボのメンバー(3名)とメンバーの息子ユートくんの4人で広島県の離島である江田島市を訪れました。

様々な観点でキザシを得たのですが、その中でも私にとっての発見は・・・
“ワーケーションは、楽しく”慣れ”から脱却し、仕事に刺激を与える手段”ということです。
江田島市で出会った人々の仕事への向き合い方、同僚と過ごしたオンでもオフでもない時間、その地域ならでは課題と体験。この経験すべてが、私にとって特に必要な気づき(自分は何をしたいのか?自分にできることは何か?という問いかけ)となりました。そして、このワーケーションで得られた素晴らしい体験を会社に持ち帰り、多くの人にしてもらいたいと思い「インスピツアー」を企画することに繋がりました。

このワーケーションで得た全てのキザシについては、是非 vol.1~vol.4 までを読んでいただけたら嬉しいです。

さらに、noteに書く前のフィールドノート(生データ)はこちらです。

ワーケーション × デザイン思考 から生まれた地域滞在型研修というカタチ

ワーケーションで得た素晴らしい体験と気づきをどのように社内に届けたらよいのか考えている中で、ふと、「ワーケーション」と「デザイン思考」は相性がいいのでは?と思いました。

なぜなら、私たちデザイナーの行うリサーチ活動(エスノグラフィの視点)がワーケーションとして地域に滞在しフィールドワークすることに非常に似ていると感じたからです。この視点は、「デザイン思考」をはじめていく上で重要な「共感(Empathize)」「定義(Define)」に大きく関係します。見知らぬ土地での人々との出会いと体験が、生きた「デザイン思考」を社内に広めるために手助けになると、デザイン思考の実践研修というカタチでツアーを企画し、参加者の募集することになったのです。

ツアーだから、江田島だから、得られるインスピレーション。
インスピツアーへの参加者を募集する際に出したメッセージ

インスピツアー ~参加者の好奇心がドライブする瞬間~

インスピツアーの社内公募には、30名を超える方々からのご応募がありました。応募してくださった方々の参加動機・また職種や所属などを考慮して、とてもバラエティ豊かな9名が参加者として決まりました。
参加者は、広島県を担当する営業職から、システムエンジニア、普段は小山工場に勤務する方など、これまでの背景や所属はバラバラですが「地域の課題を自分で発見し解決したい」や「デザイン思考を実践してみたい」などの期待をもって集まったメンバーでした。

地域課題を探るフィールドワーク(牡蠣養殖場、オリーブ農園、空き家コミュニティ)

ツアーではフィールドワークとして3チームに分かれ、それぞれ牡蠣養殖場、オリーブ農園、空き家を利用したコミュニティスペースといった「江田島ならでは」を体感できる場所をまわり、現場で働く方々にお話を聞かせて頂きました。​​​​​​​最初はどこか不安気で堅かった参加者の顔つきが、リアルな現場を体験し、また余暇の時間で江田島の方々と交流を深める中で、自分の中にやりたいことが見つかりイキイキとした表情に変わっていくのを感じました。ツアーの最終日には、デザイン思考のアイディエーションメソッドを活用しながら、発見した課題に対するアイディアやユーザーに対する価値をブラッシュアップし、江田島市役所と地域で街おこしをするフウドの方にプレゼンをしました。

参加者の発表を元に作成したグラフィックレコーディング

ツアー後のうれしい連鎖と今後の期待

ツアーを終え、改めて「ワーケーション」と「デザイン思考」は相性がよいということを確かめられました。なぜなら、私が初めて江田島でのワーケーションで感じたように、参加者が一人ひとりが課題を見つけ、自分にできることを探し、それを行動に移すことが出来ています。
例えば、江田島市との関係性をインスピツアーだけでなく継続していくために、ツアーに参加した広島県担当のビジネスプロデューサーと共に社内に働きかけることで、富士通は広島県江田島市とワーケーションパートナーシップ協定を締結することができました。また、これまでの協定式とは違い、江田島市の海を再現したVR空間をつくることで、インスピツアーに参加したメンバーが集まり一緒に祝うことができ、江田島でそれぞれの想いが繋がっているなぁと感じる瞬間でした!

ワーケーション協定の様子(江田島の海の中に建つVR空間)
https://www.facebook.com/etajimacity/posts/6047704495282315/
社員食堂で江田島の大豆うどんが提供された日、みんなで集まって食べました!

その他にも、それぞれのメンバーが江田島から得た「好奇心」や「刺激」を仕事に活かそうとしています。それが、今はたとえ小さな芽だとしても、「発見した課題」に対し「自分にできることは何か?」を自ら考えるということが大事なんだと感じています。
これからも江田島との繋がりを大切に、参加者ひとり一人のの素敵なインスピレーションが、さまざまなところで繋がって、いつか大きく育っていくことを楽しみにしています。

最後に、2023年6月に「幸せに働くためのインスピレーション」というレポートを発行しました。今回、このnoteを書きながら、改めて「江田島でのワーケーション」に働き方や組織や仲間づくりの観点でインスピレーションを得ている部分が大きいなぁと感じました。インスピラボの活動を通して、インスピレーションを受け取るだけではなく、ひとりでも多くの人に未来のインスピレーションを与えられるように発信にも力を入れていきたいです。

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