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六本木クロッシング2019展:つないでみる

表題の展覧会を見てきたので、
そちらのレポートをします。

僕が面白かった作品は2つ。

1つ目は、
《デコレータークラブ―ピンクの猫の小林さん―》by飯川雄大。

一言でいうと、超巨大な猫の置物

キャプションには、
「この猫は写真に全身を収めることができませんよ」という意味の記載がある。

試してみたが、たしかにうまく収まらないサイズ。

鑑賞者自身が感じた驚きを、写真に収められない、
ということを狙っている作品らしい。
(実際の見た目の発色が、スマホのカメラでは再現できていないことも狙い)

タイトルについて、作者は、このように語っている。

「デコレータークラブ」とは実在する蟹の名前なんです。
擬態するために海藻や小石を身につけていて、
岩場なんかに紛れて生息しています。
なので一瞬見ただけでは分からないのですが、目を凝らすと存在している。
だから、見つけた瞬間は誰もが「あ、何かいた!」と驚くんです。
そして一度、蟹の存在に気づいた人はもうそこに蟹がいるようにしか
見えなくなってしまう。
でも、それを写真に撮ったとしても、
見せられた人はどこにいるのかまったく分からなかったり、
見つかったとしてもさほど感動してもらえなかったりする。
そんな「衝動と伝達」にまつわる象徴としてタイトルにしています。

この現象は、映える写真をシェアしまくっている現代人への“問い”と
捉えることができる。

料理が出てきても、ひとまずパシャ!
観光地についたとたんに、ひとまずパシャ!
そして、シェア、シェア、シェア。。。
でも、当人の感動をしっかりとシェアできているのかは、正直怪しい。

・当人が経験した感動は、写真にはおさめられない

というメッセージととれる。
でも、この猫は共有したくなる。。
(かく言う僕も、共有してしまった。。)

僕は、この猫が、
「写真におさめられない感動はあるけれど、別にそれでもいいじゃない。」
というセリフを言っているような気がした。。

2つ目は、
《景体》by目。
こちらは、次回の記事にて。

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