水戸芸術館で行われている展示、
『霧の抵抗』by中谷芙二子さん
について書きたいと思います。
※展示期間は本日までとなっております。

中谷さんといえば、霧を発生させる作品で有名（霧の彫刻）です。

大阪万博から始まり、世界各地で霧の彫刻を発表されている巨匠の一人。

展示は、屋外のインスタレーションから始まり、
霧の彫刻のスケッチなどの制作プロセスや、プロポーザルが展示されています。

アーティストとしてすばらしい姿勢だなと思ったのが、
環境にやさしくするため、霧の成分を水のみにしたこと。
作品を作るために、環境汚染に手を貸していたら、なんか自分勝手すぎる。
地球にやさしいまなざしは、作品のクオリティまでを上げます。
（見る方も、背筋が伸びますね）

興味深かったのは、その水のみを使う特注のノウハウが、別の分野に及んだこと。
アートから発信した装置が、今や農薬を巻く機材に使われていたり、
別のテクノロジーに転用され昇華されているということは、希有な例だと考えます。

徹底的に突き抜けたクリエーティブの力は、
世の中を刺激していくんだなぁ、と改めて思った次第です。