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「3年生は最後のチャンス」——“独学デザイン”を武器に大手IT企業に内定したTraimmu・澤田有美の長期インターン体験記

アルバイト・サークル・就活に加わる新たな学生生活の選択肢として注目されている「長期インターン」。就職活動を意識して、社会人経験を積むことができる長期インターンに挑戦する学生が増えています。

今回取材した東京理科大学4年生の澤田有美さんも、そのひとり。株式会社Traimmuにデザイナーとして長期インターンに参加し、もうすぐ1年が経つそうです。

彼女はデザイナーとして大手IT企業に内定していますが、デザイナーという職業を知ったのは、大学2年生のころ。「3年生になるまで、スキルはほとんどなかった」そうですが、今では会社を支える立派なデザイナーとして大活躍しています。

そんな彼女に、「実際どんなことするの?」「就職活動の役に立つの?」などなど、長期インターンのあれこれについてお話を伺いました。

「活き活きと働くこと諦めていた」私を変えた、デザインとの出会い

—— デザイナーとして大手IT会社の内定を獲得された澤田さんですが、大学3年生の夏まではデザイナー未経験だったとか。未経験者から内定に至った、就活の秘訣を教えてください。

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澤田さん:私が第一志望の企業から、デザイナーとして内定をいただけたのは、、一言でいうと長期インターンで得た経験のおかげです。なぜなら、長期インターンを通じて、デザイナーとしての技術力を伸ばすのはもちろん、「デザイナーとして会社で働く自分」を具体的にイメージすることができたからです。

—— 長期インターンをしていなかったら、デザイナーとして働く自分を描けなかったということですね。

澤田さん:現在通っている大学でデザインを勉強しているわけでもないですし、高校生の頃はやりたい仕事や学びたい学問もなく、「就活に活きそう」という浅い理由で情報系の学部を選びました。

大学に入学後した当初は、同じ学部の人の多くが希望するSEやSIerとして働くことをを目指していました。今振り返ってみると、「心からやりたいと思える仕事など、どうせ見つからない」と、活き活きと働くことを半ば諦めていたのかもしれません。

しかし大学2年生になり、将来について真剣に考えているタイミングで、「デザイナー」という職業を知り、考え方が大きく変わることになります。自分たちで練った企画をカタチにし、それに対するフィードバックや評価を目に見えて知ることができるという点を魅力に感じ、人生で初めて心からやりたいと思える仕事に出会うことができました。

無難な自分を取り払い、初めて芽生えた自分の意志に従う決意が固まってからは、最低限必要なコーディングスキル、HTMLとかCSS、photoshop、illustratorなどの使い方は、独学で勉強しました。

知識も技術もない私が選んだのは「長期インターン」という近道

—— デザイナーを目指すにあたり、独学ではなく長期インターンという選択肢を選んだ理由はありますか?

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澤田さん:「効率がいい」と思ったからです。はじめは独学でスキルを身につけていましたが、一人きりではモチベーションを保つことが難しく、さらにはコーディングなどで詰まってしまったときに頼る相手がいないことが、想像以上に大変だったんです。。ちょうど、2年間続けたアルバイトに物足りなさを感じ始めていたタイミングでもあったので、長期インターンをしようと考えるようになりました。

—— 長期インターンについては、もともと知っていたんですか?

澤田さん:2歳年上の姉が長期インターンを経験していたこともあり、長期インターンの存在は常に頭の片隅にありました。しかし、初心者のままでは、デザイナーとして雇ってくれる会社はありません。そこで、大学の授業が落ち着く3年生の夏から長期インターンをはじめることを目指して、2年生のうちに基本的なスキルを習得しておくことにしたんです。

—— 澤田さんが長期インターン先として選んだTraimmuには、当時デザイナーの社員はいませんでした。スキルの向上を目的とした長期インターンだったにもかかわらず、なぜTraimmuで働くことを選んだのでしょうか?

澤田さん:Traimmuを選んだ理由は2つあります。1つ目は、最低雇用期間が「12ヶ月」 だったことです。自分で決めたからには、責任持ってやり遂げたいと感じていたので、大学卒業近くまで継続出来るという点は、私にとって大きな魅力でした。

2つ目は、募集要項に「仕様から考えて、デザインやコーディングをします」とも書かれていたことです。そもそも「自分で考えた企画をカタチにできる」という点に魅力を感じてデザイナーに興味を持ったので、切り出された業務だけでなく、企画まで踏み込める業務内容に興味を持ちました。入社後は、サービスの企画に関わったり、社員さんと広告の打ち方を考えたり、上流工程からお仕事ができています。「若者の価値を最大化する」というビジョンにも賛同しているので、「私の業務が会社のビジョン達成を支えている!」という実感もあり、すごく仕事が楽しいです。

デザイナーの社員さんはいませんでしたが、社外のデザイナーさんがメンターとして私にデザインを教えてくれたので、社員がいないことはやめる理由にはなりませんでしたね。

—— なるほど。Traimmuこそ、澤田さんの求める環境そのものだったんですね。それにしても、デザイナー未経験で長期インターンの世界に飛び込むことは、大きな不安や困難があったと思います。入社してから今まで、大変さを感じたことはありませんでしたか?

澤田さん:もちろんありました。一番大変だったのは、コーディングで行き詰まったときです。お給料をもらってデザイナーの仕事をしているにもかかわらず、自分のスキル不足のせいで、一つの仕事に時間がかかってしまうことに罪悪感を感じることが多々ありました。デザインの場合、とりあえず自分で試作することができますが、コーディングは一度行き詰まったらなかなか抜け出せません。「自分はお給料に値する仕事ができていないのではないか」とつらく思うこともありましたね。

ただ、エンジニアなど他業種のインターン生に相談できるようになってからは、以前より気軽にお仕事できるようになりました。抱え込んでいても仕方なく、相談しながらでも業務を進めることが何より重要だと気づいたからです。

「デザイナーは私しかいないんだ」という責任感を持ちながら、それでいて「困ったらすぐ相談する」というフットワークの軽さが身に付いてからは、何事に関しても常にハイスピードを目指す意識が芽生えました。

—— デザイナーになること自体を諦めようと思ったことはなかったんですか?

澤田さん:自分の実力のなさに悲しくなったり、落ち込んだりすることもありました。でも、それが理由でデザイナーを辞めようと思ったことは一度もありません。

これはひとえに、社員さんの全面的なサポートのおかげです。常に私の精神面の健康を気にかけて声をかけてくださったり、デザイナーとしての私個人の成長のため、独学する際に使える記事や本などを積極的に教えてくれたり。こんなに良い環境があって、「デザイナーになるのは、無理かも」なんて、くじけている場合ではないと思ったんです。

逃げ道のない逆算の就活が、夢の解像度を上げる

—— 澤田さんがデザイナーとして長期インターンをはじめたのは大学3年生の夏、ちょうど就職活動をはじめる時期ですよね。そのころには、すでに希望の職種はデザイナーに絞っていたのですか?

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澤田さん:いえ、絞り切れていませんでした。それどころか、デザイナーは選択肢の一つでしかありませんでした。さまざまな業界の説明会に足を運ぶなかで、デザイナーになりたいという想いは強くなるばかりでしたが、どうしても自分のスキルに自信が持てなかったんです。特別求められるスキルのない総合職、特に広告業界は最後まで逃げ道として残していました。

—— どこかで、デザイナーに絞るきっかけはあったのでしょうか。

澤田さん:きっかけとなったのは、社員さんとの1on1です。そこでかけてもらった一言のおかげで、デザイナーを目指す自信がつきました。

就活について尋ねられた際、私が広告業界のインターンにいくつか参加した旨を伝えたところ、その社員さんにかなり驚かれたんです。「デザイナーを目指さないともったいないんじゃない?」と言葉をかけていただきました。

まだデザイナーの卵でしかない私に対して、そんなことを思ってくれていることが嬉しく、デザイナーに絞って就職活動する決意を固めることができました。

—— 一般的に就職活動において重要なのは、企業選びの基準、すなわち「就活の軸」を明確にすることであると言われています。しかし「就活の軸」など、そう簡単に決められるものではありません。澤田さんが企業を選ぶ上で大切にしていた基準があれば、その軸が明確になっていった経緯も含め、教えてください。

澤田さん:企業選びの軸は、「デザイナーが企画段階から関わることができるか」と「自分にとって成長できる環境であるか」の2つです。

これらを考えるようになったのは、どちらもTraimmuでの経験が関係しています。長期インターンをしていて、サービスの企画から携わったり、自社の誇れるサービスをよりよく改善していったりする楽しさを知っていたので、私は受託が主たる業務の制作会社ではなく、自社サービスを持つ事業会社に就職しようと考えました。

「自分にとって成長できる環境であるか」を就職活動の軸にしていた理由は、まだ私がデザイナーとして未熟だから。上司にフィードバックをしてもらえる環境でなければ、これからの成長速度が遅くなってしまうだろうと考えてのことです。

“無難”を脱する小さな一歩で、まだ見たことのない“圏外”へ

—— 澤田さんは、「長期インターンをしてよかった」と思いますか?

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澤田さん:心からそう思います。Traimmuで出会った社員さんやインターン生は、みんな挑戦的です。常に新しく、より良いものを追求し続ける人々のいる環境に自分の身を置くことで、無難に生きてきた自分の存在の小ささを実感することができました。学校やサークルなど、周囲の学生と同じように生活しているだけでは、自分の世界は一生広がらなかったと思います。

環境の変化は不安を伴うものです。「安住できる場所にずっといたい」と思ってしまう人は少なくないでしょう。その実私も、大学入学当初は周りと同じように、無難な職種を目指すつもりでした。

しかし、大学3年生のときにした挑戦によって、自分の人生を変えることができています。自分たちが信じる価値を、熱い想いをもって実現しようとする社員さんの姿を目の当たりにし、将来ありたい姿について考えることができました。

もし、今後インターンをしたいと考えている人がいたら、「とりあえず行動してみて!」と伝えたいです。「行動こそが、自分の考え方を変える第一歩になる」と、Traimmuでの経験を経て、確信しました。迷っているなら、その直感を信じてほしいです。

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