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"I will follow him."

映画『天使にラブソングを』はご覧になったことありますか?
日本では1993年に劇場公開されました。"I will follow him"はその1シーンで歌われる曲です。

ウーピー・ゴールドバーグが殺人事件を目撃して修道院にかくまわれるクラブ歌手の役を演じているコメディ映画です。当時はめっちゃ流行ったなぁ。私もこれは劇場で見たかも。

なぜ今さら『天使にラブソングを』かというとこんな記事を読んだからです。

この曲は英語だけじゃなくて、仏・独・伊で歌われているんですって。知りませんでしたね〜。記事ではドイツ語だけ暗い別れを示唆するような歌詞だ、ということでした。

そうですね……私は第二外国語がドイツ語でした。確かにドイツ語には他の欧州言語と比べて、「暗い、重い」というさながら重装歩兵団のようなイメージがあるのも確かですが、別に楽しい曲だってあるもんな。音楽にもそう詳しくない私にはその背景をうかがい知ることはできません。

ですが、元々の "I will follow him"という曲のYouTubeがとてもいいと思いました。理由は、「ちょっとした発音の練習になりそうだから」です。

英語の発音を学ぶには、英語の音をいかにたくさん耳に入れるか、が大切なことなのですが、アメリカやイギリスなどネイティブ環境の国に住む(=留学するetc.)とか、ネイティブの友だちを作って話す、などではなく、自分で一人でできるインプットとなると、まず

・英語のニュースを聞く

となるかと思いますが、国際ニュースなんてぜ〜んぜん興味なかったら聞く気になりませんよね? 私だって英語の上達には数式の理解が欠かせない、とかだったら、今ごろ通訳になんかなってません!笑笑

では他には、となると、

・TVドラマを観る
・映画を観る

といったものが考えられます。

私が英語を学んでいた頃はインターネット前の時代からようやく黎明期ぐらいに当たる頃。当時は生の英語に触れる音源がかなり限られていたので、映画やドラマから学ぼうとすれば録画した番組をせっせと巻き戻し再生しながら聞くしかありませんでした。

『ER救急救命室』といったドラマを必死でディクテーションしてましたっけ。懐かしい思い出です。

それが今ではパソコンでNetlixやAmazon Prime、U-NEXTなどのストリーミング配信のサービスを簡単に見ることができるし、字幕まで数カ国語で出し放題だったりする訳ですから、なんと環境が恵まれていることでしょうか。

そして、発音ということを考えると、

・音楽を聴く

という方法があります。そして発音を自分で練習しようとするならば、おそらく音楽が一番効果的ではないか、と私は思うのです。

もちろんこれも音楽好きなら、という限定条件はつくかもしれません。現に私自身も特に洋楽好きという訳ではないので、音楽で発音を上達させたのではないです。

でも歌なら、

・手軽に口ずさむことができる=発声の練習になる
・英語独特の英音法を強制的に身に付けることができる

という利点があるのです。

最初の手軽に口ずさむことができる、というのは分かりますよね。好きな歌手の歌を鼻歌でついつい歌ってしまうことって誰でも経験あるかと思います。ここで重要なのは、「手軽」というところです。テレビもビデオも要らない、耳だけ音源を聞いていればよいのです。車の運転中でも、家事をしながらでもオッケー、なんといってもお手軽です。

この点では「耳勉強」、つまりオーディオブックで本を読むことと似ていますね。Podcastでも他の音声配信番組でも同じ事が言えます。音を聞きながら口に出して発声するトレーニングを「シャドーイング」と言い、元々は通訳になるための方法とされていましたが、一般の学習者でも大変有効な学習法です。

ただ、音楽の場合、文章を聞くのとは大きく違う点がひとつあります。それは、リズムに合わせて発音しなくてはならない、という点です。シャドーイングも同じ時間で元の音声についていかなくてはならないので時間的制約はありますが、それよりも歌の方がリズムに合わせるため、発音しやすいのです。

そしてこれは2点目につながっていく点ですが、そのときに自然と英語の音のルール(英音法)を理解することができるのです。

先ほどの"I will follow him"の動画を見てみてください。

二番目あたりの歌詞が出るあたりで、

"There isn't an ocean too deep"

とあります。ここはけっして

「ゼア イズント アン オーシャン ツー ディープ」

なんて歌うはずはないですよね?
Thereと次のisn't はつながって「ゼアリズントゥ」という感じになります。これを英音法で「リンキング」と言います。「連結する」という意味合いですね。

次のisn't からanも、さらにan からoceanもリンキングが起こるので、ここは「ゼアリズンタノーシャン」と聞こえます。もちろんカタカナでちょっと大袈裟には書いていますが。

というか、こうやって読まないと歌のリズムに追いつけません。だから鼻歌交じりとしても、英語の音法を強制的に身に付けることができるのです。

こういった英音法としては他にも「アシミレーション」「フラッピング」「エリジョン」「ウィークニング」「ネイザル・リリース」など大切なものがあります。なんせ発音については、自分で言えなくては聞こえないのです。

音楽が好きな人なら、こういった音楽をその通りに歌うことでもとてもよい発音練習になりますよ。

英音法については、私のイチ押し英語学習ドリル『英語のハノン初級』の最初のUnit0部分で学習してくださいね。

書籍版をぼろぼろに使い込むのもいいですが、いつでもどこでも見られるようにKindle版もオススメです。

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