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問題行動について考えてみました

あけましておめでとうございます。
昨年は記事更新ペースがとてもとても遅くなりました。

今年もそんな感じで進みそうですが
本年もよろしくお願いいたします。

先日ホームページの閲覧数が増えない事についての悩みを友人との電話でポロっとつぶやくと
「少ないゆうても、ゼロじゃないんやろ?」
「見に来てくれている人に何ができる?」
「何を提供できるか?」
「考えてみ」
「ただの営業(依頼募集)ページでも見に来てくれてるんやから」
と助言してくれました。

この友人なんでもプラスに変換してくれるので、いつも助かっています。

今回の記事は「お土産PDFファイル」として作成した「問題行動について」と同じ内容になります。

更新速度が遅く長期で放置してしまう事もありつつ約4年このnoteも続ける事ができました。

ありがとうございます。

お土産です。

ー問題行動についてー

「うちの子しつけが出来ていなくて。。。」
「問題行動が多くて困ります。。。」

よく聞く言葉ですよね?

では、質問いたします!!

「犬の問題行動とは、どのような行動の事ですか?」

「突然吠えること?」
「トイレを覚えないこと?」
「甘噛み?」

・吠え
・トイレの失敗
・かみつき

しつけ相談で受ける事の多い3つの行動です。

しかし、この3つの行動は犬にとっては問題行動ではなく「当たり前の行動(自然な行動)」です。

吠えることは犬の意思表示です。

犬は決まった場所で排泄しなければいけないとは考えていません。

犬は口を使いいろいろな事を学びます。

・吠えること
・トイレで排泄しないこと
・咬むこと

犬にとっては自然(当たり前)な行動です。

しかし、人間にとっては「問題行動」ですよね?

「問題行動」であれば、しつけ・トレーニングでの対象になる行動です。

犬にとって「当たり前(自然)な行動」であっても、人間と暮らす上では「問題行動」になる場合があります。

問題行動になる「場合」がある。
「場合」なんです。

「この行動(吠え・トイレの失敗・かみつき)が必ず問題行動だ」とはなりません。

「共に暮らす人間(飼い主)の感じ方」と「犬が生活する社会環境」によって、「問題行動になる場合」もあれば「問題行動にならない場合」もあります。

集合住宅などで暮らす犬にとって、「警戒吠え」は「無駄吠え(騒音)」と呼ばれる問題行動の場合がほとんどです。
※日頃警吠えをしない犬が突然、吠えた場合などは異常を知らせる好ましい行動になります。

人口の少ない田舎などで暮らす犬の「警戒吠え」は「人間と野生動物の生活空間を分ける番犬仕事」となり問題行動とはならない場合があります。

同じ行動でも「場合」によって変わります。

問題行動とは人間にとって都合の悪い行動のことです。

犬の自然な行動を「問題行動か?問題行動ではないか?」人間都合で認定した犬の行動が「問題行動」です。
※問題行動には遺伝的障害や病気・加齢によって発現した行動もあります。
このような行動は治療・ケアの対象になるため、しつけ・トレーニングでの「問題行動」とは分けて考えてください。

犬にとって自然で当たり前な行動を人間の都合で「問題行動」と認定し修正する作業がしつけ・トレーニングです。

問題行動は「犬にとって自然な行動だから、そのままにしておいて良い行動」ではありません。

人間社会で「問題」と認定された行動をそのままにしておくことは犬にとって不幸な結果になります。

必ず「しつけ・トレーニング」は必要です。

「しつけ・トレーニング」は必要ですが、犬にとって「自然な行動」を「不自然な行動」に人間都合で変化させる作業だと言うことを念頭に入れておいてください。

まずしつけ・トレーニングを始める前に、「この子にとって何が問題行動になるのか?」考えてください。

「この行動を覚えることは、この子にとって不幸な結果になる」と修正するべき行動を決めて「問題行動」と認定してください。

「問題行動」を認定した後は、「問題行動に変わる好ましい行動」を考えます。

警戒吠えなら「吠えずに飼い主を見る(アイコンタクト)」

好きな場所での排泄なら「決まった場所(トイレ)で排泄する」

甘噛みなら「咬まなくても遊ぶことが出来る方法(人間と遊ぶときのルール)」

問題行動を「辞めさせる・なくす」事だけ考えるトレーニングでは自然な行動を辞めさせられる犬にとって「何をしたらよいか」答えがわからず混乱します。

必ず「何をしたら良いのか」正解行動を教えてください。

「行動を消去する」のではなく、「問題行動を正解行動で上書き」してください。

「問題行動」を「正解行動」で上書きする方法を考えてください。

「上書きする正解行動を教えるためには、どう言った方法を使えばいいのか?」

その方法を考え実行することが、しつけ・トレーニングになります。

現在沢山ある、しつけ方法・トレーニングテクニックは「正解行動を教える」ために考え出された方法・テクニックです。

答え(正解行動)を教わってもいないのに、
「NO!!」「NO!!」
「ダメ!」「ダメ!」
だけで問題行動を修正する事は、犬にとってあまりにも不親切です。

問題行動修正は「正解行動を教える」作業です。

「それはわかった」
「具体的にはどうすればいいの?」

問題行動に悩んでいる飼い主さんにとっては「どうすればいい」が重要ですよね。

テクニック(方法)はたくさんあります。
ネットでも、しつけ本でも調べれば大量に出てくると思います。

さらに出てくるテクニック(方法)は、よっぽどの事がなければ「すべて正しい方法」です。

しかし、その「正しい方法」を行っても問題行動が解決しない場合もあります。

なぜか?

テクニック(方法)に「正しい・正しくない」はなく「あう・あわない」があるからです。
※「あう・あわない」は依頼するトレーナーにもあります。
飼い主さんと愛犬に「あう」トレーナーを見つけてください。

家の子の性格・生育歴・生活環境・飼い主の性格・・・etc.

たくさんあるテクニック(方法)から「あう・あわない」を探し出す必要があります。

「あうテクニックを探し出す」お手伝いが私たちトレーナーの仕事の本質だと個人的には考えています。

「あう・あわない」を探す作業は、その子を実際に見る必要があります。

文章だけでお伝えするには限界もあります。

ここまで読んでいただけたお礼もかねて、全てのテクニックに共通する理論・理屈をお伝えして今回は終わろうと思います。

「正解行動を教え上書きする事が問題行動の解決方法」だと先ほど書きました。

「教えるって?」
「どうするの?」

「オスワリ」を教える(トレーニングする)理論・理屈と同じです。

「犬は自身の行動の結果で学習します。」
「行動を起こすためには叶えたい欲求があります。」

犬の学習理論になります。

「オスワリ」は犬座姿勢と呼ばれる犬にとって自然な行動になります。

「疲れたから休憩したい」など犬の叶えたい欲求が犬に「犬座姿勢(行動)」をとらせます。

「犬座姿(行動)勢をとると楽になった(結果)」で「疲れたら犬座姿勢をとろう」と学習させます。

「オスワリ」を教えるときは、この「犬座姿勢」の結果を変えることで「欲求」を変え、犬座姿勢に「オスワリ」と言葉をくっつけることが「オスワリを教える」トレーニングです。
※フードを鼻先に持って行き誘導する・お尻を押さえる等は「オスワリを教える」テクニックの1つです。

難しく書きましたが、飼い主さんは無意識に行っているはずです。

「犬座姿勢をとった瞬間」に「オスワリ」と声をかける。→犬座姿勢に「オスワリ」と言う音をくっつける。

「オスワリ(犬座姿勢)」したら「褒め」て「ご褒美」をあげる。→「休憩できた(結果)」を「褒めてもらえた(結果)」に置き換える。

「オスワリ」したら(行動)良いこと(結果)があった。→学習

「オスワリ(行動)」すると「良いこと(結果)」がある(学習)。
「良いこと(結果)」がほしい(欲求)から「オスワリ」する。→「欲求」の変化。

「犬座姿勢(行動)」の「欲求(疲れた)」と「結果(楽になった)」を「結果(ご褒美・褒める)」を変えることで「欲求(ご褒美ほしい・褒めてもらいたい)」に変化させ「オスワリ(行動)」を変える。

「オスワリ」を教えるトレーニングでの理屈・理論です。

「犬は自身の行動の結果で学習する」

この学習理論をうまく利用することがドッグトレーニングのポイントになります。

「問題行動」を修正するしつけ・トレーニングも「オスワリを教える」方法と基本は変わりません。

「問題行動」の「欲求」を叶える方法を「結果」をコントロールして「正解行動」に置き換える。

「オスワリ」を教えたときと同じです。

トイレを例に挙げましょう。

「好きな場所で自由に排泄する(行動)」が犬にとって当たり前の行動です。

排泄行動そのものに「排泄したい(欲求)」と「すっきりした(結果)」があります。

これらの「欲求」と「結果」は生理的なものなのでコントロールする事は出来ません。

このような場合は結果を置き換えてコントロールするのではなく「すっきりした(結果)」に「褒める・ご褒美」などで新たな結果をプラスします。

まず、「正解行動」を決めます。

トイレトレーニングの正解行動は「決めた場所での排泄」です。

次は正解行動が起きやすい「環境」を作ります。
※「起きやすい環境」とは失敗場所にあらかじめシートを敷くや自由に動くことが出来る範囲を制限するなど「褒める」行動が出やすい環境の事です。

偶然の1回でもかまいません。

シートの上・トイレの上で愛犬が排泄したらすぐに「褒め」て「ご褒美」を与えます。

逆に決めた場所(シートの上・トイレの上)以外で排泄した場合は「無反応」を貫いてください。
※「そこダメ!!」「こら!!」「何でそんなとこでするの?」などは、「排泄した(行動)→何か言われた(結果)」と失敗場所での排泄に意味を持たせてしまいます。

声かけを「褒めてもらえた・反応してくれた」と犬が誤解して「結果」を受け止めた場合「失敗場所での排泄が良いこと」と学習します。

逆に声かけを「怖い・しかられる」などネガティブな「結果」として受け止めた場合「排泄行動そのものが悪かった」と誤解し「体調不良になるまで我慢する・隠れて排泄する・隠す目的での食糞」など新たな問題行動を学習する機会を与えてしまいます。

正解行動ができた場合は「褒め・ご褒美」を与えることで「すっきりした(結果)」に「褒めてもらえた・ご褒美がもらえた(結果)」をプラスします。

失敗した場合は一切「反応」しないことで「すっきりした(結果)」以外を経験させません。
※「反応しない」とは「見ない」「ふれない」「声をかけない」「誤解させない」対応です。

同じ「排泄(行動)」の「結果」を排泄場所によって変化させコントロールすることで「すっきりした+褒めてもらえた・ご褒美がもらえた」と「すっきりした」だけと違いを与えます。

犬は自分にとって「損」か「得」かで優先する行動を選択します。

犬にとって「すっきりした」だけの結果よりも「すっきりした+褒めてもらえた・ご褒美がもらえた」結果の方が得になります。

犬にとって同じ排泄(行動)の結果を飼い主がコントロールすることで違いをつけます。

「得な結果」をもう一度味わう為には何が違ったのか?

犬自身が考え「排泄する場所が違う」と答えを出すサポートを「結果」をコントロールすることで行います。

その後「褒め」続ける事で習慣化(学習)させる事でトイレトレーニングが完了します。

人間がコントロールした部分は「結果」だけになります。
「排泄(行動)」そのものをコントロールしてはいません。
※「トイレへ誘導する」「フリーの前に排泄させる」等の対応も「褒めることが出来る(良い結果を与える)」テクニックになります。

犬のしつけ・トレーニングはターゲットとする問題行動によって方法やテクニックは変わります。

方法やテクニックが違っても利用する犬の学習理論は変わりません。

人間が行う対応の基本も変わりません。

・良い行動は「褒める」
・悪い行動は「反応しない」
・褒めることが出来る環境を用意する

「やってほしい行動(正解行動)」を「褒め」る事で「良い結果」を与え、「やってほしくない行動(問題行動)」は「反応しない」事でこれ以上「結果」を与えない。

「良い結果」による行動に対する「意味付け」

「無反応」による行動の「無意味化」

「自身の行動の結果で学習する」犬に対して行うしつけ・トレーニングの基本ポイントになります。

私が主催している「福路トレーナー教室」では飼い主さん自身が犬の学習理論(自身の行動の結果で学習する)を利用したトレーニングプログラムをたてることが出来るまでサポートいたします。

1つ1つの問題行動へのテクニックだけを伝える教室ではなく飼い主さん自身が今後愛犬の問題行動で悩まれた時に解決できる思考法を身につけてもらいたい。

そんな思いから「トレーニング教室」ではなく「トレーナー教室」と屋号をつけました。

読んでいただき、ありがとうございました。

私は出張型のドッグトレーナーとして活動しています。
本文でご興味を持っていただけたら幸いです。

呼んでいただければどこへでも出張いたします。
(長距離の場合は別途費用かかりますが。。。)

ご依頼いただけると嬉しいです。

福路トレーナー教室 東田崇史

2019年5月末に出張型ドッグトレーニングスクールを始めました。 犬と飼い主の関係づくりのお手伝いをモットーにやらしてもらっています。 アイコンタクト アイコンタクト とばっかり言う地味なトレーナーです