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極楽いぬ生活#4 犬種のちがい?

2002年から2008年にかけて「PEPPY」で連載していたものを再掲しています。

犬種のちがい?

わが家には3頭3種類の犬がいる。
各種1頭ずつしかいないので、これで犬種のちがいを述べるのはかなり乱暴な気もするが、それでも明らかな違いはある。特にレトリバーとテリア・シュナ勢との違いは顕著だ。どの犬もとても賢い。だが、レトリバーの賢さと他の2頭の賢さは全く違う。

レトリバーは万人が認める賢い犬だ。盲導犬はもちろん、警察犬や救助犬、介助犬としても活躍している。彼らの賢さははっきりと一つの方向を向いているように思う。『人の言うことをよく理解し、それに従う』方向だ。

実際、うらんを迎えたとき、飲み込みの早さに驚いた。家の中で粗相をしたのはわが家に来た最初の日だけだった。その後は、喜んでおしっこを漏らしてしまう所謂「うれション」はあったが(これは全国共通語?ちょっと不安)、時間を見て外に連れ出すと一度も失敗しなかった。スワレ、マテ、ツケ、なんでも大体2度で覚え、3度目には完璧だった。

言えばなんでもわかるようなので、お散歩しながらいろいろ話しかけた。前に出そうになれば「ちょっとゆっくり行ってよー」、呼び戻すときは「こっち来てー」。側から見ればちょっとアブナイ人だったかもね。

「あっちに行って」(こう言うと悲しそうな顔をする)
「もうちょっと下がって」
「もっと」
「ちがう、そっちじゃない」

こんな微妙な表現もすぐに理解し、従った。
この『従う』ってところがポイントだ。寛容で包容力がある。相手を受け入れる大らかさがある。ケンカしても必ず先に折れてくれるタイプっていうのかな。頼りがいのある犬だ。

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ココアも賢い。ひょっとしたら、いや、絶対にうらんよりも賢い。しかし、彼女の賢さは自分で考えて、判断して、行動するというもので、決して他人には左右されない。「アンタの言うことはわかるけど、そうするかどうかはアタシが決めるし!」って賢さだ。ケンカしても絶対に折れない。寛容?包容?受容?何それ?食べれるの?

こちらの言うことはよーく理解していても、それでアタシ何か得をするのか、アタシはそうしたいのか、考えた上でしたいようにしかしないのだった。

初期の『しつけ』にココアの『したいこと』などあろうはずも無い。彼女は何にも耳を貸さず、何一つ覚えようとしなかった。いや、何かを覚える場につかせることすら不可能だった。

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クーはやはりココア系だ。穏やかだけど自分の意志ははっきりしている。
どちらもとても自立した犬だ。全く原始の状態で、生き残るのはココアやクーのタイプだろう。ココアはさしずめ超おっちょこちょいなボスってところ。原始の状態ならね。

でも、今は文明の発達した現代。犬は人と共に暮らすほかない。
ココアの立場危うし!

いやいや、私はそんなアナタを愛しているよ。

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