同人誌における漫画と投稿用漫画のなにが違うかについての主観

今必死こいて投稿用漫画を描いています(と宣言することで自分を追い込んでいます)。

同人誌は中学校から現在まで10年選手以上なわけですが、投稿漫画を描くのはこれが初めて。

それで気づいたことについてちょっと書きたいと思います。

ちょっと箇条書きにすると、

1、ストーリーの具体性

2、キャラクターの感情表現

3、行動の理由

4、画面映え

5、わかりやすさ

これがだいたいの投稿漫画に求められる要素だと思います。画力??そんなもんは母親の胎内に置いてきた。というかそれは同人商業関わらず重要です。(マイナージャンルの二次同人を除く)

まず、「ストーリーの具体性」と「わかりやすさ」は密接な関係にあります。

具体的に主人公がなにをどうしているのかがわかりやすくないといけない。

それはキャラクターの感情表現であったり、行動の理由で描くわけですが、それだけじゃ足りないのです。

4の画面映え。これめちゃくちゃ重要です。

どんなに面白い漫画でも、コマ割りが単調だとつい流し読みしてしまいませんか?

最近では横割りの幅も一定な漫画も多くありますが、そういったものは大体日常系で、「四コマで描くような内容じゃないけど淡々と進めたい」というときに使う手法なので、いきなりそんなことすると二度とちゃんとしたコマが割れなくなる可能性があります(脅し)。

というか、人間って楽な方に流れるので「これで伝わるんだしこれでいいよね」ってなっちゃうんですよ。だから魅せゴマがちょっと大きいだけでコマは単調、ということになってしまう。

私は自他共に認める「魅せゴマの選び方が下手くそ人間」なのですが、それでもめくりと引きは注意してコマを割ります。

引きとは、左側のページ(全員が日本の漫画を読んでる前提で話すぞ!!!)の最後らへんで読者をぐっと物語に引き込み、「次のページは!?!?」とさせる手法です。簡単に言うと、一ページ丸々モノローグだったのに最後のコマに思わせぶりなセリフとか入ると「ん?」ってなりますよね。それです。

めくりは、その引きからめくった右側一コマ目もしくは大ゴマもしくは見開きで「おお!!!!」となる展開だったり表情だったりセリフだったり情景をいれることです。

これ、本当に初歩の初歩です。私は漫画を(もしくは漫画らしきものを)描いているときは必ずこれを意識します。

で、ここからが投稿用のときに考えなければならないことです。

まず、読みやすくて迫力のあるコマを割らねばならぬ。

ここではバトルものを例に出しましょう。わかりやすいから。

めくりと引きはわかってても、それに至るまでのコマが単調になりがちです。特に同人で自分の描き方が確立されてしまってる場合はそれをぶち壊すのは至難の技です。

変形ゴマってあるじゃないですか。ななめで割られてたりする。

あれを使うと勢いはでるんです。

でも、使いすぎるとごちゃごちゃしてしまう。みづらい。つまり、4と5をクリアできない。

変形させりゃいいってもんじゃないわけですよ。(私はジョジョが大好きなのですが荒木先生はあれでちゃんと読めるコマ割りしてるからすごいよな…)

で、コマには縦割りと横割りがあるんですが、縦割りはその名の通り縦に長いコマを割ること。横割りは横長のコマを割ること。

大体の漫画がメインは横割りなので横割りは読みやすい。だがしかし、横割りだとストーリーが淡々と進み過ぎてしまうんですな。

縦割りは心情を読み取らせるのに大変向いています。これが上手い先生は例えばオノナツメ先生とか。

でもバトルもので縦割りを入れようとすると大変難しい。なのであまりお勧めしません。

では横割りならいいのか?

それもNOです。

せいぜい2〜3コマの縦読みを入れてどーんと大ゴマを配置、というのがメジャーな手法です。

図解できないのがあれなんですけど、なんとなく今まで読んだ少年漫画を思い返してください。

スピード感のあるコマはやや変形で横割り、威圧感のあるコマは大ゴマで縦にそれを不安げに見る登場人物、というのが多くないですか?

これ、昔からあるってことは今でも有効な手法なんですよ。

ストーリーやキャラに関してはどう考えても第三者の意見より自分の意見を貫いた方が描き上がった後納得すると思うので(いいか悪いかは別)おいときますけど、コマの配置は「みやすさ」「わかりやすさ」「読みやすさ」すべてにつながるんです。

同人の場合はその人のストーリーやキャラや世界観や絵柄が好きで買うので、この限りではありません。というかコマなんて適当でも売れる人は売れます。

投稿用の漫画というのは、「自分のことを全く知らない人が読んでみてどう思ってくれるか」にかかっています。なのでペラ読みもされないような単調な漫画だと完全にNGなわけです。

ストーリーも「単純すぎたかな…」ぐらいの話でも、コマの見せ方でだいぶ変わってきます。

バクマン。にもありましたが、想像力の問題ですね。じっと授業を受けている主人公の目のアップが入ると、それだけで何か秘めたものを持っているように見える…(PCPの話です)なんてのもありました。

そう、間のコマも大変重要です。セリフのないコマですね。

バトルものは「バトルしてればいいんでしょー」と思いがちですが、セリフがないと「誰が」「なにを喋って」「なにをしているのか」がはっきりわからない場合があります。漫画を描く方はそれが不安だからバシバシキャラに喋らせてしまうわけですが、歯を食いしばって耐えているシーンにセリフはいらないですよね?表情で表現しますよね?

そういうわかりやすいコマじゃなくても、「動きがないようにみえる」コマが重要なファクターになっていることもあるのです。

例えば、剣戟の最中に防御している方が歯を食いしばって受ける。力で押される。そこで目のアップがはいったらどう思います?

「苦しいんだな」「なにか反撃のチャンスを狙ってるのかな」「まだ勝つ気だぞ」目の描き方でいろんな感想が生まれるんですよ。それだけ間のコマって大事なんです。

なのでこれから投稿漫画描く人は、棒人間に落書き程度の表情がついたものでいいので何パターンもネームを切ることをおすすめします。

その時は「キャラクターのどの感情をクローズアップするか」と「どの行動をメインで描くか」を頭に置いて作るといいと思います。

さて私もネームやらねば…。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?