人工知能の見る夢は AIショートショート集
読了。
現代の技術的観点からSF小説を集めるという、少し珍しい切り口のオムニバス。
わりと粒揃いな印象かしらん。
しかしもはやSFと現実はかなりクロスオーバーしてきてるなあ。
1行感想いきます。
・即答ツール 若木未生
いかにもなショートSF、ライト(軽)
・発話機能 忍澤勉
センチメンタルでウェット
・夜間飛行 宮内悠介
暗転、会話劇なのだがしかし自分の脳ではうまく再現できず。
・AUTO 森 深紅
あんまりSFっぽくない。おじさん小説って感じ。
・抜け穴 渡邊利道
ハードSF
・姉さん 森岡浩之
日常的SF、あっさりとした文体、喉越し。
・愛の生活 林 譲治
これもおじさん小説的SFかなあ、オチもふーん感あり。
・お片づけロボット 新井素子
新井素子の文章である。
・幻臭 新井素子
連チャン新井素子、ハッピーでもアンハッピーでもない着地。
・投了 林 譲治
AIもの、機械に魂があるとして描くか描かないかでだいぶニュアンスが変わるよね。
・シンギュラリティ 山口優
男性が描く女性アンドロイドってこんなだよねえ感があるぞ。(作者の性別は不明)
・魂のキャッチボール 井上雅彦
ビッグコミックに載ってそうだ。
・A氏の特別な1日 橋元淳一郎
少し寂しくて、少し美しい。
・ダウンサイジング 図子 彗
自意識の最小サイズ問題。
・僕は初めて夢を見た 矢崎存美
白昼夢系。悲しさというよりも寂しさだろうか。
・バックアップの取り方 江坂遊
コピーもの、落ちはありがちかなあ。
・みんな俺であれ 田中啓文
ちょっと拗ねた感じの話、便利便利と穴に落ちる。んだけど特にびっくりはしないかな。
・当業者を命ず 堀晃
ドライな作品、死が乾いている。
・アズ・ユー・ライク・イット 山之口洋
オールドファッションなSF、アシモフとか、少し星新一も感じる。
・アンドロイドJK 高井信
作者の意図したオチを理解できてないかもしれない。JKという言葉は嫌いなり。
・202X年のテスト かんべむさし
かんべむさしとは懐かしい。知性と振る舞いと自我。
・人工知能の心 橋元淳一郎
自意識としての心があるもののみが使用できるタイムマシンというのはなかなか面白くもあり、卑怯でもあるような。
・ダッシュ 森下一仁
そういう角度もあるのね〜作品。面白い。
・あるゾンビ報告 樺山三洋
哲学的ゾンビの話って、どうも露悪的な感じがしてイヤなのよねえ。
・舟歌 高野史緒
音楽を奏でるAIではなく聴くAIというのは良い視点だし今後こういう発想が大切になりそう。
・ペアチと太郎 三島浩司
+昔話かつちょいギャグ感があり楽しい。どうもAIのSFはダウナーになりがちな気がする。
・人工知能は闇の炎の幻を見るか 神坂一
掲示板に上がってそうな短編。いわゆる厨二病として語られる厨二病ってあんまぴんとこないんだよね。洋楽聞いちゃうとかはすごくわかるんだけど。
すげー頑張って書いた、ちかれた。