見出し画像

Cygamesが極めたソシャゲ「ウマ娘」の魅力について

パッションが上がらないと書かないで評判の犬です。

本日は激はまりしている「ウマ娘 プリティーダービー」について、書き殴っていきます。

なお、アニメ未視聴で単純にゲームでしかウマ娘に接触していない珍しい存在なので、そこんとこご容赦してください。土日に見終わりたいなぁ。

Cygamesの執念で生まれたウマ娘という寵児

Cygames(以降、サイゲ)といえば、神撃のバハムート(2011/9〜)から続くソーシャルゲーム(以降、ソシャゲ)を作り続けているゲーム開発会社だ。

ほぼ10年ほどソシャゲを作り続けているだけあって、彼らは自分達が作るモノを理解している。

そのソシャゲの雄であるサイゲが、そのノウハウを寸分も勿体ぶらずに五年かけてじっくりコトコト煮込んで煮こぼしておっとあぶねぇ冷まして裏ごしに裏ごしを重ねて出来たゲームが「ウマ娘 プリティーダービー」(以降、ウマ娘)なのだ。

画像1


快適なUI、厳選されたコンテンツ、何度も遊ばせるゲーム性、そして悪魔の囁きの如しガチャシステム。

ウマ娘はサイゲ集大成の一つと言えるだろう。

諸事情により当初のリリースから三年経ったウマ娘。
しかし、ウマ娘を世に送り出すというサイゲの執念により、ソシャゲ業界に激震が走るゲームとなったのである。

育成に特化したゲームシステム

ウマ娘ってなにがすごいの? と問われたら「育成が楽しいことがすごい」と答えるだろう。

それしかないからだ。むしろ、それだけで良いのだ。

パワ○ロのサクセスに似たシステムをウマ娘というキャラクターゲームに落とし込んでいる、と言えば分かる人には分かるかも知れない。

だが、この方式をソシャゲに持ち込んだからこそ、これまでのソシャゲという構造を破壊している。

ソシャゲのキャラ育成というのは、高難度のバトルやストーリーを見るための通過点にすぎなかった。

RPGを呼称するソシャゲのほとんどにレベル上げ短縮アイテムがあるし、レベルを最大まで、スキルを最大まであげてやっとエンドコンテンツのスタートラインに立つレベルデザインが大半だ。

しかし、ウマ娘の場合は、その育成に焦点が当てられている。

三年という短い期間の間にウマ娘を育て、交流し、レース結果に一喜一憂して、殿堂入りウマ娘として世に送り出す。

これがゲームコンテンツのほぼ全てを占める。

今よくある放置ゲーや、スキップチケット搭載ゲーとは違い、スキップ無しで三時間とゲーム時間が大量に吸われる育成をコンテンツの中核に据えている。現在の主流から全く逆を行く方式だ。

全ての要素が育成コンテンツへ向かうように調整され、ウマ娘というキャラクターを魅せるために使われいるのだ。

キャラクターゲームというコンテンツの行き着く先

プ○ンセスメーカーや○ワプロという育成ゲームの大半は、キャラを自分好みに成長させる育成ゲームだ。

自分の選択により多種多様な成長を遂げるというのは、育成ゲームでは当たり前のゲームシステムだった。

だが、ウマ娘はそれぞれのウマ娘を理解しないとJRAファイナルズ優勝というエンディングにたどり着けない。

キャラクターゲームというのは、如何にキャラクターの魅力を伝えてユーザーをゲームに引き込むかが鍵となる。

ウマ娘は、競走馬を擬人化したキャラクターであり、元となる競走馬の史実に沿った性格やストーリーをそのキャラクター性に落とし込んでいる。

ウマ娘の性格や得意なバ場、距離、選択肢などを選びつつ、育成を終えたときは、トレーナーとしてそのウマ娘に入れ込んでいるだろう。

ウマ娘で危険なのは、育成コンテンツがユーザーの心を全力でぶん殴ってくることだ。

ハルウララの有馬記念はほんと許さんからなサイゲ。

画像2

話を戻そう。

これまでのソシャゲのキャラクターというのは「キャラ性能とグラフィックにキャラクターストーリーが付いてきているデータ」というものが大半だった。

一回育ててストーリーを見ればそれで終わり、むしろ性能が欲しければ全てスキップしてエンドコンテンツに持って行く人も多いだろう。

だが、ウマ娘では、同じウマ娘で何度も何度でも、育成が繰り返せる、繰り返させられる。

目標達成できないと途中で悲しげなウマ娘の表情と共に育成が終わる。

スキップ機能があると言えども、タイムループにハマったギャルゲの主人公のような気分だ。

「悔しい。うちのウマ娘がレースで負けた」
「あのステータスが足りなかった。このスキルがあれば」

そう思ったら、すでにウマ娘の魅力にハマった証拠だ。

育成の結果が自分の取捨選択の結果だと思い込む=キャラクターが自分の娘だと錯覚させること。

キャラクターを理解させ、ゲームに引き込ませるというキャラクターゲーム
というコンテンツの行き着く先として、ウマ娘と言う何度も繰り返せる育成コンテンツを見せ——るどころか脇腹に横エルボーしたあげくアッパーで顎を狙ってくるのである。

サイゲに人の心は無い。

必ずゲットできる罠〜古今東西のハマる要素を惜しげも無く初期ウマ娘に集めました〜

でも、ソシャゲなんだし、魅力的なウマ娘はガチャでしか来ないんでしょ?と思われた人もいるだろう。

とんでもない

むしろチュートリアルで必ずゲットできる低レアのウマ娘に魅力という罠がしこまれているのだ。

ツンデレ、八重歯が可愛い中距離得意ウマ娘「ダイワスカーレット」
クールボーイでダイワスカーレットのライバルウマ娘「ウオッカ」
頭バクシンと言われる、育成しやすさSSランクウマ娘「サクラバクシンオー」
思考が意味不明ウマ娘の筆頭、長距離追い込みウマ娘「ゴールドシップ」
元気いっぱい、走ることが楽しい、ダート短距離最速ウマ娘「ハルウララ」

範囲…範囲が広い…! ゴールドシップなんてニッチすぎんだろ!

これらの育成をクリアすることで、SSR確定ガチャが出来る限定ミッションも開催中だ(〜3/31まで ※延びました)。最初期に始めたトレーナーは彼女らの魅力にハマった人も多いだろう。

育成ストーリーはどれも凝っていて、それぞれを殿堂ウマ娘にするだけで軽いインディーズゲーム一本終わるボリュームだ。
(最終レースまで? 四日分のスタミナ溶けるよ?)

そして後述するように、これらの低レアウマ娘にハマった人ほど危ない。

サイゲは息を吸うように罠を仕掛けてくる。

ガチャは悪い文化。サイゲはそれをよく分かっている。だからこそ質が悪い。


ソシャゲによくあるガチャシステム。もちろんウマ娘にも存在する。
ウマ娘のガチャには以下の二つがある。

・育成ウマ娘を増やすための「育成ウマ娘ガチャ」
・育成時にウマ娘をサポートするウマ娘を増やすための「サポートウマ娘ガチャ」

これだけ目的がはっきりとしたガチャも、結構珍しい。
ソシャゲでは闇鍋と呼ばれる複数のジャンルが混ざったガチャが多いというのに、ウマ娘は最初からキチンと分けられている。
今までのソシャゲ知見に沿った、なんとユーザーフレンドリーなガチャだろう。

もちろん罠である。サイゲを信じるな。

ガチャは悪い文化である。射幸性を煽る酷いシステムだ。

しかし、サイゲはそれをよく分かっている。十年近くガチャを作っているだけ、ガチャの儲け方をしっている。

如何にユーザーの課金へ向かわせ、如何にユーザーの課金への障壁を下げさせるか。

ぶっちゃけ、育成を楽しむだけなら課金は不要だ。

先ほど言ったチュートリアルキャラを育てるだけでも十分楽しいし、始めた最初は大量の無料アイテムが貰える上にウマ娘は所謂リセマラがしやすい。

気力があればかなり良い条件で始められるだろう。

さらには、SSRの育成ウマ娘を誰でも一人選べるチケットも付いてくる。
SSRウマ娘が少ない現在、好きな子がゲット出来て育てられることとほぼ道同義だ。リセマラ指南で「サポートウマ娘ガチャを引け」と言われる所以でもある。

ならば、何故、育成ウマ娘でガチャを引くのか。
サイゲは如何にユーザーの課金へ向かわせたのか。

それは全て、好きなウマ娘を最強最速のウマ娘へ育成したいからに他ならない。

ウマ娘で初めて追加されたSSRウマ娘、テイエムオペラオーの話をしよう。

芝・長距離・差し性能が高いテイエムオペラオーは、絢爛な姿から人気のウマ娘だが、ハルウララ界隈では「ハルウララとの継承相性が良いのでは無いか?」と噂が立った。

バクシンオーとハルウララ。共に☆1ウマ娘で非常に育成がしやすい。だが、普通の継承相性○のウマ娘が皆無という、因子を引き継ぎにくい特徴があった。

ハルウララは特に、最終目標である有馬記念に出場するのでなく優勝するためには長距離適性と芝適性を上げなければいけない。

実際の継承相性は△だったが、差しウマ娘の中で芝長距離を継承しやすいウマ娘は現状オペラオーしかいないので、ハルウララトレーナーは彼女が出るまでガチャを引いたことだろう。

画像3


また、☆1〜2のウマ娘たちは、自分達の勝負服を持っていない。
SSRウマ娘が着飾っている勝負服はなく、トレセン学園から支給される服しかないのだ。

彼女達が自分の勝負服を持つには、才能開花というシステムで自身の☆数を上げることが必要だ。そして、☆3になれば晴れて勝負服を着ることが出来る。

才能開花には、主に育成ウマ娘ガチャを引いて同じキャラが被ったときに貰える「ピース」が必要だ。
(他にも入手ルートがあるが、ランダム出現で一個ずつだったりするので現実的ではない。プリコネを倣い、イベントで入手出来る可能性もある)

特に☆1ウマ娘が☆3になるには、150個ほどのピースが必要。
被ったときに貰える自身のピースは、☆1なら5つ。単純計算で29体ほど被れば☆3になる。

女神像という所持しているウマ娘のピースに交換できるアイテムもあるが、段階的に消費量が多くなる上、これもガチャでしか手に入らない。

サイゲは考えた。如何にユーザーの課金への障壁を下げさせるか。

そうだ。ユーザーにとって全てを当たりにすれば良い。

ハルウララが被れば喜ぶ。低レアでも推しウマ娘が被り当たれば喜ぶ。

SSRが出たら泣いて喜ぶ。天井だけは勘弁してくれ。

サイゲは悪魔である。天使のような悪魔の笑顔でガチャの沼に沈めるのだ。

画像4

イベントも育成するだけでいいってマジかよ

さすがにサイゲを悪魔呼ばわりばかりするのもアレなので、良いところもあげよう。

先日、ウマ娘初のイベントが開かれた。

どうせ殿堂入りウマ娘でレース対決して勝利するイベントなんだろうと高をくくっていたら、良い意味で裏切られた。

「ひたすら育成してね。イベントポイントがいっぱい入るウマ娘とサポートウマ娘を組ませるとボーナスあげるよ!」というイベント内容だったのだ。

どんだけ育成推しなんだよ! 普通にプレイするだけでイベント進むとか!

これが、もうすごい楽。

今はイベントギミックにリソースを割けないのも理由にあるだろうが、月一にイベントミッションが来るよりも、いつも通りプレイしたらいつのまにかイベントが進む方が絶対いいのだ。

ただし、ルーレットビンゴの仕様だけは許さない。

画像5

ウマ娘の魅力とは

ウマ娘は無課金でも十分楽しめる良いゲームだ。

育成を楽にするSSRサポートはメインストーリーやイベントで手に入る。

ガチャ石はゲーム内で大量に手に入るし、何かと記念を付けて石を配ってくれる。

良いウマ娘やサポートを持っている人をフォローすれば、育成もかなり楽になる。

サークルに入れば育成アイテムを融通しあったり、サークルポイントでストーリーSSRサポートの上限開放もできる。

これらを駆使すれば、「何度も育成を重ね、強い因子を残し、さらに強いウマ娘を育てる」というウマ娘のゲームサイクルを無課金でも体験できる。
そこにシステム的な障壁は一切ない。

これらを理解していても課金をする時、それはきっと「うちのウマ娘を勝たせてあげたい・強くしたい」、もしくは、「このウマ娘を育てたい」と思ったときだろう。

それこそが、サイゲが作り出したウマ娘というキャラクターゲームの魅力なのだ。

果たして、うちのハルウララが有馬記念優勝するのはいつだろうか。

画像6


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?