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デザイナー廃業したけどグラフィックデザインの連載を持てた話

皆様こんばんは。
毎週金曜に供給される「おっさんずラブリターンズ」が生きる活力!
漫画家でイラストレーターのきびのあやとらでございます。

昨年7月。16年間グラフィックデザインやってきたけどここ数年あまりにパッとしなくて泣きそうだから廃業します!という話をnoteに書いたのをご記憶でしょうか?全然知らんって方は是非こちらをご覧ください。

この中で「16年もやってるのにいまだに私は教わる側だし何者にもなれなかった。つらい」といったイジけムーブをかましているのですが、何とこの度、イラストコンテストプラットフォームGENSEKIの「GENSEKIマガジン」で私が先生役となりグラフィックデザインの基礎を教える連載をやらせていただくことになりました。まじかよ。

しかもただの先生ではなくやたらグラフィックデザインに詳しいギャルになって、ギャル語とギャルっぽい例えを乱用する、まじウケる内容になっています。

最初お話をいただいた時は「は?私が先生?無理では??」って感じでめちゃくちゃ及び腰でした。
でも現役バリバリのデザイナーさんがすぐ使えるようなtipsとか、デザインとはかくあるべし!!みたいなゴリゴリマッチョな指南とかではなく、グラフィックデザインの初心者さんに「こんな風に考えると良いっすよ〜」とちょっとしたコツをお教えするライトなやつとのことで。
さらにGENSEKIユーザーのイラストレーターの方が読むことを想定し、似ているようで違うイラスト/デザイン両方の視点を持つクリエイターである私めに白羽の矢がヒットしたとのこと…

そ…それならできる??う〜ん…どうだろ??でもでも…
ぶっちゃけこの時点で自信は全くなく、不安しかありませんでした。
でも、私がGENSEKIマガジンでお仕事させてもらえるようになったキッカケとなったこのコンテストで審査員をされた斎藤充博さんが「きびのさん、やれますよ」と言ってくださったので。なんか色々面白い記事をドカドカ世に出している斎藤さんが言うならきっと大丈夫なんだろなと。80%くらいはそれで決めました。

↓斎藤さんの面白くてためになる記事の一例

そんな感じで。いまいち現実感が無いまま企画がスタート。
何となくトーンを揃えたい別の連載はあるものの、基本的には好きなようにやって良いと言っていただけたのでとにかく私のやりやすい方法を一生懸命考えることにしました。

これは昨年末あたりから意識していることで、ストレスなく自分らしい仕事をするために実はめっちゃ重要。
私はインスタで日々漫画を発信しているのですが、コンスタントに作品を世に出すことで自分の中で作画コストだったり作業スピードが把握できるだけでなく「普段の作風」が確立されていくのをフォロワーが増えるほど実感していきました。(先月ついに1万フォロワーになりました)

例えばPR漫画の頼があった際に、私がめちゃくちゃ頑張って200%くらいの出力であたったとしたら。私は作画コスト上がってしんどいし、普段のポストを見てきびのに頼もうと思ったクライアントは「なんか違う」って思うし、誰も幸せにならないんですよね。

なので急激に依頼が増え始めてからは

1.私の普段のタッチを把握しているかの確認
(依頼テンプレを一斉送信している代理店もあるので)
2.普段のタッチから大きく変えることはしないこと
3.私自身が「やりやすい」内容・ストーリーにさせてもらうこと

以上を了解いただくようにしています。
もっと刺さるタッチで!綺麗な線で!もっと写実的に!塗りを綺麗に!と言うオーダーであるならば私は全く適任ではないですし、そういった作風の方に依頼する方がみんな幸せになれます。

そして私自身が「やりやすい」と言うのは、描いていてしんどくないものということです。私が全く思いもよらないような発想だったり、絶対にしない選択を内容に盛り込もうとすると無理が出てしまい、ひいては作業パフォーマンスが低下し、ストレスや時間のロスが発生してしまいます。
あとは信条的に描きたくない内容というのもあり、その辺も契約前にお伝えするようしています。

こうして字に起こすと自分でもやだ〜私、大先生??てなるんですが(違います)、「わしゃぁ、好きなようにしか描かんよ…!(デデーン)」とか言ってるんじゃなくて、「こんな感じのキャラでこういう展開にした方が私としてはやりやすくて提案も早いと思うのですが良いですか?」と了解を得ている感じです。そもそも「この人がマッチしそう」と思ってお声がけいただけているので、ご快諾いただく場合がほとんどです。

そうして「自分がやりやすい仕事」ばかりやっていたらどうなるかと言うと、世に出した物が評価されれば次から次へと依頼が来ます。これこそが最大のメリット。

時には多少無理をして自分を高める努力をするのも必要だとは思いますが、そういうのは仕事以外でやることであって、自分の成長のために仕事をいただくのはある意味失礼であると私は思います。


というわけで。「グラフィックデザインの連載はギャルで行かせてください」とお願いしました。ただ私きびのが先生役となるだけでは息切れすることがわかっていたので、テンションをブチアゲたまま走り続けるための属性をつけた感じです。

これが吉と出るかはまだ分かりませんが、
「この仕事は私には出来ん!!」と思い込まなくてはプレッシャーに負けちゃうので。この連載をやれるのは、16年グラフィックデザインやってて、イラストのお仕事もやってて、元ギャルの私しかいない!と気持ちを強く持って、どんどん面白くしていきたいと思っています。
応援していただけるとめっちゃ嬉しいです。

いや〜ギャルで良かった(どっちも20億年前のきびのです)

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