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ささやきもできるようになったCeVIO AI 8.5ソング

こんにちは、いぬいぬです!
CeVIO AI バージョン8.5が先行公開されたので触ってみました!

インストールはユーザーズガイドから

CeVIOの先行公開バージョンは昔からユーザーズガイドでDLできます。自動アップデートはありませんので注意!

調整スライダーが増えた

姉妹ソフトのVoiSonaを使っていた方にはおなじみのパラメータが調整スライダーという形で増えました!

一気に3つも増えたよ!

これまでの声質スライダーに加えて3つ増えました。
増えたのは

  • 「ハスキー」スライダー

  • 「チューン」スライダー

  • 「ピッチ」スライダー

です。

組み合わせを考えよう

CeVIOのパラメータはこれらに限らず、テレビのリモコンみたいに1ボタン=1機能じゃないです!

少ないパラメータを、いろいろと組み合わせて効果を出してゆくものです。

テレビのリモコンみたいにたくさん機能があるようにみえない!

なので初心者の人にはなかなかつらいと思います。
機能が無いように見えたりもしますし、組み合わせや工夫だったりするので、公式のユーザーズガイドにも載ってないんですよね…こーゆーの。

※みんな大好きCeVIOユーザー互助会Wikiはこういうのがのってます。流石!

🆕「ハスキー」

トラック全体の声をかすらせたり、その逆にするスライダーです。VoiSonaのグローバルパラメータ「HUS」と同じやつです!

VoiSonaはハスキネスって言ってたんで名前が微妙に違うのが気になる…

「ハスキー」の使い方

使い方としては単体で使うよりも、他のパラメータと組み合わせて使うのがメインになると思います!

たとえば「ささやき」。

HUS +0.5 、デフォルトピッチ削除、pppp指定、VOLを全体的に下げる、で実現しています。

これまではDAWで音声加工するか、歌詞の特殊記号でささやき指定ができる子ぐらいしか、方法なかったですけど、
今回この方法で、
CeVIO AIの子全員、「ささやいて歌う」ことができるようになりました。やったね!

あと「疑似ファルセット」ってのもあります。

ファルセット指定が効かないきりたんや、効きが弱い子でも、それっぽくできます!

…が、トラック全体しか設定できないのが辛い!!!!

上のツイートではトラック丸ごとコピペしたあと、パラメータを変えて、ファルセットの場所以外のVOLを全部ゼロにして聞こえなくする…なんて工夫してます。

「ハスキー」の数値

CeVIO AIのハスキーの数値は、現実的な範囲の数値になってます。

というのもVoiSonaと違って、+10.0~-10.0じゃなくて
+1.0~-1.0 に値が制限されてます。

数値の効果としては同じみたいです。

CeVIO AIとVoiSonaの両方に出ている「さとうささら」と「#kzn」でRXのオーディオスペクトログラムで見てみましたが、そもそもVoiSonaで+1.0や-1.0より大きな数字を指定しても、効果が変わってませんでした。
(CeVIO AIとVoiSonaで音量が微妙に違うのは他のパラメータと一緒なんでたぶん関係ないです)

VoiSonaで大きな数値を指定してccsエクスポートすることで無理やり大きな数字を指定できますが、たぶん意味ないですね。

※これは効果がありません

VoiSonaのHUSの場合、大きすぎる数値はノイズが多くてあんまり使えない感じになってたので、実用上は問題にならないかな~と思います。

逆にこれをつかってデスボ、は効果が薄いので厳しいかも?
(VoiSona専用ボイスだとできるんですけどね…)

「ハスキー」の注意点

歌い方がハスキーボイスになるわけじゃないです!
声質バーと同じで歌い方が変わらないパラメータです!

VoiSonaと違って、部分ごとに変えることはできません!
調整モードに「HUS」があるわけじゃないです!
…うーん、残念!

VoiSonaのHUS

CeVIO AIではトラックを分けるしかないですね。

ただ、HUSって他のパラメータと組み合わせるのがメインなんです。それ単体で使えることってあんまりないです。

組み合わせのパターンを全部トラックで分ける必要ありますが…キッツ!!!つらたにえん!!!
32トラックでも足りなくない!?

正直、実用的に使おうと思うと片落ち感が否めないです…。
どーにかなりませんか!?CeVIOプロジェクトさん!

🆕「チューン」

チューン

これは楽譜の音程からどれだけズレて歌うか、を調整するスライダーです。VoiSonaのTUNEと同じですね。

「チューン」の使いかた

次の図を見てもらうのが早いと思います!

CeVIO AI さとうささら

CeVIOのボイスはボイス毎に楽譜からどれだけずれる?って情報をもってて、普通にやると真ん中みたいな自然な音程のずれが合成されます。

これがリアルな歌声・歌い方のキモだったりするんですが、これがボカロ曲と相性が良くない
(だって人間が歌うことを考えてないからね…。)

チューンスライダーをMAXにあげると、楽譜ほぼそのままの音程で歌います。いわゆるケロケロ。まんまボカロみたいになります。
(※ボイスによっては声質スライダーを最小にするともっとそれっぽくなったりします。)
昔のCeVIO(CeVIO CS)っぽくもなりますね。
なので、ボカロっぽく機械的に歌わせるときに最適です。
人間みたくじゃなくて、楽器みたいに使いたい時ですね。

逆に、チューンスライダーをMINに下げると、
めっちゃクセツヨな歌い方になります。
演歌とか民謡とかっぽい感じに、音程がめっちゃ暴れます。
歌い方に癖が少ないボイスの場合、情熱的に歌って欲しいとか、もっと表現力を!というときに下げると効果的です。

楽譜から音程がどれくらいずれるのがいいのか、は
曲のジャンルによって価値観が違います。
ボカロ曲なら機械的にピッタリ、ポップスなら正確にまっすぐ、演歌や民謡ならこぶしを効かせて、みたいな感じです。

――奄美で活動されている歌い手さんと、中さんのように全国で活動されている歌い手さんの違いは?

 シマ唄の歌い手さんのなかにはポップスが苦手な方もいます。シマ唄とポップスは全く異なるもので、その異なる音楽を、歌唱法だけでなく感性をうまくミックスチュアができるかが重要な要素でもあったりします。ポップスに馴染ませるのが難しいと言いますか…。

――演歌歌手がポップスを歌うとコブシが利きすぎるような?

 それに近いと思います。「ビブラート効かせ過ぎじゃあ?」みたいな感じになるということですね。癖が出過ぎたりとか、逆に“ノベー”となってしまったりする部分はあります

中孝介に聞く、元ちとせら奄美出身歌手の特長的な歌唱法とは


以前のCeVIOだとこれを全体的に変えるのは簡単ではなかったので、とても便利になりました。

CeVIOのボイスはこの音程からの外れ方やゆらぎは全然違うので、ボイスの個性と曲の雰囲気に合わせる感じでチューンを調整するといいと思います。

「チューン」の注意点

チューンスライダーもハスキーと同じく、トラック全体のパラメータです。なので部分毎に変えたい場合はトラックを分けるしかありません。

まあ、こぶし的な音程のゆらぎが欲しい時はビブラートも一緒に使うことになると思います。ビブラート(VIA/VIF)は曲の部分毎に指定ができるので、組み合わせですね。

ビブラートは部分毎に指定できるので組み合わせよう!

あとはチューンを変えてもTMGは変わりません
歌い方の癖が変わると言ってもタイミングは固定のままなので、本当の意味での歌い方の癖を変えるにはここも変える必要があります。

ボイスごとのTMGはチューンじゃ変わらないよ!

🆕「ピッチ」

基準ピッチを標準のA=440から変えるスライダーです。

ピッチスライダー

基準ピッチって何???

は?「基準ピッチ」?A=440?
ナニソレ。オイシイノ?

説明はまるなげです!

まあ要は楽曲とかジャンルによって音の周波数の基準が違うので、それを変えられるようになった、ということです。

「ピッチ」の使い方

ピッチスライダーでは450Hz~430Hzの間で変えられます。

CeVIOをふくむDTMやボカロではA=440が基本なんで、
そもそもピッチスライダーの出番はあまりないかな~と思います。

あるとすれば…
CeVIOのボイスは人間の癖を反省するので音程が低くなりがち」というのを修正するのに使えるかもしれません。
人間らしさが失われるのでやりすぎ注意ですが。

むしろ誤差があるから感動できる音になるんです。 でもやはりあまり外れすぎると聴いていても また歌う本人も気持ち良くないので 先生について正確な音程を訓練や練習で身に付ける訳です。 低くなりがちなのは老若男女共通です。

ボーカルのピッチの誤差について。

音程の正確性の良しあしや、音程の基準値はジャンルによって違うので、イコール修正にならないのが注意ですね。

もう一つの使いどころはアカペラハモリ。

実はアカペラやハモリは「平均律」じゃなくて「純正律」の方がいい、って言われる場合があるんですよね。

そのままの基準ピッチでやると微妙なずれになるので平均律から純正律に合わせて調整するって感じですね。

とはいえCeVIOの調律が変わるわけじゃないので注意です。

「ピッチ」の注意点

ピッチスライダーは変更してもスライダー以外の
見た目の変化がありません…!

PITの線もかわりませんし、オプションでカーソルのところに表示されるHz表記も変わりません。

「440Hz(430Hz)」! わからん!

音だけ変化があるので、パラメータを変えたことを忘れてると、アレ?ずれてる?みたいなことも起きるかもしれません。

歌詞の特殊記号がメニューから設定できるようになった

なんと!歌い方を変えられる歌詞の特殊記号が右クリックメニューから設定できるようになりました!

しかも、「ふるえ」とか「ささやき」みたいに
効果からえらべます。
ボイスごとにこのメニューは変わるようです。

特殊記号がある音符の場合は消すこともできます

VoiSonaにも欲しい!

特殊記号メニュー注意点

メニューのめっちゃ深いところにあるので、便利なんだけど使いにくいです。
あと、ファルセットみたいに複数の音符に指定するのはできないです。

せめてショートカットがあればいいんですけどね~。

たくさん設定するにはやっぱり歌詞の連続入力とかで設定するしかないですが…ボイス毎に効果が違うので覚えられないですね…うーん。

調整した線の色が変えられるようになった

色の設定オプションがついた!

調整した線の色を色々かえられるようになりました…!

背景色の設定と組み合わせて見やすくできますね!

「重ね表示の透明度」が変えられるのが、地味に便利。
普段見る時は透明度を高く(50くらい)してあまり目立たない様にして置いたり、「調声さらし」で見せる時は透明度を下げて(~255)でどのパラメータも良く見えるように調整することができます!

透明度:50

特にCeVIOの調声晒し、PITだけ見せてもほとんど意味ないんで、TMGとか他のパラメータの調整ラインもはっきりみえるようになるのは嬉しいですね!
調声晒し投稿祭のレギュレーションに入れてもいいくらい。

他にも色々改善が!

・調号(キー)の全ソングトラック共通モードを実装。

トラックの調号指定忘れが減る!いい!

・「調整のリセット」メニューを実装。

モード切替たくさんしなくて良くなる!便利!

・まとめ選択コピー時、タイミングはミックスコピー(絶対値でコピー)するように。
 ※貼り付け後のタイミングが崩れづらくなりました。

・調整画面で調整値をコピーしたとき、元の値の削除(白色のライン)もコピーするように。

コピペがやりやすくなってる!
デフォルトピッチ削除とかコピーされなくて悲しかったのがなくなった!

・英語歌詞のとき、特殊記号を英語用に自動変換するように。

日本語の歌詞入力後に切り替えが地味に面倒だったから便利!

・ピアノロールのルーラーの初期設定を全部(テンポ・拍子・調号・強弱記号)オンに。

どれも設定大事だから、初心者向けにいいね!

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