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カメラ少女とフォトジェニック〜 チェンマイコーヒー雑記〜

タイ王国で働き始めて2年半、色々あって半年前から北部のチェンマイで働いています。チェンマイは観光地としても人気スポットで最初は休みのたびにレジャーに駆け回っていました。ただ半年も経つとさすがに飽きる。もう観光の雑踏というのが煩わしくなって家で引きこもる日が増えてきました。

そんな中3ヶ月ぶりに日本人のスタッフがチェンマイに仕事に来てくれて一緒にランチを食べたのですが、なにせ久しぶりに対面で日本語を話せる懐かしさも相まって色々思ってることを話し込んでしまったのです。

そんな僕を見かねてか、”チェンマイは美味しいコーヒーショップがいっぱいあるから休日にのんびりカフェで時間を潰すのも悪くないですよ“とアドバイスをくれました。

なるほどと思い最近の土日はカフェを巡るのを日課になっていて、これが中々面白い。というわけで今日はお気に入りの1件を紹介

チェンマイ旧市街よりちょっと北西にあるGraph cafeというお店。周りも煉瓦造で統一されていてなかなかいい雰囲気だ。思わず写真を撮っていると1眼レフを持った少女が僕の隣で写真を撮っていた。なるほど写真を撮りたくなるお店だよね。中が暗くて入る時にちょっと緊張しました。

店内は暗い、写真で見るよりさらに暗い。僕は電子書籍派なので問題無いけど紙の本だと読むのにちょっと苦心する暗さなんじゃないか。早速カウンターでコーヒーの注文だ。普段ならパソコン作業のお供にとメニューを碌に見ずにアメリカンのホットを頼む僕だが、今回はあくまでもカフェを楽しみ来たのだ。と言っても別に豆に詳しいわけでもないのでおススメを聞いてみた。

出てきたのがこちら”DownTown”。名前がもう何だかカッコいい、まるでカクテルだ。ジンジャエールにミントとコーヒーが入っていてまぁ実際カクテルみたいなもんか。ミントとコーヒーの組み合わせは以前も飲んだことあるけどあんまり美味しいと思った事は無かった。両方の味がぶつかり合ってるような気がするのだ。でもこれはとても美味しかった。バランスがいい気がする。ミントもコーヒーもあくまでもジンジャエールを引き立てる名脇役に徹している。さすがお勧めなだけあって飲みやすいしお店の雰囲気とも良く合う味だった。まったりと本を読んだりツイッターをいじっていると気づけば一つ席を開けて先程のカメラ少女が座ってしきりに店内の写真を撮っていた。

確かに薄暗くて統一感のある内装は全てがフォトジェニックだ。どれぐらいフォトジェニックかというと、フォトジェニックなんて気取った言葉を使ったことが無い僕がフォトジェニックと書いてしまうぐらいフォトジェニックなんだ。これが撮りたくてお店に入ったのかな・・・と思うぐらい熱心にカメラのシャッターを切っていた少女は角度を変えて、今度は僕のいる方向にもレンズを向けてきた。

これはどいた方が良いのだろうか…。何故なら僕は寝起きのボサボサ頭に短パンと便所サンダルという明らかにフォトジェニックでは無い出で立ちだ。ただ向こうが何も言っていないのに移動するのも逆に気を使わせそうだし、何よりいい年こいて少女がカメラを向けているだけで緊張してたじろぐ自分が恥ずかしい。取り敢えず何も気づいていない風態で背景になることを徹底するという何一つ面白くない選択を選んだのだ。

そんなこんなでまったりと、時折照れ臭さを感じながらも3時間ほどくつろがせてもらいました。次行く時はせめて襟付きのシャツに靴ぐらいは履いて(もちろん寝癖は直して)ちょっとは”フォトジェニック“な格好をしていこうと小さく決意するのでありました。


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