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「ジャンプフェスタ2022」より『憂国のモリアーティ』レポート!

今回はkayserが担当します。
2021年12月18日及び19日に開催された「ジェンプフェスタ2022」。今回は、リアルとオンラインの同時開催ということで、筆者もオンライン参加してみました。現在、週刊少年ジャンプの購読者であり、ジャンプ+も愛読しています。ジャンプS.Q.を購読していた時期も。

そんなジャンプ好きな私ですが、これまで、なかなかリアルイベントへ行くことはできませんでした。今回はオンラインだからこそ参加できた次第です。10作品ほどのプログラムを観ましたが、その中でも特に印象深かった『憂国のモリアーティ』をレポートしていきます。

メモと記憶を頼りに書いているので、多少前後する部分などがあるかと思います。どうぞ、ご了承ください。

『憂国のモリアーティ』イベントの出演者

『憂国のモリアーティ』のイベントは、12月18日(土)の14:25~スタジオBLUEにてオンライン配信されました。気になる出演者は、シャーロック・ホームズ役の古川慎、作家でホームズ研究科の北原尚彦、司会のあさりど川本成の3名。

このメンバーを見ればおわかりかと思いますが、今回はちょっと変わった企画でした。その内容は、“シャ―ロッキアン”こと北原尚彦が、本家『シャーロック・ホームズ』シリーズ(正典)に絡めながら、『憂国のモリアーティ』を語るというもの。

以前、「シャーロック・ホームズの映像作品」という記事も書かせていただきましたが、筆者も幼い頃から『シャーロック・ホームズ』の虜でした。私ごときが“シャ―ロッキアン”を名乗るのはおこがましくてできませんが、「シャーロック・ホームズ好き」であることは間違いありません。

今回の企画は筆者のように、もともと『憂国のモリアーティ』ファンでもあり、正典好きな人には、たまらない企画といえるでしょう。

そもそも“シャ―ロッキアン”とは?

北原尚彦が“シャ―ロッキアン”と紹介されていましたが、この“シャ―ロッキアン”とは一体なにをする人なのか。まずは、そこから紹介しましょう。

一言でいえば、「シャーロック・ホームズの熱狂的なファン」ということ。その活動はさまざまで、今回出演した北原尚彦は、シャーロック・ホームズ関連の書籍コレクターであり、これら書籍の翻訳でも知られています。作家としても、ホームズをモチーフにした小説を多く発表しています。

この日、北原氏からも説明がありましたが、『シャーロック・ホームズ』シリーズの多くは、ホームズの相棒、ジョン・H・ワトソンが事件簿として記したという体裁をとりながら、原作者のコナン・ドイルが執筆しています。シャ―ロッキアンは、これをワトソンが実際の作者とし、ドイルは出版エージェントと位置づけ遊び心たっぷりな解釈をしているそうです。

また、死んだと思っていたホームズが帰還した際にワトソンが卒倒したことから、ワトソンを本当は女性なのではと仮定し、実はホームズも女性なのではとする説などもあるそうです。そのほか二次創作の活動をしているシャ―ロッキアンも存在し、その活動は多岐に渡ります。

北原氏曰く、「シャーロック・ホームズが好きなら、それはもう“シャ―ロッキアン”」だそうですよ!

『憂国のモリアーティ』のここがすごい!

シャ―ロッキアン界隈でも話題となっているのが、今回紹介する『憂国のモリアーティ』。北原尚彦が『憂国のモリアーティ』のここがすごい!というポイントを項目ごとに解説してくれました。

タイトルが凄い!

正典の中でもそこまで多くは語られていないモリアーティ教授。ホームズのライバルという設定ですが、実際は、コナン・ドイルが『シャーロック・ホームズ』シリーズを早く終わらせたいがために登場させたにすぎない人物だそう。

そんなモリアーティに焦点を当て、タイトルにしたことで、モリアーティという人物が広く知れわたることに貢献しました。

モリアーティが義賊をしている設定が憎い!

シャーロック・ホームズの最大にして最強の敵であるモリアーティ。そんなモリアーティに焦点を当て、さらに犯罪卿として貴族社会にメスを入れるという物語が斬新。貴族に虐げられている民衆を救うというこれまでになかった発想です。

正典でのモリアーティとはかけ離れた、かなりのイケメンキャラに変更もされているところも面白いといいます。モリアーティが3人兄弟であるという設定は原作にもあるようですが、この3人で犯罪卿として活躍するという物語も本作ならではとのこと。

原作への“オマージュ”と改変が秀逸

『憂国のモリアーティ』の面白さのひとつとして、原作を知っているとすごく楽しめる点にあるといいます。正典の挿絵のいくつかをパロディにして描いている部分もあり、その“オマージュ”がなんとも憎いとのこと。

同じ構図で同じセリフをしゃべらせているんです。イベントではそのシーンを比べてみせてくれましたが、ここでその部分をお見せできないのは非常に残念です。

また、原作にも登場するアイリーン・アドラー。本作では、アイリーンという名を捨て、モリアーティに協力することに。男性として生きる道を選んだ彼女が、新しい自分につけた名が「ジェームズ・ボンド」

誰もが知る『007』シリーズの主人公です。これには、シャ―ロッキアンも驚いたとのこと。この辺の改変具合も秀逸とのことでした。

そのほか、『憂国のモリアーティ』5~6巻の「大英帝国の醜聞」「ボヘミアの醜聞」からのオマージュ、2巻の「シャーロック・ホームズの研究」「緋色の研究」からのオマージュです。

また、原作「ギリシャ語通訳」で登場するホームズの兄・マイクロフトも登場。原作同様の人物設定で登場しています。ホームズ曰く「政府そのもの」という点でも一致していました。

それとは対照的に、原作ではミセスと名乗っているハドソン夫人も『憂国のモリアーティ』では、ミス・ハドソンとして登場するなどの改変が行われています。

『憂国のモリアーティ』にこれから

『シャーロック・ホームズ』シリーズ「最後の事件」では、ホームズとモリアーティが格闘の末、滝壺に落ちてしまいます。『憂国のモリアーティ』では、コミックス14巻にて、同様にモリアーティとホームズがテムズ川に落ちてしまうのでした。

原作では、この後、「ホームズの帰還」として新たな事件が続いていきますが、『憂国のモリアーティ』もまたオリジナルの展開をみせていきます。正典とは異なる魅力を持ちながら、今後も楽しめる作品であり続けることでしょう。

まとめ

今回は、「ジャンプフェスタ2022」から『憂国のモリアーティ』に関するプログラムのレポートから、作品の魅力を紹介しました。『シャーロック・ホームズ』シリーズを知りながら読むとさらに面白さが増すということがわかりました。

『憂国のモリアーティ』は原作漫画だけでなく、テレビアニメも舞台、ミュージカル化とさらなる盛り上がりをみせています。ご興味のある方は、ぜひそちらもお楽しみください!

kayser


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