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最高のどうぶつ病院に行った話

こんにちは、ちとせです。
Xで長文を書くと諸々だるいのでnoteをはじめてみたよ!
じゃ!どうぶつ病院の話すっか!(したいので)


初秋頃、犬のボンちゃんが肌荒れを起こした。

病院に行くと「季節の変わり目だからね」という診断だった。
季節の変わり目、人間も不調を起こすよね。皮膚科の込みっぷりを見るに、たぶん多くの人がそうなんでしょう。季節の変わり目はね。

いや、ふわふわしすぎじゃない???

なんなんだよ。
「季節の変わり目」とか「ホルモンバランス」とか「自律神経」とか。
数値や対処法がわかるでもなく、お薬を持たされるやつ、なんなんだよ。

自分が診断された際にまったく気にならなかった事が、犬の事となると、とてつもなく気にかかる。

もしも薬が徐々に効かなくなり、毎日つらい痒みに襲われ続けたら?
ステロイド以外の対処法は?人間にできる介助は?
手当たり次第に調べまくった私が、うっかり人間の肌にまで詳しくなった頃、犬の肌荒れは治ってはぶり返し、徐々に勢いを増していた。
自己判断で試して悪化させたくないから獣医さんには診てもらうとして、とりあえず病院は変えることにする。
私は別日で2件の予約を取った。
肌関係はプロでも意見の分かれるところなので。


ボンちゃんは明るい犬なので、肌が荒れていようが、変わらずニコニコと尻尾をふっている。
ゴキゲンで出かけ、ゴキゲンでドライブを楽しみ、足が震えすぎてちっとも前に進んでない大型犬にあいさつをする。そして診察台に上げられた途端「あっ、これムリなやつや!」と悟り、唐突にオシッコを漏らす。
診察台にさえ乗らなければ、悪いことは起こらないと思っているのだ。


先日のお漏らしを反省し(私が)、2件目の病院にはオシッコを出したタイミングで向かった。

待合室には誰も居ない。犬猫のストレスやウィルス感染への配慮で、各自、外や車内で待つシステムだった。院内はシンプル。ドアは二重扉になっており、完全個室の診察室には機材が一切ない。
人の目は楽しませないし、獣医さんも機材を取りに行く手間がかかる。犬猫だけに配慮を振り切った間取りだ。

診察室に入ると、犬の全身をくまなく触診しながらのヒアリングが始まった。普段の生活、排泄物の状態、食事内容など、かなり細部まで。それから、血液と肌細胞から症例を絞り、使用する薬のメリット・デメリットのを説明を挟み、人間がしてあげられるケアを教えてくれた。
こんなに向き合ってくれる先生は初めてだった。
(処方やケアの内容は、状態によって変わるので割愛)

私たちは、犬の体への負担を極力減らして、マンパワーでケアする方法を選んだ。
ひと月試してみて、ダメなら別の方法に切り替えて、気長にトライするつもりで「頑張ります」と答えた。

すると先生は
「飼い主に負担がかかりすぎると犬との関係が歪になるかもしれないので、頑張りすぎないように」
と、念を押した。

犬との関係が歪になる。

「歪」という言い回しに、なんだか含蓄を感じる。

たしかに、手間をかけるほど感情は大きくなっていくけれど、大きいものは制御が難しい。
方向性が合っていればいいが、間違った時、淡々と方向転換するべき時に「あんなに頑張ったんだから、間違いであってほしくない」といった気持ちに絡めとられ、身動きが取れなくなることもある。
「愛情のサイズ=犬にとっての最適な愛」ではないのだ。
いろんな飼い主と犬を診てきた上で出た表現だから、喉元に引っかかるのかもしれない。
愛に溺れて謎サプリなどに手を出さないよう、淡々と病院を回ろう。と、私が決意を固めている間、犬は診察台の上でウンチを漏らしていた。
膀胱タンクがからっぽだったから、尻が代打に立ったのか?
ついさっきまでニコニコと尻尾をふっていたのに、なぜなんだ。
やはりボンちゃんは、診察台にさえ乗らなければ悪いことは起こらないと思っているのだ。




さて、結果から言うと、犬の肌は治った。


結果が芳しくなくても、あの病院を最高だと思えていたのに、治っちゃったよ。最高すぎる。

こういう病院がいちばん!とは一概に言えないんだけど、今回、私は自分に合った病院に出会えてめちゃくちゃ嬉しかった。
これからも、お金と手間をできる限り惜しまず、でも頑張りすぎないように、冷静に犬と付き合っていけたらいいな、と思う。


ちなみに、犬にとっては特に最高ではなかったようで、二回目の受診でもウンチを漏らしていた。
先生の体が大きいからか、目力が強いからか。
本人に聞いてみたが、犬は「ピ」と鼻を鳴らすだけだった。
ただ、ボンちゃんは明るい犬なので、何度通院してもニコニコと尻尾をふり、私の申し訳なさをかき消してくれている。

相変わらず、診察台にさえ乗らなければ悪いことは起こらないと思っているのだ。

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