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Elementary SchoolのSTEM fairに行ってきた

娘のElementary School(小学校相当)でSTEM fairがあるというので見学に行ってきた。STEMはScience, Technology, Engineering, and Mathematicsの略で、科学・技術・工学・数学の総合的な学習・教育を指す言葉。

アメリカの学校はSTEMに力を入れており、この学校でも授業以外にも年に1回こういう発表の場が設けられている。上は5年生(この学区ではElementaryの最上級生は5年生)から、下は1年生どころかKinder(幼稚園)でも参加可能だ。日本だと夏休みの自由研究の発表が一番実態として近いが、こちらは参加は完全に自由意志である。なお主催はフライヤーにある通り学校ではなくPTAであり、Parent-Teacher-Associationが正しく機能してる感がある。


午後6時半過ぎに会場の多目的ホールに行ってみると、もう人が一杯。MakerFaireやコミケなどと同様に机で島が作られていて、そこに発表内容が展示されている。かなりの密度だ。これでも入りきらないので、二日間に分かれて入れ替え制になっている。娘の発表は明日らしい。

発表の内容はSTEMの名の通り実に多岐に渡っていて、僕が見てもなかなか楽しい。いくつか紹介してみる。

自然科学系

色水を花に吸わせるとか、野菜電池で時計を動かす、血液の構造は?といった日本の自由研究でもお馴染みの自然科学分野のテーマはやはりここでも多い。

ハードウェア系

油圧(水圧)式のクレーンや、エレベーター作ってみましたといった工学的なものもある。いかにも工作好きそうな男の子が楽しそうに実演していた。

IT系

Scratchで何か作ってみました、かと思いきや「Scratchを教えてあげるよ!」と発表という段階を超えて、もはや教える側に回ってる子とか


マイクロマウス的に自律走行するロボット。


モーションセンサー使った回路を組んでる子もいた。

この子の使ってる機材、よく見るとめっちゃモジュール化されたキットである。何これ素敵、このトランジスタとかめっちゃ欲しいぞ。

フリーダム系

大好きなクルマの情報をいろいろまとめて展示してる子もいた。「こういうのじゃなくちゃならない」という同調圧力が一切無いのが大きな特徴であり、皆とても楽しそう。


個人的にグッと来たのはこの子の「NERF GUN ARMOUR」詳しい説明は読んでないが、ダンボールで鎧を作ったっぽい。そうだよ、作りたいものを作ればいいんだよ。

みんなプレゼンしてる&上手

あと何と言っても特徴的なのは、基本的にどのブースにも作成者本人がいて、説明したり質疑応答に答えていること。そしてこれがうまい。Kinderの子ですら!やってることは学会のポスター発表と完全に同等であり、なるほどアメリカ人のプレゼン能力は幼少の頃からこうやって培われているのだな。


中に大きい子がいると思ったら、ハイスクール生でメンターをやっているとのこと。当然ながらハイスクール生のSTEM fairもまた別に行われており、小さい子たちはそれを見に行き、ハイスクール生はメンターとして小さい子たちを見る。見事にエコサイクルが回っているわけだ。アメリカのイノベーションの根っこは、きっとこういうところにあるんだなと思う。


余談だが、皆が展示に使ってるのは一見その辺に落ちてるダンボールに見えるけど、ちゃんとした商品で「Tri-Fold presentation board」という三つ折りになってる展示パネル。いろんなところから販売されていて、この手の展示ではほぼ採用率100%。確かにAmazonの箱を切り開くよりも微妙だけど絶妙にみすぼらしくないというのは重要なポイントである。


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