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タイトルホルダーラストラン(有馬記念 23 ラップ分析)


はじめに

 今年の1年の締めくくりということで、このところターフを沸かせてくれた馬たちが続々と引退する報が入ってきて寂しい限りですが、それよりも今は有馬記念です!

 イクイノックスが引退、リバティアイランドが休養と、ジャパンカップのワンツーが不在ではありますが、ここ数年ではもっともメンバーが揃いました。能力的にも横一線という感じで、正直どの馬が勝つかわかりません。

 むしろそれが観戦する楽しみを盛り上げてくれます。ここを当てて、気持ちよく年末を迎えましょう!!

ラップグラフ

集計:13~22 有馬記念 10戦

・中盤が緩みやすく、ラスト5Fのロングスパートとなる持続力勝負。

・直線が短く前有利に見えるが、G1のプレッシャーを受けながら前で粘り込むのは楽ではない。後方から人気薄の一差しはある。

全馬短評

ソールオリエンス

 皐月賞では、キャリア3戦目で最内枠・最後方からすべてのライバルをぶっちぎって戴冠。世代の頂点にいきなり登りつめた。しかし、菊花賞を見る限りは、まだメンタルコントロールに課題を残している。

シャフリヤール

 ダービーのときは切れ味が武器という、いかにもディープ産駒といった感じだったが、海外を転戦するにつれスタミナを生かした前での競馬に転換。前走のBCターフでも、小回りの競馬場で前につけて3着と見せ場を作った。意外と舞台が合いそう。

ホウオウエミーズ

 前走で初重賞勝利。上がりのかかる競馬は得意だが、戦ってきた相手がさすがに軽い。

タイトルホルダー

 凱旋門賞のダメージがキャリアをゆがめてしまったか。宝塚記念で見せた走りは、イクイノックスと対等に戦えるものだったと今でも思っている。もしあの時と同じコンディションで走ることができれば、このメンバーでも捕まえられる馬はいないだろう。
 前走ジャパンカップでは、イクイノックスにペースメーカーにされながらも5着と健闘。復調のきざしを見せた。中盤が一度緩んでからのロングスパート戦はもっとも得意とするところで、舞台を中山に変えて大幅な前進ある。

ドウデュース

 この馬も凱旋門賞後に長らく順調さを欠いたが、前走ジャパンカップで一線級の脚を取り戻しつつあるところを見せた。馬体的にはよく言われるようにマイルが適距離だと思うが、高い能力で2500ならこなせる。ただベストではなさそう。武豊に手が戻って、おそらく後方決め打ちで来る。届くかどうかは、コース取りと前の馬次第。

ディープボンド

 長らくG1戦線を賑わせてきたこの馬は、ズブいバテないが信条で、舞台的には合うし実際2年前には2着に来ている。ただ、この秋は冴えないシーズンを過ごしていて、追い切りを見ても2年前のような輝きを見て取れなかった。

アイアンバローズ

 前走ステイヤーズSで3600mを大逃げ。4角死んだふりから直線で突き放し、場内をどよめかせた。今思えば、スタミナがあるのに気が悪いという特性を、ジョッキーが上手く乗りこなしてみせた。今回は距離短縮で相手大幅強化。さすがに2度はないかと。

ライラック

 戦績にムラのある馬だが、戸崎騎手とは手が合うのか、ここまで3戦すべて掲示板と好走。特にこの秋は適性が低そうな東京1800で3着と健闘しており、馬が本格化したかもしれない。調教も元気に動いているし、この人気ならヒモには入れておきたい。

ヒートオンビート

 一芸のない器用貧乏な馬だが、どんな条件でも相手なりに走る。さすがに今回は相手が強いとは思うけど。

ジャスティンパレス

 クラシックの頃はイクイノックスとドウデュースに話題を奪われたが、大器晩成。春の天皇賞を勝ってからは、G1での安定感が目立つ。ジャパンカップを飛ばした余裕あるローテも好ましく、1番人気も納得。ただし、強い相手を正面からねじ伏せた経験はまだない。来年の主役になれるかどうか、今回が試金石。

ハーパー

 リバティアイランドさえいなければ、桜花賞3着、オークス1着、秋華賞2着という強い戦績。エリ女3着の走りを見ても、例年のオークス馬くらいの力はある。3歳牝馬ということで斤量が軽すぎて、ライラック同様、この人気なら。

ウインマリリン

 スタートの上手な馬で、そのまま番手か好位につけて流れ込む競馬が得意。有馬は合うと思うが、すぐに良くなる馬ではなく、だんだん調子を上げてくるタイプなので、近走の戦績だと買いづらい。

タスティエーラ

 重馬場を前受けして2着に粘った皐月賞は強かった。これまで上がり最速の脚を出したことはなく、それでもG1を3連対していることから、キレよりもタフネスに特性がある。間違いなく有馬は向く。カッとしやすくメンタルコントロールが難しいタイプだが、菊花賞で1度使っているのでガス抜きはできたか。斤量も恵まれている。思い入れを抜きにすればこの馬から入りたい。

プラダリア

 古馬1年目の今年は、G2を行脚して地力をつけてきた。頭までのイメージはまったくないが、いつの間にかシレッと3着に入っていそうな雰囲気はある。

スルーセブンシーズ

 イクイノックスの2着に入った宝塚記念は、前崩れの展開でそこまで評価していない。ただ凱旋門賞の4着や、追い切りでの唸るような手応えを見ると、上がりのかかる競馬にしっかり適応してきそうで、外枠といえども切りづらいオーラを感じた。

スターズオンアース

 オークス以後、勝ち星に恵まれていないが、まったく条件の違う近3走の古馬G1(大阪杯・VM・JC)ですべて馬券内と、しっかりと強さを見せている。マイルG1を経験したことで、速いペースでも追走できる自在性を身に着けた。ただし、大外枠という以上に、上がりのかかる競馬はあまり経験していないのを不安視。

おわりに

 思い入れとしては◎タイトルホルダーで単勝1点勝負したいところですが、冷静に馬券を予想するとこんな感じでしょうか。

◎タスティエーラ
○タイトルホルダー
▲スルーセブンシーズ
△シャフリヤール、ドウデュース、ハーパー、ライラック

 さて、今年の有馬記念は、まさかの指定席抽選突破で現地観戦してきます!!長らくテレビ観戦派で、混んでるG1の日なんて競馬場に行きたくなかったのですが、一口馬主を始めてから、現地観戦のハードルが一気に下がりました。

 目当ては、やっぱりタイトルホルダーの最後の走りです。ウマ娘を機に競馬をまた見るようになったので、エフフォーリア・シャフリヤール・タイトルホルダーの世代は思い入れが大きいですし、特にステイヤーとして本格的に台頭してきたタイトルホルダーには、メジロマックイーンやヒシミラクルといった過去の名馬を思い起こさせ、ずっとわくわくさせられっぱなしでした。凱旋門賞の呪いも、この馬がきっと解いてくれると信じていました。

 その後スランプに陥り、タイトルホルダーが開きかけた伝説への扉を、天才イクイノックスがするりと抜けていくのを、称賛半分やっかみ半分の複雑な気持ちで眺めてきた1年でもありました。

 この秋、オールカマー、ジャパンカップと、タイトルホルダーらしさが戻ってきていることは嬉しいです。でも、本当のタイトルホルダーはまだあんなものではありません。有馬記念、きっといいレースになると思います。

 このノートを楽しんでいただけましたら、ぜひ「スキ」を押していってください。次回のモチベーションになります。


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