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銀座線1000系(特別仕様車)

5月3日から6日まで銀座線レトロ車両がイベント運行していた。
4日に原宿の大田美術館へ行くので新橋からこのイベント車両に乗った。
同行の友人がタイムテーブルを調べてくれており、新橋で時間を合わせて乗車し、表参道からの戻りでは先頭車両の撮影がしたくて同じく時間を見計らってホームで待機した。
あいにく連休真っただ中のため、ただでさえ手狭な銀座線ホームは人で溢れていて、人と人の合間に滑り込んでは慌てて撮影するしかなかった。

1000系特別仕様車が導入された当時、イベント走行の際には嘗てのポイント箇所で車内灯が消え予備灯が点灯する状況を再現していた覚えがある。
子供の頃から地下鉄と言えば銀座線であった私は、このフッと車内が暗くなり扉横にぼんやりと灯りが点る瞬間が好きだった。
今回も以前と同様にこの特別再現があると思い込みワクワクしながらその時を待ったのだが、予備灯はずっと点ったままで室内灯は全く消えなかった。
後から公式HPで確認したところ、今回は予備灯を常時点けている仕様だったそうだ。
勝手に思い込み違っていたからひどくガッカリした自分がウッカリしすぎなのだけれど、せっかくの予備灯なのだから限定区間でも、たとえ1回だけでも再現を体感したかった。

今回のイベント走行では車内灯の光色をオレンジに近い色味に変更しており、何となく「レトロ感」を強めているように見受けられた。
現行の1000系も同系特別仕様車も実際には大昔の車体の復刻なので殊更に思い入れがあるワケではない。
通学などでとにかく頻繁に乗ったのは車体がオレンジ色の2000形だ。
銀座線は地上の道路に沿って掘り進めたために非常に細かなカーブが連続する路線だ。子供の頃も学生の時も、この連続するカーブのたびに車輪がレールに擦れるスキール音が常に鳴っていたように思う。
けれどソレを煩いとか不快だと気にしたことは無く、それも含めての銀座線と認識していた。
当時よりは頻度も極端に落ちたけれど、今でも私は銀座線に乗る。
JR経由で上野に行けば良いところを、わざわざ私鉄から乗り継いで銀座線を使ったりする。シン・1000系に乗りながらある時ふっと気づいた。
走行音がものすごく静かになっていたのだ。
確か台車に革新的な技術が導入されたらしく、そのおかげであのスキール音や車体自体の軋みも無くなっていた。

温かみのあるオレンジ色の車内灯に変わり、静かな走行音のレトロ車両に乗りながら、煩い事や乗り心地のイマイチさを思い出した。
もう、あの時の銀座線に乗ることはないのだ。


先頭が撮れなかった
最後尾は点灯してない
画像だと光色がイマイチ分からない
外から見ると車内のオレンジが分かる
銘板はとても良い