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アイドル

年始から胃の痛さ。
吐く。
気が上がらず。

虚な気分で昔のアイドルの曲を垂れ流すように聴いている。

ああ、結局はアイドルの歌う歌とは、卑怯未練な若い男の気分を、かわいい女の子に映して、浄化してもらうための儀式だったんだな…と思って納得した。

恋心や、憧れや、恨みごとや、未練を、女々しい男の子の気分を、女の子の気分に擬態させ託して歌ってもらうことで、昇華?浄化?する儀式だったんだなと、ふと思い当たった。

演歌が人生を知り尽くし諦めた人々の怨歌であるように、アイドルソングは、少年の成仏しない見苦しい想いに塗れた結晶だったのかもしれない。

昭和のアイドルが女子から芳しい評価を得られなかったのも、贄としての消費に嫌悪感を抱いたからなのかなと思ったりする。

ん?歌謡って全部そうか…
何を今更。笑

モテなかった少年は、今も斉藤由貴の卒業を聴きながら、そりゃ恋も友情も熱血も何もなかったから卒業式で泣けるわけないわな〜と思いながら、冷たい人と思われないように、泣くふりをしなければいけない世知辛さを思う。

そんなことを思いながら、擬態のためのハンカチを持つくらいにはこの歳で成長したかもしれないと自らの成長を苦笑いで思うのです。

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