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美術館に行くと、今までと違うものが見えるようになるか? その10

印象派への旅 海運王の夢 バレルコレクション 2019年8月11日(日) 静岡市美術館

東京で見逃したバレルコレクション展。静岡に行ったついでに見るチャンスに恵まれました。東京では、どの程度混雑していたのか分かりませんが、静岡市美術館は来場者も少なく快適に見ることができました。

今日の一枚は、エドガー・ドガの「リハーサル」。

ドガは数多くのバレエダンサーの絵を描いていますが、その中でも初期の作品だと。

そう思って見ますと、そんな気もしてきます。そもそもドガは、ダンサーの顔を描かないイメージがありますが、この絵の右側のダンサーは、顔がバッチリ描かれてます。構図も、イマイチ、座りが悪い感じ。

でも、山田五郎の「ヘンタイ美術館」で指摘されているドガのヘンタイ性は、振り付け師の老人が描かれていることによって、確かに現れています。図録によると、この振り付け師の場所には柱が描かれていたのですが、後から書き変えられたと。ひょっとして、バレエダンサーとジジイを同時に描くという山田五郎的ヘンタイ性が、最初に発現した作品かも。

ウジェーヌ・ブータンも、なかなか心に残りました。それまでの時代の絵に比べて、明らかに明るい。印象派の父といわれるモネに屋外で描くことを教えたといわれるだけに、ブータンの絵には、印象派の原型があるように思われます。「トゥルーヴィルの海岸の皇后ウジェニー」は、空の美しさと、色とりどりのドレスのコントラストが印象的でした。

その他、
エドゥアール・マネ「シャンパングラスのバラ」
ピエール・オーギュスト・ルノワール「画家の庭」
シャルル=フランソワ・ドービニー「ガイヤール城」

静岡市美術館で、10月20日(日)まで。

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