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③過程

ペットを失った飼い主たちは、ただ漠然と悲しんでいるわけではありません。通常の定形ペットロスでは回復するまでには一定の経過があります。その道筋を辿り立ち直っていくことが普通です。この行程は、喪に付す過程(モーニング・プロセス)と言われ、いくつかの様相に分けられます。

準備期(死を予感し、不安を覚える、動揺が始まる予期悲嘆)

死期(ペットが死亡し、極度の緊張状態)

衝撃期(死の直後から暫く続くショック)

悲痛期(失意、混乱、どん底状態の絶望)

回復期(断念を図り、心の整理がつきはじめる)

再生期(立ち直り、体験を肯定的に振り返る)

しかしながら、誰しも順調にこのルーティンをセオリー通りになぞるわけではなく、行ったり戻ったり、ある行程で足止めを余儀なくされたりしながら個々のペースで少しずつ先のステップへ進むものです。個人差も大きく一概に言えませんが、だいたいの定形ペットロスの道筋はこのような感じです。

あまりこの行程を意識するのは、今、自分がこのような状態なのは避けようのないプロセスだ、という思いが助けになるのは良いですが、明らかに悲痛の時が長引いたりすると焦りも出たりで、かえって重症化したり、逆に努めて気持ちの速度をあげて無理やり回復したと思い込んだとしても、何かの拍子に初期のモードに帰り戻ってしまうこともあり得るので、自分のペースでゆっくりと心に向き合い、悲嘆に取り組む姿勢が大切になります。

大切な存在を失くすのは、悲しくてあたりまえなのです。辛くてあたりまえなのです。しかし、命あるものはいつか天に召されます。それを受容するのは生きているものの性であり、幾度も悲しい場面には対峙しなくてはいけないのも事実です。そのような前提でも、このプロセスがあるということを知っているか知っていないかで対処の仕方も、心のあり方の持っていきようも自ずと破滅的方向へは向かわないはずです。そのことをわかった上で、充分にそして、ある意味安心して心のままにうんと悲しめばよいのです。

私を例にあげますと、やっと再生期に入ったかな?と思った矢先にまたしても準備期になり..病気の子がいたりすると死期や悲痛期の真っ只中に準備期が入り組んだりして....たくさんの命と暮らすということは、ある意味エンドレスにペットロスなのかもしれません。そんな面持ちにやはり少し、おかしくなるときもあるので、こうして自分の気持ちを整理するためにも、この記事を書いているのかもしれません。今夜も読んでくださった方、ありがとうございます。

次回は④ペットロスの症状とエピソード」について記載します。

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