寿司屋と焼き肉屋さんは、金額の予測がつかない。
自分で支払うことがあまりないのもあって、店によって値段のレベルも違うし、食事をしながら「今、いくらくらい」の感覚が持てない。

ある日、友人と、仕事場の近くにある焼き肉屋さんに行ってみようという話になった。
近所だが、高いのか安いのか分からない。
友人とは、「一度、行ってみたい」という点で意見が一致して、
「カード使えるでしょ」
「だよね」
「（カードが）ダメなら、一万円札あるし」
といっても、そのときは最後の砦に近い一万円札だった。

「カードが使えない焼き肉屋なんて、ないよね～（笑）」
そんなノリで行った焼き肉屋さん。

軽くお肉を食べて、瓶ビールを飲んで、さて会計は？
え⁉　レジにカードマークがない。

仕方なく、安全札のつもりの一万円を出して、お釣りに千円札をもらった。
そのとき思った。
神さまは、一割を残してくれたのだと。

以後、その店には行っていない。
一割残してくれた神さまエピソードだけが今もある。

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